中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問153 (経営法務 問17)
問題文
即時取得に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問153(経営法務 問17) (訂正依頼・報告はこちら)
即時取得に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- AがBから盗んだ絵画を善意・無過失のCに売却して引き渡した場合、Cが即時取得により絵画の所有権を取得する余地はない。
- Aが置き忘れたカメラをBが自己の所有物であると過失なく信じて持ち帰った場合、Bが即時取得によりカメラの所有権を取得する余地はない。
- 判例によれば、即時取得を主張する者は、自己に過失がないことを立証しなければならない。
- 不動産は、即時取得の対象となる。
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この過去問の解説 (1件)
01
「Aが置き忘れたカメラをBが自己の所有物であると過失なく信じて持ち帰った場合、Bが即時取得によりカメラの所有権を取得する余地はない。」が当てはまります。
即時取得とは、他人の動産を占有している人を本当の権利者だと信じて取引をした人を保護する制度です。
即時取得が成立するには、取引行為によって動産の占有を取得することや、取得者が善意・無過失であることなどが必要です。
そのため、落とし物や置き忘れた物を単に拾って持ち帰っただけでは、売買などの取引行為がないため、即時取得は成立しません。
不適切です。
盗品であっても、CがAを正当な権利者だと善意・無過失で信じ、売買によって絵画の引渡しを受けた場合には、即時取得が成立する余地があります。
ただし、盗品や遺失物については、元の所有者を保護するための特別なルールがあります。
民法では、盗品や遺失物について、被害者または遺失者は、盗難または遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求できると定めています。
つまり、「盗品だから即時取得が絶対に成立しない」というわけではありません。
適切です。
即時取得が成立するためには、売買などの取引行為によって動産の占有を取得することが必要です。
この場合、BはAと売買などの取引をしたわけではなく、置き忘れられたカメラを自分の物だと思って持ち帰っただけです。
そのため、Bが本当に自分のカメラだと信じており、そのことに過失がなかったとしても、即時取得に必要な「取引行為」がありません。
したがって、Bが即時取得によってカメラの所有権を取得する余地はありません。
不適切です。
即時取得には、取得者が善意・無過失であることが必要です。
しかし、判例では、動産を占有している人がその物について正当な権利を持っていると法律上推定されることから、即時取得を主張する人の無過失も推定されるとされています。
そのため、即時取得を主張する者自身が「自分には過失がなかった」と立証する必要はありません。
反対に、即時取得の成立を争う側が、取得者に過失があったことを立証することになります。
不適切です。
民法第192条の即時取得は、動産を対象とする制度です。
動産とは、絵画、時計、家具など、不動産以外の物をいいます。
土地や建物などの不動産については、登記によって権利関係を公示する制度があるため、即時取得の対象にはなりません。
したがって、不動産も即時取得できるという説明は誤りです。
即時取得については、次の点が重要です。
<対象>
即時取得の対象となるのは、原則として動産です。
土地や建物などの不動産は対象ではありません。
<取引行為>
売買などの取引行為によって占有を取得することが必要です。
拾った物や置き忘れられた物を単に持ち帰っただけでは、即時取得は成立しません。
<盗品・遺失物>
盗品や遺失物でも即時取得が成立する余地はありますが、元の所有者には、原則として盗難または遺失から2年間の回復請求権があります。
<無過失の立証>
即時取得を主張する者の無過失は判例上推定されるため、その者自身が無過失を立証する必要はありません。
したがって、「Aが置き忘れたカメラをBが自己の所有物であると過失なく信じて持ち帰った場合、Bが即時取得によりカメラの所有権を取得する余地はない。」が最も適切です。
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