中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問218 (中小企業経営・中小企業政策 問27(設問2))

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問218(中小企業経営・中小企業政策 問27(設問2)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

下請代金支払遅延等防止法(下請法)が改正され、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法)として令和8年1月1日に施行された。この法律は、製造委託等に関し、中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等を防止することによって、委託事業者の中小受託事業者に対する取引を公正にするとともに、中小受託事業者の利益を保護し、国民経済の健全な発達に寄与することを目的としている。今回の改正では、委託事業者の義務や禁止行為が変更されるとともに、適用対象が拡大された。

物品の製造委託において、中小受託取引適正化法が適用される委託事業者と中小受託事業者の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • 委託事業者:資本金800万円、常時使用する従業員10人の株式会社
    中小受託事業者:常時使用する従業員5人の個人事業主
  • 委託事業者:資本金2,000万円、常時使用する従業員20人の株式会社
    中小受託事業者:資本金1,500万円、常時使用する従業員5人の合同会社
  • 委託事業者:資本金3,000万円、常時使用する従業員30人の株式会社
    中小受託事業者:資本金800万円、常時使用する従業員10人の株式会社
  • 委託事業者:資本金1億円、常時使用する従業員90人の株式会社
    中小受託事業者:資本金5,000万円、常時使用する従業員80人の株式会社
  • 委託事業者:資本金20億円、常時使用する従業員150人の株式会社
    中小受託事業者:資本金5億円、常時使用する従業員120人の株式会社

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正しい選択肢は「委託事業者:資本金3,000万円、常時使用する従業員30人の株式会社 中小受託事業者:資本金800万円、常時使用する従業員10人の株式会社」です。

