中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問220 (中小企業経営・中小企業政策 問28)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問220(中小企業経営・中小企業政策 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の問いに答えよ。

日本経済は、賃上げ率・国内投資ともに30年ぶりの高水準にあり、変化の兆しが現れる中、多くの中小企業は、物価高や人手不足等の経営課題に直面している。経済の好循環を全国に行き渡らせるためには、中小企業全体の「稼ぐ力」を底上げするとともに、地域にインパクトのある成長企業を創出していくことが重要である。特に売上高が100億円に及ぶ企業は、一般的に賃金水準が高く、輸出による外需獲得やサプライチェーンへの波及効果も大きい等、地域経済に与えるインパクトも大きい。中小企業成長加速化補助金は、こうした観点から、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を進めようとする中小企業の取り組みを支援することを目的としている。

文中の下線部「中小企業成長加速化補助金」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 1次審査と2次審査があり、ともに書面による審査である。
  • 申請者は一定の賃上げ要件を満たす今後3年間の事業計画を策定する必要がある。
  • 申請者は売上高が10億円以上100億円未満である必要がある。
  • 補助事業実施期間は交付決定日から5年以内である。
  • 専門家経費・外注費を除く補助対象経費のうち投資額が3億円以上でなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

中小企業成長加速化補助金に関する問題です。令和7年度に引き続き2年連続の出題のため、過去問題で復習されている方は対応しやすかったと思います。

 

本問で問われている内容を抜粋すると、以下のようになります。

出所:独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業成長加速化補助金のご案内」(https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_info/growth_acceleration_subsidy.html)

 

・対象者

売上高が10億円以上100億円未満

・補助対象要件    
補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜)であること。既存の老朽化設備を入れ替えるなど生産能力等が向上しない投資(更新投資)は認められない。投資額とは建物費、機械装置費、ソフトウェア費の補助対象経費の合算金額であり、外注費、専門家経費は含まない。


一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること。

・補助事業期間    

交付決定日から24か月以内。

 

※中小企業成長加速化補助金では、1次審査(書面審査)と2次審査(プレゼン審査)の二段階で審査が行われることが大きな特徴として挙げられます。

選択肢1. 1次審査と2次審査があり、ともに書面による審査である。

冒頭の解説より、2次審査はプレゼン審査のため不適切な選択肢となります。

選択肢2. 申請者は一定の賃上げ要件を満たす今後3年間の事業計画を策定する必要がある。

冒頭の解説より、申請者は一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定する必要があるため不適切な選択肢となります。

選択肢3. 申請者は売上高が10億円以上100億円未満である必要がある。

冒頭の解説より、申請者は売上高が10億円以上100億円未満である必要があるため正解の選択肢となります。

選択肢4. 補助事業実施期間は交付決定日から5年以内である。

冒頭の解説より、補助事業実施期間は交付決定日から24か月以内であるため不適切な選択肢となります。

選択肢5. 専門家経費・外注費を除く補助対象経費のうち投資額が3億円以上でなければならない。

冒頭の解説より、専門家経費・外注費を除く補助対象経費のうち投資額が1億円以上でなければならないため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

中小企業成長加速化補助金は、令和6年度に創設された新しい補助金です。

 

現在の高市政権では企業の投資活性化を狙う「成長投資」を経済成長の軸に掲げているため、来年度以降も出題される可能性が考えられますが、主要な論点は出題済みのため規定の細かい内容や未出題の数値部分が対象になると考えます。

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02

正しい選択肢は「申請者は売上高が10億円以上100億円未満である必要がある。」です。

中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指す中小企業が、事業を大きく成長させるために行う設備投資などを支援する制度です。

例えば、新しい工場の建設や生産設備の導入など、企業の成長につながる大きな投資を支援します。

この補助金では、申請する企業の売上高が10億円以上100億円未満であることが条件の1つです。

また、主な申請要件として、投資額が1億円以上であること、一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定することなどが定められています。

