中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問155 (経営法務 問19)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問155(経営法務 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

民法上の売買に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、商法の適用はなく、特約はないものとする。
  • 売主が、品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡したが、引渡し時にその不適合を過失なく知らなかった場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として損害賠償を請求することができない。
  • 他人の物を売買する契約(いわゆる他人物売買)は、原始的不能であるため、有効に成立しない。
  • 売買契約は、諾成・片務・有償契約である。
  • 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合において、買主が売主に対して代替物の引渡しを請求したときは、たとえ修補による履行の追完が買主に不相当な負担を課するものでなかったとしても、売主は修補による履行の追完をすることができない。

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この過去問の解説 (1件)

01

「売主が、品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡したが、引渡し時にその不適合を過失なく知らなかった場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として損害賠償を請求することができない。」が当てはまります。

売買した商品が、種類や品質について契約の内容に合っていないことを契約不適合といいます。

品質について契約不適合がある場合、買主は原則として、そのことを知った時から1年以内に売主へ通知しなければ、追完請求や代金減額請求、損害賠償請求、契約解除をすることができなくなります。

この問題では、契約不適合の通知期間、他人物売買、売買契約の性質、追完方法について整理することがポイントです。

選択肢1. 売主が、品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡したが、引渡し時にその不適合を過失なく知らなかった場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として損害賠償を請求することができない。

適切です。

民法では、引き渡された目的物が種類や品質について契約の内容に適合しない場合、買主は原則として、その不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。

例えば、「新品」として購入した機械に、本来あるべき性能が備わっていなかった場合などです。

買主が不適合を知ったにもかかわらず、1年以内に売主へ通知しなければ、その不適合を理由とする履行の追完、代金減額、損害賠償、契約解除は原則としてできなくなります。

ただし、売主が引渡し時にその不適合を知っていた場合や、重大な過失によって知らなかった場合には、この1年の通知制限は適用されません。

問題文では、売主は不適合を過失なく知らなかったとされているため、この例外には当たりません。

したがって、買主が知った時から1年以内に通知しなければ、損害賠償を請求することはできません。

選択肢2. 他人の物を売買する契約(いわゆる他人物売買)は、原始的不能であるため、有効に成立しない。

不適切です。

自分が所有していない物を売る契約であっても、売買契約そのものは有効に成立します。

これを他人物売買といいます。

例えば、AがBの所有する絵画をCに売る契約をした場合でも、その契約が当然に無効になるわけではありません。

売主Aは、Bからその絵画の所有権を取得するなどして、買主Cに所有権を移転する義務を負います。

したがって、「他人物売買は有効に成立しない」という説明は誤りです。

選択肢3. 売買契約は、諾成・片務・有償契約である。

不適切です。

売買契約は、原則として当事者の意思が合致すれば成立するため、諾成契約です。

また、買主が代金を支払い、売主が目的物の財産権を移転するというように、双方が互いに義務を負います。

そのため、片方だけが義務を負う片務契約ではなく、双務契約です。

さらに、目的物と代金を互いに与え合うので、有償契約に当たります。

したがって、売買契約は、

諾成・双務・有償契約

です。

「片務」としている部分が誤りです。

選択肢4. 引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものである場合において、買主が売主に対して代替物の引渡しを請求したときは、たとえ修補による履行の追完が買主に不相当な負担を課するものでなかったとしても、売主は修補による履行の追完をすることができない。

不適切です。

目的物に契約不適合がある場合、買主は売主に対して、状況に応じて、

修補

代替物の引渡し

不足分の引渡し

などの履行の追完を請求できます。

ただし、買主が選んだ方法と異なる方法であっても、買主に不相当な負担を課すものでなければ、売主は別の方法で追完することができます。

例えば、買主が新品との交換を求めても、簡単な修理で完全に契約どおりの状態に戻り、買主にも大きな負担が生じない場合には、売主が修理によって対応できることがあります。

したがって、「買主が代替物を求めたら、売主は修補をすることができない」とする説明は誤りです。

まとめ

民法上の売買については、次の点を押さえることが重要です。

<契約不適合の通知>

種類や品質の契約不適合を買主が知った場合、原則として知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。

通知しなければ、原則として追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除ができなくなります。

<他人物売買>

他人の物を目的とする売買契約も有効に成立します。

売主は、その物の所有権を取得して買主へ移転する義務を負います。

<売買契約の性質>

売買契約は、諾成・双務・有償契約です。

<履行の追完>

買主は修補や代替物の引渡しなどを請求できますが、買主に不相当な負担を課さない場合には、売主が買主の請求とは異なる方法で追完することもできます。

したがって、品質の契約不適合を知った買主が1年以内に売主へ通知しなければ、原則として損害賠償を請求できないとする記述が最も適切です。

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