中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問159 (経営法務 問23)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問159(経営法務 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

消費者契約法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 消費者契約法の規定は、労働契約については適用されない。
  • 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたものとみなす条項は、当然に無効となる。
  • 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げたことにより、当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたときは、告げた内容が事実と異なることを当該事業者が認識していた場合に限り、当該意思表示を取り消すことができる。
  • 「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の利益のために消費者契約法の規定による差止請求権を行使する消費者団体として消費者庁に届出を行った法人をいう。

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この過去問の解説 (1件)

01

「消費者契約法の規定は、労働契約については適用されない。」が当てはまります。

消費者契約法は、消費者が事業者と契約するときに、不当な勧誘や不利な契約条件などから消費者を守るための法律です。

例えば、事業者が重要な事実について嘘の説明をして契約させた場合、消費者がその契約を取り消せることなどが定められています。

ただし、労働契約には消費者契約法は適用されません。

この問題では、消費者契約法の適用範囲、不当な契約条項、契約の取消し、適格消費者団体の制度を理解することがポイントです。

選択肢1. 消費者契約法の規定は、労働契約については適用されない。

適切です。

消費者契約法第48条では、この法律の規定は、労働契約については適用しないと定められています。

労働契約とは、労働者が会社などに労働を提供し、その対価として賃金を受け取る契約です。

例えば、会社が従業員を雇用する際に結ぶ契約が該当します。

労働契約については、労働基準法や労働契約法など、労働者を保護するための別の法律が設けられています。

そのため、消費者契約法の適用対象から除外されています。

選択肢2. 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたものとみなす条項は、当然に無効となる。

不適切です。

「不作為」とは、何もしないことです。

例えば、商品を購入した消費者に対して、「不要という連絡をしなければ、別の商品を毎月購入する契約を結んだものとみなす」という条項を設ける場合などです。

消費者契約法第10条では、このような条項についても、消費者の利益を一方的に害する場合には無効となることが定められています。

ただし、何もしなければ契約を承諾したものとみなす条項が、すべて自動的に無効になるわけではありません。

例えば、一定期間内に解約の申出がなければ同じ条件で契約を更新する条項などは、契約内容や消費者への影響によって判断が異なります。

したがって、「当然に無効となる」という部分が誤りです。

選択肢3. 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げたことにより、当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたときは、告げた内容が事実と異なることを当該事業者が認識していた場合に限り、当該意思表示を取り消すことができる。

不適切です。

消費者契約法第4条第1項では、事業者が重要事項について事実と異なる説明を行い、消費者がそれを信じて契約した場合、消費者は契約の申込みや承諾の意思表示を取り消すことができると定められています。

これを不実告知による取消しといいます。

例えば、実際には事故歴がある中古車について、販売店が「事故歴はありません」と説明し、消費者がその説明を信じて購入した場合などです。

この場合、販売店が説明内容を嘘だと認識していたかどうかは、取消しの要件ではありません。

したがって、事業者が事実と異なることを認識していた場合に限って取り消せるという説明は誤りです。

なお、事業者が消費者に有利な点だけを説明し、不利な事実を告げなかった場合については、別の要件が定められています。

選択肢4. 「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の利益のために消費者契約法の規定による差止請求権を行使する消費者団体として消費者庁に届出を行った法人をいう。

不適切です。

適格消費者団体とは、多くの消費者の利益を守るために、事業者の不当な勧誘や契約条項などについて、差止めを請求できる消費者団体です。

差止請求とは、問題のある行為をやめるように求めることです。

消費者契約法第2条第4項および第13条では、適格消費者団体になるためには、内閣総理大臣の認定を受ける必要があると定められています。

単に消費者庁へ届出をするだけでは、適格消費者団体になることはできません。

認定を受けるためには、組織の運営体制や専門性など、法律で定められた要件を満たす必要があります。

したがって、「消費者庁に届出を行った法人」という部分が誤りです。

まとめ

消費者契約法については、次の点を押さえることが重要です。

<労働契約への適用>

労働契約には、消費者契約法は適用されません。

<不作為を承諾とみなす条項>

消費者が何もしなかったことを契約の申込みや承諾とみなす条項は、消費者の利益を一方的に害するなどの要件を満たす場合に無効となります。

すべてが当然に無効になるわけではありません。

<不実告知による取消し>

事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれを信じて契約した場合、契約を取り消せることがあります。

この場合、事業者が嘘だと認識していたことは必要ありません。

<適格消費者団体>

多くの消費者の利益を守るために差止請求を行う団体であり、内閣総理大臣の認定が必要です。

したがって、「消費者契約法の規定は、労働契約については適用されない。」が最も適切です。

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