中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問172 (経営情報システム 問12)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問172(経営情報システム 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

デジタル空間と現実世界の融合を支える基盤技術に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • DAOとは、ユーザ間でコミュニケーションが可能な、インターネットを通じてアクセスできる、仮想的なデジタル空間のことである。
  • サイバーフィジカルシステムとは、サイバー攻撃を防ぐための物理レイヤ暗号技術を用いたシステムのことである。
  • スマートコントラクトとは、契約または合意の条件が満たされると契約内容を自動的に実行・記録する、ブロックチェーン上に保存されたプログラムのことである。
  • デジタルツインとは、ロボットなどの移動体が移動しながら自分の位置を推定し、同時に周囲の環境地図を作成する技術のことである。
  • ブロックチェーンとは、現実世界のデータの整合性を維持する台帳を、1つのサーバで一元的に管理する技術のことである。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

「スマートコントラクトとは、契約または合意の条件が満たされると契約内容を自動的に実行・記録する、ブロックチェーン上に保存されたプログラムのことである。」が当てはまります。

デジタル技術の発展によって、現実世界の情報をデジタル空間で利用したり、デジタル空間で行った処理を現実世界に反映したりできるようになっています。

このような仕組みを支える技術には、スマートコントラクト、サイバーフィジカルシステム、デジタルツイン、ブロックチェーンなどがあります。

この問題では、それぞれの技術がどのような役割を持っているのかを理解することが重要です。

選択肢1. DAOとは、ユーザ間でコミュニケーションが可能な、インターネットを通じてアクセスできる、仮想的なデジタル空間のことである。

不適切です。

これは、メタバースの説明です。

メタバースとは、インターネット上に作られた仮想的なデジタル空間のことです。

例えば、利用者がアバターと呼ばれる自分の分身を操作し、仮想空間で他の利用者と会話したり、買い物をしたりすることができます。

一方、DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、分散型自律組織のことです。

DAOは、特定の管理者だけが意思決定するのではなく、参加者が共同で組織の運営方針などを決定する仕組みです。

ブロックチェーンやスマートコントラクトを利用して、投票や資金管理などを行うことがあります。

したがって、DAOは仮想空間そのものを意味する言葉ではありません。

選択肢2. サイバーフィジカルシステムとは、サイバー攻撃を防ぐための物理レイヤ暗号技術を用いたシステムのことである。

不適切です。

サイバーフィジカルシステム(CPS:Cyber-Physical System)とは、現実世界とデジタル空間を連携させ、データの収集・分析結果を現実世界に活用する仕組みです。

例えば、工場に設置したセンサーから機械の温度や動作状況を収集し、コンピュータで分析する場合です。

分析した結果を使って、機械の故障を予測したり、生産設備の動作を調整したりできます。

このように、現実世界の情報をデジタル空間で処理し、その結果を現実世界に役立てることが特徴です。

サイバー攻撃を防ぐための暗号技術そのものを指す言葉ではありません。

選択肢3. スマートコントラクトとは、契約または合意の条件が満たされると契約内容を自動的に実行・記録する、ブロックチェーン上に保存されたプログラムのことである。

適切です。

スマートコントラクトとは、あらかじめ設定した条件が満たされると、決められた処理を自動的に実行するプログラムです。

ブロックチェーン上で動作するスマートコントラクトでは、取引に関する条件や処理をプログラムとして記録しておきます。

例えば、デジタル商品の取引で、購入代金の支払いが確認されたら、購入者に商品の利用権を自動的に付与する仕組みが考えられます。

通常の契約では、人が支払いを確認してから手続きを進める場合がありますが、スマートコントラクトでは、設定された条件に従って処理を自動化できます。

また、ブロックチェーン上に取引の記録を残せるため、取引の履歴を確認しやすく、記録の改ざんも困難です。

このように、スマートコントラクトは、契約や合意に基づく処理を自動化するための技術です。

選択肢4. デジタルツインとは、ロボットなどの移動体が移動しながら自分の位置を推定し、同時に周囲の環境地図を作成する技術のことである。

不適切です。

これは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)の説明です。

SLAMとは、ロボットなどが移動しながら、自分の位置を推定すると同時に、周囲の地図を作成する技術です。

例えば、ロボット掃除機が部屋の中を移動しながら、自分の位置を把握し、家具や壁の位置を地図に記録する場合などに利用されます。

一方、デジタルツインとは、現実世界に存在する建物や工場、都市などを、デジタル空間に再現する技術です。

例えば、現実の工場と同じ設備配置や動作状況をデジタル空間に再現し、設備の故障予測や生産計画の検証を行うことができます。

つまり、SLAMは位置の推定と地図の作成、デジタルツインは現実世界の再現と分析・シミュレーションに重点を置いた技術です。

選択肢5. ブロックチェーンとは、現実世界のデータの整合性を維持する台帳を、1つのサーバで一元的に管理する技術のことである。

不適切です。

ブロックチェーンとは、取引などの記録を複数のコンピュータで共有・管理し、記録の改ざんを困難にする技術です。

取引データなどをまとめた「ブロック」を、暗号技術を使って鎖のようにつなげて管理することから、ブロックチェーンと呼ばれています。

例えば、ある人から別の人へデジタル資産が移転した記録を、ネットワークに参加する複数のコンピュータで共有する仕組みがあります。

このように、ブロックチェーンは、1つのサーバだけで記録を管理するのではなく、複数の参加者で記録を共有・管理することが基本的な特徴です。

このような仕組みを分散型台帳と呼びます。

したがって、「1つのサーバで一元的に管理する」という部分が誤りです。

まとめ

今回の問題に登場した技術は、次のように整理できます。

<DAO:分散型自律組織>

特定の管理者に権限を集中させず、参加者が共同で意思決定を行う組織の仕組みです。

<メタバース>

インターネット上に構築された仮想的なデジタル空間です。

<サイバーフィジカルシステム(CPS)>

現実世界とデジタル空間を連携させ、収集・分析したデータを現実世界に活用する仕組みです。

<スマートコントラクト>

あらかじめ設定した条件が満たされると、契約や合意に基づく処理を自動的に実行するプログラムです。

<デジタルツイン>

現実世界の建物や設備などをデジタル空間に再現し、分析やシミュレーションに利用する技術です。

<SLAM>

ロボットなどが、自分の位置を推定しながら、周囲の地図を同時に作成する技術です。

<ブロックチェーン>

取引などの記録を複数のコンピュータで共有・管理し、改ざんを困難にする技術です。

特に、スマートコントラクトは処理の自動実行、ブロックチェーンは記録の共有・管理という役割の違いを覚えておくことが重要です。

したがって、「スマートコントラクトとは、契約または合意の条件が満たされると契約内容を自動的に実行・記録する、ブロックチェーン上に保存されたプログラムのことである。」が最も適切です。

参考になった数2