中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問210 (中小企業経営・中小企業政策 問21)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問210(中小企業経営・中小企業政策 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

「事業承継・M&A補助金」は、事業承継を予定している場合の設備投資等に係る費用や、M&A時の専門家活用に係る費用、M&A後の経営統合に係る費用、事業承継・M&Aに伴う廃業等に係る費用を補助するものである。
この補助金には、「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」が設けられている。このうち「事業承継促進枠」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 8年後に親族内承継または従業員承継を予定している中小企業者等は対象となる。
  • 一定の賃上げを実施する場合、補助上限額が引き上げられる。
  • 「事業承継・M&A補助金」の「廃業・再チャレンジ枠」との併用はできない。
  • 補助上限額は1,500万円である。
  • 補助率は3分の1である。

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この過去問の解説 (2件)

01

事業承継・M&A補助金に関する問題です。事業承継促進枠についての概要は、以下の通りです。

 

• 対象者

5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している方
 

• 主な取り組み

設備投資、販路開拓、新商品開発等
 

• 補助上限額

800万円、賃上げ要件を満たす場合は1,000万円
 

• 補助率

1/2以内、小規模事業者等は2/3以内


• 併用可能枠

廃業を伴う場合は「廃業・再チャレンジ枠」の併用可能

 

本問では問われていませんが、現経営者と後継者等が共同で作成する「事業承継計画書」が必須となります。

選択肢1. 8年後に親族内承継または従業員承継を予定している中小企業者等は対象となる。

冒頭の解説より、5年以内に親族内承継または従業員承継を予定していることが要件のため不適切な選択肢となります。

選択肢2. 一定の賃上げを実施する場合、補助上限額が引き上げられる。

冒頭の解説より、賃上げ要件を満たす場合は補助上限額が引き上げられるため正解の選択肢となります。

 

※一般的に、他の補助金でも賃上げ要件を満たす場合は補助上限額が引き上げられることが多いため、この知識だけを知っておくだけでも正誤判断しやすくなります。(なお、賃上げ要件を満たせなかった場合は補助金の返還を求められます)

選択肢3. 「事業承継・M&A補助金」の「廃業・再チャレンジ枠」との併用はできない。

冒頭の解説より、「廃業・再チャレンジ枠」と併用可能であるため不適切な選択肢となります。

選択肢4. 補助上限額は1,500万円である。

冒頭の解説より、補助上限額は原則800万円であるため不適切な選択肢となります。

選択肢5. 補助率は3分の1である。

冒頭の解説より、補助率は2分の1または3分の2であるため不適切な選択肢となります。

 

※一般的に、補助率は中小事業者と小規模事業者で異なる(小規模事業者の方が、補助率が高い)ことが多いです。また、補助率3分の1は33.3%ということであり、補助を受けられるメリットが少ない=不適切な選択肢と判断することができます。

まとめ

【補足】

 

当該補助金は過去2回名称が変更されており、令和7年度に現在の名称になっているため本試験では初めての出題となります。また、制度の細かい要件も問われているため正答することは難しかったと思われます。

 

補助金の要件は変更されることも珍しくなく、補助金業務に従事していない人にとっては学習効率が悪いため時間をかけることはお勧めできません。一部の選択肢で解説している「賃上げ要件を満たす場合は補助上限額が引き上げられる」(と規定している補助金が多い)という知識だけを押さえておきましょう。

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02

正しい選択肢は「一定の賃上げを実施する場合、補助上限額が引き上げられる。」です。

事業承継・M&A補助金の「事業承継促進枠」は、中小企業が親族や従業員に事業を引き継ぐ際に、設備投資などにかかる費用の一部を国が補助する制度です。

例えば、経営者が子どもに会社を引き継ぐ際、新しい機械を購入したり、店舗を改装したりする費用を支援します。

この制度では、5年以内に親族内承継または従業員承継を予定していることが主な条件です。

また、一定の賃上げを実施する場合、補助上限額が800万円から1,000万円に引き上げられます。

選択肢1. 8年後に親族内承継または従業員承継を予定している中小企業者等は対象となる。

この記述は誤りです。

事業承継促進枠では、5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している中小企業者等が対象となります。

親族内承継とは、子どもなどの親族に事業を引き継ぐことです。

従業員承継とは、会社で働いている従業員などに事業を引き継ぐことです。

この選択肢では、事業を引き継ぐ予定が8年後となっているため、5年以内という条件を満たしていません。

選択肢2. 一定の賃上げを実施する場合、補助上限額が引き上げられる。

この記述は正しいです。

事業承継促進枠では、通常の補助上限額は800万円ですが、一定の賃上げを実施する場合は、1,000万円に引き上げられます。

「賃上げ」とは、従業員に支払う給与を増やすことです。

例えば、会社が事業承継に合わせて設備を新しくし、従業員の給与も一定の条件に従って引き上げる場合、通常より多くの補助を受けられる可能性があります。

ただし、賃上げを行えば必ず1,000万円を受け取れるわけではなく、補助対象となる経費や補助率などによって実際の金額が決まります。

選択肢3. 「事業承継・M&A補助金」の「廃業・再チャレンジ枠」との併用はできない。

この記述は誤りです。

事業承継促進枠は、廃業・再チャレンジ枠と併用することができます。

廃業・再チャレンジ枠とは、事業承継やM&Aに伴って、不要になった事業や設備などを整理するための費用を支援する制度です。

例えば、会社の一部の事業を引き継ぐ際、使わなくなった店舗を閉鎖するための費用などが補助対象となる場合があります。

このように、条件を満たせば、事業承継に必要な設備投資と、廃業に必要な費用の両方について支援を受けることができます。

選択肢4. 補助上限額は1,500万円である。

この記述は誤りです。

事業承継促進枠の補助上限額は、通常800万円、一定の賃上げを実施する場合は1,000万円です。

したがって、1,500万円という金額は、事業承継促進枠の補助上限額とは一致しません。

なお、廃業・再チャレンジ枠と併用する場合には、所定の条件に従って廃業費の補助額が加算されることがあります。

選択肢5. 補助率は3分の1である。

この記述は誤りです。

事業承継促進枠の補助率は、原則として2分の1以内、小規模事業者等に該当する場合は3分の2以内です。

「補助率」とは、補助対象となる費用のうち、国がどのくらいの割合を負担するかを示すものです。

例えば、補助対象となる設備投資の費用が600万円の場合、補助率が2分の1であれば最大300万円、3分の2であれば最大400万円が補助される計算になります。

したがって、補助率を3分の1とする記述は誤りです。

まとめ

事業承継・M&A補助金の「事業承継促進枠」は、中小企業が親族や従業員に事業を引き継ぐ際の設備投資などを支援する制度です。

覚えておきたいポイントは、次のとおりです。

対象者:5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している中小企業者等

補助上限額:通常800万円、一定の賃上げを実施する場合は1,000万円

補助率:原則2分の1以内、小規模事業者等は3分の2以内

併用:廃業・再チャレンジ枠との併用が可能

特に、「5年以内の事業承継」「賃上げによる補助上限額の引き上げ」「廃業・再チャレンジ枠との併用」が重要です。

また、「補助上限額」は受け取れる補助金の最大額であり、「補助率」は対象経費のうち補助される割合を示します。

この2つの違いも理解しておくことが大切です。

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