中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問158 (経営法務 問22)
問題文
相続の承認または放棄に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問158(経営法務 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
相続の承認または放棄に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 相続人が数人ある場合、各相続人は、単独で限定承認をすることができる。
- 相続の承認および放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月の熟慮期間内であっても、撤回することができない。
- 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人に対して当該財産を引き渡すまでの間、善良な管理者の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
- 単純承認は、家庭裁判所に対する申述の方式で行わなければならない。
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この過去問の解説 (1件)
01
「相続の承認および放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月の熟慮期間内であっても、撤回することができない。」が当てはまります。
相続が発生すると、相続人は財産や借金などを引き継ぐかどうかを判断することになります。
民法では、相続人が選べる方法として、単純承認、限定承認、相続放棄の3つがあります。
原則として、相続が始まったことを知った時から3カ月以内に判断しますが、いったん相続の承認や放棄をすると、この期間内であっても自由に撤回することはできません。
不適切です。
限定承認とは、相続によって得た財産の範囲内で、亡くなった人の借金などを返済する方法です。
例えば、相続財産が500万円、借金が800万円ある場合、限定承認をすれば、原則として相続した財産の範囲内で借金を返済することになります。
民法第923条では、相続人が複数いる場合、限定承認は共同相続人全員が共同して行わなければならないと定められています。
例えば、相続人が配偶者と子ども2人の合計3人いる場合、1人だけで限定承認をすることはできません。
なお、相続放棄は、各相続人が単独で行うことができます。
適切です。
民法第915条では、相続人は原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に、単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかを選ぶこととされています。
この3カ月間を熟慮期間といいます。
しかし、民法第919条第1項では、相続の承認や放棄は、熟慮期間内であっても撤回することができないと定めています。
例えば、相続開始を知ってから1カ月後に相続放棄をした場合、その翌日に気が変わったとしても、自由に撤回することはできません。
ただし、詐欺や強迫など、法律上の取消しが認められる事情がある場合には、一定の条件で取り消せることがあります。
つまり、単なる気持ちの変化による撤回と、法律上の理由に基づく取消しは別のものです。
不適切です。
民法第940条では、相続放棄をした人が、放棄した時点で相続財産を実際に占有している場合、その財産を引き渡すまで保存する義務があると定めています。
ただし、保存する際に求められる注意の程度が違います。
現在の民法では、「善良な管理者の注意」ではなく、「自己の財産におけるのと同一の注意」をもって保存することとされています。
これは、自分の財産を管理するときと同じ程度の注意を払うという意味です。
例えば、相続放棄をした人が亡くなった親の自動車を実際に保管している場合、相続人や相続財産の清算人に引き渡すまで、必要な保存を行う義務があります。
なお、この規定は2023年4月1日施行の改正民法によって見直されたものです。
不適切です。
単純承認とは、亡くなった人の財産や借金などを、原則としてすべて引き継ぐ方法です。
単純承認をするために、家庭裁判所へ申述する必要はありません。
例えば、相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合や、原則として3カ月の熟慮期間内に限定承認や相続放棄をしなかった場合には、単純承認をしたものとみなされます。
これを法定単純承認といいます。
一方、限定承認や相続放棄については、家庭裁判所への申述が必要です。
したがって、単純承認も家庭裁判所への申述が必要であるという説明は誤りです。
相続の承認や放棄については、次の違いを押さえることが重要です。
<単純承認>
亡くなった人の財産や借金などを、原則としてすべて引き継ぐ方法です。
家庭裁判所への申述は必要ありません。
<限定承認>
相続した財産の範囲内で、亡くなった人の借金などを返済する方法です。
相続人が複数いる場合は、共同相続人全員で行う必要があります。
<相続放棄>
亡くなった人の財産や借金などを引き継がない方法です。
各相続人が単独で家庭裁判所に申述できます。
<熟慮期間と撤回>
原則として、相続の開始を知った時から3カ月以内に承認や放棄を判断します。
ただし、いったん承認や放棄をすると、3カ月以内であっても撤回することはできません。
<相続放棄後の財産保存>
放棄した時点で現に占有している相続財産については、引き渡すまで自己の財産におけるのと同一の注意をもって保存する必要があります。
したがって、「相続の承認および放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月の熟慮期間内であっても、撤回することができない。」が最も適切です。
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