中小受託取引適正化法(取適法)は、企業間の取引を公正にし、仕事を受注する中小企業の利益を守るための法律です。

令和8年(2026年)1月1日に、従来の下請法が改正されて施行されました。

今回の改正では、従来の資本金基準に加えて、従業員基準が新たに設けられました。

物品の製造委託では、主に次の基準で法律の適用対象となるかどうかを判断します。

<資本金基準>

委託事業者が資本金3億円超の場合、中小受託事業者が資本金3億円以下

委託事業者が資本金1,000万円超3億円以下の場合、中小受託事業者が資本金1,000万円以下

<従業員基準>

委託事業者が常時使用する従業員300人超の場合、中小受託事業者が常時使用する従業員300人以下

資本金基準を満たさない場合でも、従業員基準を満たせば法律の適用対象となります。

今回の問題では、資本金3,000万円の委託事業者と、資本金800万円の中小受託事業者の組み合わせが、資本金基準を満たしています。

選択肢3. 委託事業者:資本金3,000万円、常時使用する従業員30人の株式会社
中小受託事業者:資本金800万円、常時使用する従業員10人の株式会社

この組み合わせが正しいです。

委託事業者の資本金は3,000万円なので、資本金1,000万円超3億円以下の区分に該当します。

一方、中小受託事業者の資本金は800万円なので、1,000万円以下という基準を満たしています。

つまり、「委託事業者の資本金が1,000万円超3億円以下、受注側の資本金が1,000万円以下」という条件に該当します。

なお、委託事業者の従業員数は30人ですが、資本金基準を満たしているため、従業員数が300人を超えている必要はありません。

したがって、資本金基準によって取適法が適用される組み合わせです。

まとめ

中小受託取引適正化法(取適法)は、発注する企業と仕事を受注する中小企業との取引を公正にするための法律です。

令和8年1月1日の改正では、従来の資本金基準に加えて、従業員基準が新たに設けられました。

物品の製造委託では、次の条件を覚えておくことが大切です。

<資本金基準>

委託事業者と中小受託事業者の組み合わせは、次のいずれかです。

委託事業者:3億円超 中小受託事業者:3億円以下

委託事業者:1,000万円超3億円以下 中小受託事業者:1,000万円以下

<従業員基準>

委託事業者:300人超 中小受託事業者:300人以下

従業員基準は、資本金基準では適用対象とならない場合に用いられます。

また、従業員基準が導入されたことで、資本金が少なくても、多数の従業員を雇用している企業との取引が、法律の対象となる場合があります。

なお、情報成果物作成委託や役務提供委託の一部では、今回説明した物品の製造委託とは異なる基準が適用されます。

今回の問題では、資本金3,000万円の委託事業者と、資本金800万円の中小受託事業者の組み合わせが、資本金基準を満たしていることが判断のポイントです。

試験では、「資本金1,000万円・3億円の境界」と「従業員300人の境界」を正確に覚えておくことが重要です。

参考になった数2

02

中小受託取引適正化法(旧下請法)に関する問題です。改正直後ということもあり前問に引き続き2問出題されていますが、本問で問われている内容は旧下請法の時代から繰り返し問われているものであり、必ず正答しなければなりません。

 

中小受託取引適正化法については以下のサイトに図表やイラストで紹介されていますが、ボリュームが多いため選択肢に関係のある内容のみ抜粋いたします。

 

出所:政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」(https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html)

 

本問の内容は上記サイト内で図表で紹介されています。(「物品の製造委託」のため上部分になります)。委託事業者・中小受託事業者がともに、資本金基準又は従業員基準のいずれかの基準を満たす場合に取適法の適用対象となることに注意してください。

選択肢1. 委託事業者:資本金800万円、常時使用する従業員10人の株式会社
中小受託事業者:常時使用する従業員5人の個人事業主

冒頭の解説内図表より、委託事業者は資本金・従業員ともに基準以下で中小受託取引適正化法は適用されないため、不適切な選択肢となります。

選択肢2. 委託事業者:資本金2,000万円、常時使用する従業員20人の株式会社
中小受託事業者:資本金1,500万円、常時使用する従業員5人の合同会社

冒頭の解説内図表より、委託事業者の従業員が基準以下、中小受託事業者の資本金が基準超で中小受託取引適正化法は適用されないため、不適切な選択肢となります。

 

※委託事業者・中小受託事業者がともに、資本金基準又は従業員基準のいずれかの基準を満たす場合に取適法の適用対象となることに注意してください。

選択肢3. 委託事業者:資本金3,000万円、常時使用する従業員30人の株式会社
中小受託事業者:資本金800万円、常時使用する従業員10人の株式会社

冒頭の解説内図表より、委託事業者と中小受託事業者の資本金基準を満たしているため正解の選択肢となります。

選択肢4. 委託事業者:資本金1億円、常時使用する従業員90人の株式会社
中小受託事業者:資本金5,000万円、常時使用する従業員80人の株式会社

冒頭の解説内図表より、委託事業者の従業員が基準以下、中小受託事業者の資本金が基準超で中小受託取引適正化法は適用されないため、不適切な選択肢となります。

 

※委託事業者・中小受託事業者がともに、資本金基準又は従業員基準のいずれかの基準を満たす場合に取適法の適用対象となることに注意してください。

選択肢5. 委託事業者:資本金20億円、常時使用する従業員150人の株式会社
中小受託事業者:資本金5億円、常時使用する従業員120人の株式会社

冒頭の解説内図表より、委託事業者の従業員が基準以下、中小受託事業者の資本金が基準超で中小受託取引適正化法は適用されないため、不適切な選択肢となります。

 

※委託事業者・中小受託事業者がともに、資本金基準又は従業員基準のいずれかの基準を満たす場合に取適法の適用対象となることに注意してください。

まとめ

【補足】

 

出題されるであろう論点が、まだ多数残されています。来年度以降も継続的に出題されるという前提で、優先的に学習を進めてください。

 

※旧下請法の内容で、中小受託取引適正化法に引き継がれているものは引き続き有効です。

参考になった数0