中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問203 (中小企業経営・中小企業政策 問16(設問1))

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問203(中小企業経営・中小企業政策 問16(設問1)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業庁「価格交渉促進月間フォローアップ調査(2024年9月)」に基づき、① 中小企業における価格交渉の状況(2024年9月)を見ると、事業者によって状況が異なることが分かる。また、② 価格転嫁率の状況(2024年9月)について、受注側企業の取引段階別に見ると、取引段階によって価格転嫁の状況は異なっている。
なお、このアンケート調査は、2024年9月から11月にかけて、全国300,000社を対象に実施されたものである(回答企業数51,282社、回収率17.1%)。
価格交渉の状況については、「価格交渉は不要」との回答を除いた場合の回答分布で見るものとする。
価格転嫁率は、主要な発注側企業(最大3社)との間で、直近6カ月間の全般的なコスト上昇分のうち、何割を価格転嫁できたかの回答を集計したもので、「価格転嫁は不要」と回答した事業者を除いている。
そして、取引段階は、受注側中小企業に対する、「自社が、最終製品・サービスを提供する企業から数え、どの取引段階に位置しているか」との質問への回答を集計したものである。

文中の下線部①について、中小企業における価格交渉の状況(2024年9月)を次のa~cについて見た場合、回答割合が大きいものから小さいものへと並べた組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。

a:「コストが上昇したが、発注企業から申し入れがなく、発注減少や取引停止を恐れ、交渉を申し出なかった」
b:「受注企業から、発注企業に交渉を申し出、価格交渉が行われた」
c:「発注企業から、交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」
  • a — b — c
  • a — c — b
  • b — a — c
  • b — c — a
  • c — b — a

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この過去問の解説 (1件)

01

「b — c — a」が当てはまります。

中小企業庁「価格交渉促進月間フォローアップ調査(2024年9月)」によると、中小企業における価格交渉の状況は、次のとおりです。

b:受注企業から交渉を申し出て、価格交渉が行われた:58.1%

c:発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた:28.3%

a:発注減少や取引停止を恐れ、交渉を申し出なかった:10.2%

したがって、回答割合が大きい順に並べると、b → c → aとなります。

この問題では、価格交渉をどちらの企業から申し出たのか、また、交渉したくても申し出られなかった企業がどれくらいあるのかを理解することが重要です。

選択肢4. b — c — a

a:「コストが上昇したが、発注企業から申し入れがなく、発注減少や取引停止を恐れ、交渉を申し出なかった」

回答割合は、10.2%です。

これは、原材料費や人件費などのコストが上昇したにもかかわらず、取引先との関係が悪くなることを心配して、価格交渉を申し出なかった企業のことです。

例えば、部品を製造する中小企業で、原材料費が上昇した場合を考えます。

本来であれば、原材料費の上昇分を販売価格に反映してもらうため、取引先に価格の引上げを相談する必要があります。

しかし、取引先からの注文が減ったり、取引を打ち切られたりすることを恐れて、交渉を申し出られない場合があります。

このように、発注企業との立場の違いなどから、価格交渉を行えない中小企業も存在します。

2024年9月の調査では、10.2%の企業が、発注減少や取引停止を恐れて価格交渉を申し出なかったと回答しています。

今回の3つの項目の中では、最も回答割合が低くなっています。

b:「受注企業から、発注企業に交渉を申し出、価格交渉が行われた」

回答割合は、58.1%です。

これは、商品やサービスを提供する受注企業が、取引先である発注企業に自ら価格交渉を申し出て、実際に交渉が行われた場合です。

例えば、食品メーカーが原材料費や人件費の上昇を受けて、取引先の小売企業に商品の納入価格を引き上げてもらうよう申し出る場合が考えられます。

このような価格交渉によって、コストの上昇分を販売価格に反映できれば、企業の利益が圧迫されることを防ぎやすくなります。

2024年9月の調査では、58.1%の企業が、受注企業側から交渉を申し出て、価格交渉が行われたと回答しています。

今回の3つの項目の中では、最も回答割合が高くなっています。

なお、価格交渉が行われたからといって、希望した金額まで必ず価格を引き上げられたわけではありません。

価格交渉が行われたことと、価格転嫁が実現したことは別である点にも注意が必要です。

c:「発注企業から、交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」

回答割合は、28.3%です。

これは、商品やサービスを発注する企業の方から価格交渉を申し出て、実際に交渉が行われた場合です。

例えば、大企業が取引先の中小企業に対して、原材料費や人件費などの上昇状況を確認し、納入価格の見直しについて話し合う場合が考えられます。

発注企業が自ら価格交渉を申し出ることで、受注企業は価格の引上げについて相談しやすくなります。

2024年9月の調査では、28.3%の企業が、発注企業側からの申し入れによって価格交渉が行われたと回答しています。

これは、2024年3月の26.3%から2.0ポイント上昇しています。

このことから、発注企業の側から価格交渉を申し出る動きが、少しずつ広がっていることが分かります。

ただし、受注企業から申し出て価格交渉が行われた58.1%よりも低い割合です。

したがって、今回の3つの項目の中では、2番目に多くなっています。

まとめ

今回の問題では、「価格交渉」と「価格転嫁」の違いを理解することが重要です。

<価格交渉とは>

商品の仕入価格や人件費などが上昇した際に、その上昇分を取引価格に反映できるよう、取引先と話し合うことです。

例えば、原材料費が上昇した製造業者が、取引先に納入価格の引上げを相談することが該当します。

<価格転嫁とは>

原材料費や人件費などのコスト上昇分を、商品やサービスの販売価格に反映することです。

例えば、製造コストが100円上昇した商品について、納入価格も100円引き上げることができれば、コスト上昇分を全額価格転嫁できたことになります。

なお、価格交渉が行われても、必ずしも価格転嫁が実現するとは限りません。

<2024年9月の価格交渉の状況>

受注企業から交渉を申し出て、価格交渉が行われた:58.1%

発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた:28.3%

発注減少や取引停止を恐れ、交渉を申し出なかった:10.2%

このように、受注企業側から交渉を申し出る割合が最も高くなっています。

また、受注企業と発注企業のどちらかから申し入れがあり、価格交渉が実際に行われた割合を合計すると、

58.1%+28.3%=86.4%

となります。

つまり、価格交渉を必要とする企業のうち、8割以上で価格交渉が行われていることが分かります。

一方で、発注減少や取引停止を恐れて交渉を申し出なかった企業もあり、価格交渉を行いやすい取引環境の整備が引き続き重要となっています。

なお、今回の回答割合は、「価格交渉は不要」と回答した事業者を除いて集計しています。

また、調査全体の回答企業数は51,282社ですが、価格交渉の状況について「価格交渉は不要」との回答を除いた集計対象は34,586件です。

今回の問題では、次の順番を覚えておきましょう。

b:受注企業から交渉を申し出た(58.1%)

c:発注企業から交渉を申し入れた(28.3%)

a:発注減少や取引停止を恐れて申し出なかった(10.2%)

したがって、「b — c — a」が最も適切です。

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