選択肢1. 1次審査と2次審査があり、ともに書面による審査である。

この記述は誤りです。

中小企業成長加速化補助金では、1次審査と2次審査が行われますが、審査方法が異なります。

1次審査は書面審査、2次審査はプレゼンテーション審査です。

1次審査では、企業が提出した事業計画書などをもとに、申請条件を満たしているか、計画に実現性があるかなどを審査します。

2次審査では、原則として経営者自身が事業計画について説明し、審査員からの質問に答えます。

例えば、新しい工場を建設する計画であれば、なぜその投資が必要なのか、どのように売上高を増やすのかなどを説明します。

したがって、2次審査も書面による審査であるという部分が誤りです。

選択肢2. 申請者は一定の賃上げ要件を満たす今後3年間の事業計画を策定する必要がある。

この記述は誤りです。

中小企業成長加速化補助金では、一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定する必要があります。

事業計画とは、企業が今後どのように売上高を増やし、事業を成長させていくのかをまとめた計画です。

例えば、新しい設備の導入によって生産量を増やし、売上高を拡大するとともに、従業員の給与を引き上げる計画などが考えられます。

なお、賃上げを実施する期間は、補助事業終了後の3年間です。

つまり、事業計画の期間と賃上げを実施する期間は異なります。

そのため、事業計画の期間を3年間としている点が誤りです。

選択肢3. 申請者は売上高が10億円以上100億円未満である必要がある。

この記述は正しいです。

中小企業成長加速化補助金では、売上高が10億円以上100億円未満の中小企業が対象となります。

この制度は、すでに一定の事業規模を持つ中小企業が、大きな設備投資などを行い、売上高100億円を目指して成長することを支援するものです。

例えば、現在の売上高が30億円の中小企業が、新しい工場を建設して生産能力を高め、将来的に売上高100億円を目指す場合などが考えられます。

一方、売上高が5億円の企業や、すでに売上高が100億円に達している企業は、この売上高の条件を満たしません。

また、申請する企業は、売上高100億円を目指すことを表明する「100億宣言」を行う必要があります。

ただし、売上高の条件を満たしているだけで補助金を受け取れるわけではなく、投資額や事業計画など、その他の要件も満たす必要があります。

選択肢4. 補助事業実施期間は交付決定日から5年以内である。

この記述は誤りです。

中小企業成長加速化補助金の補助事業実施期間は、交付決定日から24か月以内(2年以内)です。

「補助事業実施期間」とは、補助金の対象となる事業を実際に行い、完了させるまでの期間です。

例えば、新しい工場を建設したり、生産設備を導入したりする場合、原則として交付決定日から24か月以内に補助事業を完了する必要があります。

なお、今後5年程度の事業計画を策定することも求められますが、これは企業の中長期的な成長計画を示すものです。

事業計画の期間が5年程度であることと、補助事業実施期間が24か月以内であることは別の条件です。

そのため、補助事業実施期間を5年以内とする説明は誤りです。

選択肢5. 専門家経費・外注費を除く補助対象経費のうち投資額が3億円以上でなければならない。

この記述は誤りです。

中小企業成長加速化補助金では、補助対象経費のうち、投資額が1億円以上(税抜き)であることが条件です。

ここでいう投資額には、主に次の費用が含まれます。

建物費

機械装置費

ソフトウェア費

ただし、これらは原則として、企業の資産として計上するものが対象です。

一方、専門家経費や外注費は、この1億円以上という投資額の計算には含まれません。

例えば、新しい生産設備の導入に8,000万円、建物の整備に3,000万円を使う場合、投資額は合計1億1,000万円となり、金額の条件を満たします。

ただし、実際に補助金を受けるためには、その他の申請要件も満たす必要があります。

したがって、必要な投資額を3億円以上としている点が誤りです。

まとめ

中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指す中小企業の大規模な投資を支援する制度です。

重要な条件は、次のとおりです。

<対象企業>

売上高10億円以上100億円未満の中小企業が対象です。

また、売上高100億円を目指す「100億宣言」を行う必要があります。

<投資額>

1億円以上(税抜き)の投資が必要です。

投資額には、建物費、機械装置費、ソフトウェア費などが含まれますが、専門家経費や外注費は含まれません。

<事業計画と賃上げ>

今後5年程度の事業計画を策定する必要があります。

また、賃上げの実施期間は補助事業終了後の3年間です。

<補助事業実施期間>

交付決定日から24か月以内(2年以内)です。

<審査方法>

1次審査:書面審査

2次審査:プレゼンテーション審査

<補助金額・補助率>

補助上限額:5億円

補助率:2分の1

例えば、補助対象となる経費が6億円の場合、補助率2分の1では、最大3億円が補助される計算になります。

ただし、実際の補助金額は審査や対象経費の確認などによって決まります。

今回の問題では、「売上高10億円以上100億円未満」「投資額1億円以上」「事業計画は5年程度」「補助事業実施期間は24か月以内」という数値の違いを正確に覚えることが大切です。

また、審査では書面だけでなく、経営者自身によるプレゼンテーションも行われることを理解しておきましょう。

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