中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問154 (経営法務 問18)
問題文
民法が定める契約の解除に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、特約はないものとする。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問154(経営法務 問18) (訂正依頼・報告はこちら)
民法が定める契約の解除に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、特約はないものとする。
- 解除権が行使された場合における原状回復として金銭を返還するときは、利息を付す必要はない。
- 債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるか否かは、債務不履行を理由とする解除の成否には影響を与えない。
- 債務不履行を理由として契約を解除する場合、債権者は、債務者の責めに帰すべき事由を立証する必要はない。
- 当事者が解除権を行使した場合、その者が有していた損害賠償請求権は遡及的に消滅する。
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この過去問の解説 (1件)
01
「債務不履行を理由として契約を解除する場合、債権者は、債務者の責めに帰すべき事由を立証する必要はない。」が当てはまります。
現在の民法では、債務不履行による契約解除について、債務者に故意や過失などの責任があることは、原則として解除の要件ではありません。
一方、債務不履行が債権者自身の責任によって生じた場合には、債権者から解除することはできません。
また、契約を解除すると、原状回復義務が生じますが、損害賠償請求権までなくなるわけではありません。
不適切です。
契約を解除すると、当事者は原則として、契約前の状態に戻すための原状回復義務を負います。
例えば、売買契約を解除して、売主がすでに受け取った代金を買主に返す場合です。
民法第545条では、原状回復として金銭を返還するときは、その金銭を受け取った時から利息を付けて返還しなければならないと定められています。
したがって、「利息を付す必要はない」という部分が誤りです。
不適切です。
債務不履行が債権者の責めに帰すべき事由によって生じた場合には、債権者はその債務不履行を理由として契約を解除することができません。
例えば、売主が商品を引き渡そうとしているのに、買主が自分の都合で受け取りに必要な手続を行わず、そのために引渡しができなかった場合などです。
このように、債権者自身に原因がある場合に、その債権者が相手方の債務不履行を理由に解除することは認められません。
したがって、債権者側の責任の有無は、解除できるかどうかに影響します。
適切です。
現在の民法では、債務不履行による契約解除について、債務者に故意や過失などの責めに帰すべき事由があることは、解除のための要件とされていません。
そのため、債権者が契約を解除するために、「債務者に過失があった」などと立証する必要はありません。
例えば、契約どおりの履行がされず、民法に定める解除の要件を満たしていれば、債務者に故意や過失がなかった場合でも解除できることがあります。
ただし、債務不履行が債権者自身の責任によって生じた場合には、債権者から解除することはできません。
なお、契約の解除と損害賠償では、債務者の責任の考え方が異なります。
解除では債務者の責めに帰すべき事由は原則として必要ありませんが、損害賠償については、民法第415条により、債務者に責任を負わせることができるかが問題となります。
不適切です。
契約を解除すると、契約による給付について原状回復が行われます。
しかし、解除したからといって、それまでに生じた損害についての賠償請求権までなくなるわけではありません。
民法第545条では、「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない」とされています。
例えば、納期を大幅に過ぎたために契約を解除し、その遅れによって債権者に損害が発生していた場合には、条件を満たせば、契約を解除したうえで損害賠償を請求することができます。
したがって、解除によって損害賠償請求権が遡って消滅するという説明は誤りです。
契約の解除については、次の点を押さえることが重要です。
<債務者の責めに帰すべき事由>
債務不履行による解除では、債務者の故意や過失などを債権者が立証する必要はありません。
<債権者の責めに帰すべき事由>
債務不履行が債権者自身の責任による場合には、債権者はその債務不履行を理由に解除できません。
<金銭の原状回復>
解除によって金銭を返す場合には、受領した時からの利息を付けて返還します。
<損害賠償>
契約を解除しても、損害賠償を請求することはできます。
したがって、「債務不履行を理由として契約を解除する場合、債権者は、債務者の責めに帰すべき事由を立証する必要はない。」が最も適切です。
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