中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問221 (中小企業経営・中小企業政策 問29(設問1))

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問221(中小企業経営・中小企業政策 問29(設問1)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

成長型中小企業等研究開発支援事業(Go−Tech事業)は、対象となる中小企業者等が行うものづくり基盤技術及びサービスの高度化に向けた研究開発等の取り組みを支援するものである。事業期間は( A )で、通常枠の補助金額は単年度( B )、事業期間内総額9,750万円以下である。

文中の下線部「対象となる中小企業者等」の要件に含まれるものとして、最も適切なものはどれか。
  • 研究開発等によりさらなる成長・発展を目指す中小企業等であって、民間の投資会社が運営するファンドから投資や経営支援を受けていること。
  • 産業競争力強化法に基づき、高度なサービスに関する研究開発や試作品開発等に取り組んでいること。
  • 成長新事業育成審査会から研究開発等の新規性・成長性について認定を得ていること。
  • 創業支援等事業者が行う、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識が身につく、継続的な相談支援や創業セミナー等を受けていること。
  • 中小企業者等を中心として、大学、公設試験研究機関、最終製品を生産する川下製造業者、自社以外の中小企業・事業者等、2者以上で共同体を組んでいること。

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢は「中小企業者等を中心として、大学、公設試験研究機関、最終製品を生産する川下製造業者、自社以外の中小企業・事業者等、2者以上で共同体を組んでいること。」です。

成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は、中小企業が大学や研究機関などと協力して行う、新しい技術やサービスの研究開発を支援する制度です。

例えば、中小企業が大学と協力して新しい製造技術を開発したり、研究機関と共同で新製品の試作品を作ったりする取り組みが対象となります。

この事業では、中小企業者等を中心として、2者以上で共同体を構成することが必要です。

また、令和8年度の通常枠では、事業期間は2年度または3年度、補助上限額は単年度4,500万円以下、3年間の合計で9,750万円以下と定められています。

選択肢1. 研究開発等によりさらなる成長・発展を目指す中小企業等であって、民間の投資会社が運営するファンドから投資や経営支援を受けていること。

この記述は誤りです。

Go-Tech事業では、民間の投資会社が運営するファンドから投資や経営支援を受けていることは、通常枠の申請に必要な条件ではありません。

ファンドとは、複数の投資家などから集めたお金を、企業などに投資する仕組みです。

Go-Tech事業には、以前、民間ファンドなどからの出資を活用する「出資獲得枠」が設けられていました。

しかし、通常枠では、ファンドからの投資を受けていなくても、所定の条件を満たせば申請できます。

なお、令和8年度からは、従来の出資獲得枠が「大型研究開発枠」に改編されています。

そのため、ファンドから投資や経営支援を受けていることを、対象となる中小企業者等の共通要件とする説明は誤りです。

選択肢2. 産業競争力強化法に基づき、高度なサービスに関する研究開発や試作品開発等に取り組んでいること。

この記述は誤りです。

Go-Tech事業では、ものづくり基盤技術やサービスの高度化に向けた研究開発が支援対象となります。

ただし、産業競争力強化法に基づいて研究開発に取り組んでいることが、申請対象者の条件として定められているわけではありません。

Go-Tech事業では、「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針」を踏まえた研究開発などが求められます。

この指針は、中小企業が技術やサービスを高度化するために、どのような研究開発を進めるべきかを示したものです。

例えば、精密加工技術の向上や、AIを活用した新しいサービスの開発などが考えられます。

したがって、産業競争力強化法に基づく取り組みを申請要件としている点が誤りです。

選択肢3. 成長新事業育成審査会から研究開発等の新規性・成長性について認定を得ていること。

この記述は誤りです。

Go-Tech事業では、成長新事業育成審査会から事前に認定を得ることは、申請要件とされていません。

研究開発の新規性や事業化の可能性などは、補助金の採択審査において評価されます。

「新規性」とは、これまでにない技術や新しい工夫があることです。

また、「成長性」とは、研究開発の成果によって、将来の売上高や事業規模の拡大が期待できることです。

こうした点は審査で重要になりますが、申請前に特定の審査会から認定を受けなければならないという制度ではありません。

選択肢4. 創業支援等事業者が行う、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識が身につく、継続的な相談支援や創業セミナー等を受けていること。

この記述は誤りです。

この内容は、主に創業を目指す人への支援制度に関するものです。

例えば、市区町村が認定を受けた創業支援等事業計画に基づいて実施する「特定創業支援等事業」では、経営や財務、人材育成、販路開拓などについて学ぶことができます。

こうした支援は、新しく事業を始める人にとって役立ちます。

一方、Go-Tech事業は、中小企業が大学や研究機関などと連携して行う研究開発や、その成果の事業化を支援する制度です。

創業セミナーなどを受けていることは、Go-Tech事業の申請に必要な条件ではありません。

選択肢5. 中小企業者等を中心として、大学、公設試験研究機関、最終製品を生産する川下製造業者、自社以外の中小企業・事業者等、2者以上で共同体を組んでいること。

この記述が正しいです。

Go-Tech事業では、中小企業者等を中心とした2者以上の共同体を構成することが必要です。

共同体とは、複数の企業や研究機関などが協力し、共通の目的に向かって研究開発を行う組織のことです。

例えば、次のような組み合わせが考えられます。

中小企業と大学

中小企業と公設試験研究機関

中小企業と大学と別の中小企業

「公設試験研究機関」とは、地方公共団体などが設置した、企業の技術開発や製品の試験などを支援する研究機関です。

また、「川下製造業者」とは、部品や材料などを利用して、最終的な製品を作る企業のことです。

例えば、自動車部品を製造する中小企業が、自動車メーカーや大学と協力して、新しい部品の開発に取り組む場合などが考えられます。

このように、企業だけでは難しい研究開発を、大学や研究機関などの知識や技術を活用して進めることが、Go-Tech事業の特徴です。

なお、共同体には、中小企業者等が「主たる研究等実施機関」として参加する必要があります。

また、単独での申請は認められず、共同体の構成や参加機関についても、公募要領に定められた条件を満たす必要があります。

まとめ

成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は、中小企業が大学や研究機関などと連携して行う研究開発を支援する制度です。

重要なポイントは、次のとおりです。

<対象となる事業>

中小企業のものづくり基盤技術やサービスの高度化に向けた研究開発などが対象です。

<申請対象者>

中小企業者等を中心として、2者以上で共同体を構成することが必要です。

また、中小企業者等が主たる研究等実施機関として参加する必要があります。

<事業期間>

2年度または3年度です。

<通常枠の補助上限額>

単年度:4,500万円以下

2年間合計:7,500万円以下

3年間合計:9,750万円以下

<通常枠の補助率>

中小企業者等:原則3分の2以内

大学・公設試験研究機関等:定額

ただし、課税所得が15億円を超える中小企業者等には、原則2分の1以内の補助率が適用されます。

なお、令和8年度からは、従来の出資獲得枠が大型研究開発枠に改編され、通常枠とは異なる補助上限額などが設けられています。

今回の問題では、Go-Tech事業は中小企業が単独で研究開発を行う制度ではなく、大学や研究機関などと共同体を構成して研究開発を進める制度であることが重要です。

試験では、「2者以上の共同体」「事業期間は2年度または3年度」「通常枠の単年度上限4,500万円」「3年間合計9,750万円以下」というポイントを覚えておくことが大切です。

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