中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問204 (中小企業経営・中小企業政策 問16(設問2))

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問204(中小企業経営・中小企業政策 問16(設問2)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業庁「価格交渉促進月間フォローアップ調査(2024年9月)」に基づき、① 中小企業における価格交渉の状況(2024年9月)を見ると、事業者によって状況が異なることが分かる。また、② 価格転嫁率の状況(2024年9月)について、受注側企業の取引段階別に見ると、取引段階によって価格転嫁の状況は異なっている。
なお、このアンケート調査は、2024年9月から11月にかけて、全国300,000社を対象に実施されたものである(回答企業数51,282社、回収率17.1%)。
価格交渉の状況については、「価格交渉は不要」との回答を除いた場合の回答分布で見るものとする。
価格転嫁率は、主要な発注側企業(最大3社)との間で、直近6カ月間の全般的なコスト上昇分のうち、何割を価格転嫁できたかの回答を集計したもので、「価格転嫁は不要」と回答した事業者を除いている。
そして、取引段階は、受注側中小企業に対する、「自社が、最終製品・サービスを提供する企業から数え、どの取引段階に位置しているか」との質問への回答を集計したものである。

文中の下線部②について、受注側企業の価格転嫁率の状況(2024年9月)を取引段階別に見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。
  • 1次請け、3次請けとも、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回る。
  • 1次請け、3次請けとも、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回る。
  • 1次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回り、3次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回る。
  • 1次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回り、3次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回る。

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この過去問の解説 (1件)

01

「1次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回り、3次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回る。」が最も適切です。

2024年9月の調査では、1次請けと3次請けの回答割合は次のとおりです。

1次請け:10割が27.3%、0割が17.0%

3次請け:10割が15.9%、0割が27.0%

つまり、1次請けでは全額を価格転嫁できた企業の方が多く、3次請けでは全く価格転嫁できなかった企業の方が多いという結果です。

選択肢1. 1次請け、3次請けとも、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回る。

不適切です。

1次請けでは、「10割」と回答した企業が27.3%、「0割」と回答した企業が17.0%となっており、全額転嫁できた企業の方が多くなっています。

しかし、3次請けでは、「10割」が15.9%、「0割」が27.0%となっています。

したがって、3次請けでは「10割」より「0割」と回答した企業の方が多いため、誤りです。

選択肢2. 1次請け、3次請けとも、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回る。

不適切です。

3次請けでは、「10割」と回答した企業が15.9%、「0割」と回答した企業が27.0%なので、「10割」の方が少なくなっています。

しかし、1次請けでは、「10割」が27.3%、「0割」が17.0%となっており、「10割」の方が多くなっています。

したがって、1次請けでも「10割」の割合が低いとしている部分が誤りです。

選択肢3. 1次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回り、3次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回る。

適切です。

1次請けでは、次のような回答割合となっています。

「10割」:27.3%

「0割」:17.0%

「10割」の方が10.3ポイント高くなっています。

一方、3次請けでは、次のようになっています。

「10割」:15.9%

「0割」:27.0%

「0割」の方が11.1ポイント高くなっています。

このように、1次請けと3次請けでは、全額転嫁できた企業と全く転嫁できなかった企業の割合の大小関係が逆になっています。

選択肢4. 1次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回り、3次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回る。

不適切です。

実際の調査結果とは、1次請けと3次請けの両方で大小関係が逆になっています。

1次請けでは、「10割」の27.3%が「0割」の17.0%を上回っています。

3次請けでは、「10割」の15.9%が「0割」の27.0%を下回っています。

したがって、1次請けでは「10割」が多く、3次請けでは「0割」が多いということがポイントです。

まとめ

今回の問題では、価格転嫁率と取引段階の違いを理解することが重要です。

<価格転嫁率とは>

原材料費や人件費、エネルギー費などのコストが上昇した際に、その上昇分のうち、どれくらいを取引価格に反映できたかを表す割合です。

例えば、コストが100円上昇した場合を考えます。

「10割」:100円すべてを価格に上乗せできた状態です。

「5割」:50円を価格に上乗せできた状態です。

「0割」:上昇したコストを全く価格に上乗せできなかった状態です。

今回の調査では、主要な発注側企業との取引について、直近6か月間のコスト上昇分をどれくらい価格転嫁できたかを確認しています。

<1次請けと3次請けの違い>

1次請けとは、最終製品やサービスを提供する企業から、直接仕事を受注する企業のことです。

3次請けとは、その取引のつながりの中で、さらに下の段階に位置する企業のことです。

例えば、完成品を販売する企業が1次請けに部品製造を依頼し、その1次請けが2次請けに加工を依頼し、さらに2次請けが3次請けに一部の作業を依頼する場合があります。

<2024年9月の調査結果>

1次請け

「10割」:27.3%

「0割」:17.0%

全額転嫁できた企業の割合の方が高くなっています。

3次請け

「10割」:15.9%

「0割」:27.0%

全く転嫁できなかった企業の割合の方が高くなっています。

また、取引段階が深くなるほど、価格転嫁が難しくなる傾向も見られます。

例えば、2次請けでは「10割」が21.6%、「0割」が21.3%とほぼ同じ割合ですが、4次請け以上では「10割」が12.1%、「0割」が35.2%となっています。

このように、取引段階が下になるほど、コストの上昇分を取引価格に反映しにくくなる傾向があります。

なお、今回の集計では「価格転嫁は不要」と回答した事業者は除かれており、全額転嫁できた企業と全く転嫁できなかった企業以外にも、一部だけ転嫁できた企業などが含まれています。

今回の問題では、次の2点を覚えておきましょう。

1次請け:「10割」の割合が「0割」の割合を上回っています。

3次請け:「10割」の割合が「0割」の割合を下回っています。

したがって、「1次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を上回り、3次請けでは、価格転嫁率が「10割」と回答した企業の割合が、「0割」と回答した企業の割合を下回る。」が最も適切です。

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