中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問173 (経営情報システム 問13)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問173(経営情報システム 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

ITエンジニアでなくても、さまざまなアプリケーションの導入や開発が可能となりつつある。
それらに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • AIの民主化とは、AIの利用や開発などのプロセスにおいて、専門家でなくても誰もが参画できるようにするという考え方のことである。
  • APIとは、企業内で生成AI利用時に、内部の資料などを参照して回答精度を向上させる手法のことである。
  • シャドーITとは、情報システム部に申請しなくても利用できる、安全性の確認が終わっているアプリケーションのことである。
  • モダナイゼーションとは、これまで人間がパソコン上で行ってきた作業をソフトウェアロボットにより自動化する手法のことである。
  • ローコード開発とは、必要最小限のソースコードでアプリケーションを開発する手法で、AI開発でよく利用されるPythonはその一例である。

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この過去問の解説 (1件)

01

「AIの民主化とは、AIの利用や開発などのプロセスにおいて、専門家でなくても誰もが参画できるようにするという考え方のことである。」が当てはまります。

AIの民主化とは、AIに関する専門知識がない人でも、AIを利用したり、AIを使ったサービスの開発に参加したりできるようにする考え方です。

近年は、プログラミングの専門知識が少なくても、AIやアプリケーションを利用・開発できる環境が整いつつあります。

この問題では、AIの民主化、API、シャドーIT、モダナイゼーション、ローコード開発の意味と特徴を理解することが重要です。

選択肢1. AIの民主化とは、AIの利用や開発などのプロセスにおいて、専門家でなくても誰もが参画できるようにするという考え方のことである。

適切です。

AIの民主化とは、AIを専門家だけの技術にせず、幅広い人々が利用や開発に参加できるようにすることです。

以前は、AIを開発するために高度なプログラミングや数学の知識が必要で、専門家が中心となって開発を進めていました。

しかし、現在では、専門知識が少なくてもAIを利用できるサービスや、簡単な操作でAIを使ったアプリケーションを開発できるツールが登場しています。

例えば、次のような取り組みが挙げられます。

・生成AIを使って文章を作成したり、情報を整理したりする。

・プログラミングの専門知識が少ない人でも、AIを使ったアプリケーションを開発する。

・中小企業でも、AIを活用して業務の効率化を進める。

このように、AIを利用・開発できる人の範囲を広げることが、AIの民主化の目的です。

選択肢2. APIとは、企業内で生成AI利用時に、内部の資料などを参照して回答精度を向上させる手法のことである。

不適切です。

これは、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の説明です。

RAGとは、生成AIが回答を作成する際に、社内文書やデータベースなどから関連する情報を検索し、その内容を参考にして回答を生成する仕組みです。

例えば、企業の社内規程について質問されたときに、生成AIが社内の資料を検索し、その情報を参考にして回答する場合です。

これにより、生成AIがもともと持っていない情報も回答に活用でき、回答の正確性を高めることが期待できます。

一方、API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアやサービスの間で、機能やデータを利用できるようにするための仕組みです。

例えば、ECサイトが決済サービスのAPIを利用して、クレジットカード決済機能を組み込む場合などがあります。

つまり、RAGは外部の情報を検索して生成AIの回答に活用する仕組み、APIはソフトウェア同士を連携させる仕組みです。

選択肢3. シャドーITとは、情報システム部に申請しなくても利用できる、安全性の確認が終わっているアプリケーションのことである。

不適切です。

シャドーITとは、企業の情報システム部門などが把握・管理していないIT機器やアプリケーション、クラウドサービスなどを、従業員が業務で利用することです。

例えば、会社の許可を得ずに、個人で契約したクラウドストレージへ業務資料を保存する場合などが該当します。

シャドーITには、次のような問題があります。

・企業が安全性を確認できていない。

・情報漏えいが発生する危険性がある。

・不正アクセスなどの問題が発生しても、情報システム部門が対応しにくい。

そのため、シャドーITは安全性の確認が終わっているアプリケーションを指すものではありません。

企業が把握していないITサービスなどが利用されることで、セキュリティ上のリスクが生じることが問題です。

選択肢4. モダナイゼーションとは、これまで人間がパソコン上で行ってきた作業をソフトウェアロボットにより自動化する手法のことである。

不適切です。

これは、RPA(Robotic Process Automation)の説明です。

RPAとは、人間がパソコンで繰り返し行っている定型的な作業を、ソフトウェアロボットによって自動化する技術です。

例えば、次のような作業に利用されます。

・Excelのデータを業務システムに転記する。

・決まった時間に売上データを集計する。

・複数のシステムから情報を取得して報告書を作成する。

一方、モダナイゼーションとは、古くなった情報システムを、現在の技術や業務環境に合わせて新しくすることです。

例えば、長年使用してきた古い業務システムを改修したり、クラウドに対応できるように作り直したりする場合です。

モダナイゼーションには、保守のしやすさや処理性能、セキュリティなどを改善する目的があります。

したがって、RPAは業務の自動化、モダナイゼーションは既存システムの近代化という違いがあります。

選択肢5. ローコード開発とは、必要最小限のソースコードでアプリケーションを開発する手法で、AI開発でよく利用されるPythonはその一例である。

不適切です。

ローコード開発とは、プログラムのコードをできるだけ書かずに、画面上の操作や用意された部品などを利用してアプリケーションを開発する手法です。

例えば、画面上でボタンや入力欄を配置し、それらの部品を組み合わせて業務アプリケーションを作成する場合です。

必要に応じて少量のコードを記述することもありますが、従来の開発方法よりも、コードを書く作業を減らせることが特徴です。

代表的なローコード開発ツールには、Microsoft Power Appsなどがあります。

一方、Pythonはプログラミング言語の1つです。

Pythonは比較的読みやすく、少ないコードで処理を記述しやすい言語ですが、それ自体がローコード開発の手法というわけではありません。

Pythonを使用した開発では、基本的にプログラムの処理内容をコードとして記述します。

したがって、Pythonをローコード開発の一例としている部分が誤りです。

まとめ

今回の問題に登場した用語は、次のように整理できます。

<AIの民主化>

専門家だけでなく、幅広い人々がAIを利用・開発できるようにする考え方です。

<API>

異なるソフトウェアやサービスの間で、機能やデータを利用できるようにする仕組みです。

<RAG>

社内資料などの外部情報を検索し、その情報を参考にして生成AIの回答を作成する仕組みです。

<シャドーIT>

企業の管理部門が把握・管理していないIT機器やサービスなどを、従業員が業務で利用することです。

<モダナイゼーション>

古い情報システムを、現在の技術や業務環境に合わせて新しくすることです。

<RPA>

人間がパソコンで行っている定型的な作業を、ソフトウェアロボットによって自動化する技術です。

<ローコード開発>

プログラムのコードを書く作業をできるだけ減らし、画面上の操作や部品の組み合わせなどでアプリケーションを開発する手法です。

<Python>

AI開発やデータ分析などで広く利用されるプログラミング言語です。

この問題では、AIの民主化は、専門知識の有無にかかわらず、より多くの人々がAIの利用や開発に参加できるようにする考え方であることがポイントです。

したがって、「AIの民主化とは、AIの利用や開発などのプロセスにおいて、専門家でなくても誰もが参画できるようにするという考え方のことである。」が最も適切です。

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