中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問150 (経営法務 問14)
問題文
中小企業診断士であるあなたは、4人の中小企業経営者A~D氏から意匠登録について相談を受けている。以下のア~エは、それぞれの相談内容と、それに対するあなたの回答を記したものである。あなたの回答が最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問150(経営法務 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
中小企業診断士であるあなたは、4人の中小企業経営者A~D氏から意匠登録について相談を受けている。以下のア~エは、それぞれの相談内容と、それに対するあなたの回答を記したものである。あなたの回答が最も適切なものはどれか。
- A氏:「弊社が開発した電子複写機の操作画面の画像は、意匠登録の対象となるでしょうか。」
あなた:「いいえ、意匠登録の対象は「物品の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合」に限られるため、電子複写機の操作画像は、意匠登録を受けられる場合はありません。」 - B氏:「弊社の水中花は、色彩や模様のデザイン性が高く、類似品が出回ることを防止するために、意匠登録をしたいと考えております。この水中花は睡蓮の造花です。これが意匠登録の対象となることはありますか。」
あなた:「いいえ、睡蓮の造花は自然物の形状、模様、色彩を模したものですから、意匠登録の対象となることはありません。」 - C氏:「弊社はお中元商戦に向けて、新たな形態のアイスクリームの販売をするつもりです。これが斬新な形状でして、意匠登録出願したのですが、立体商標として保護したくなりました。今から商標登録出願に変更できますか。」
あなた:「いいえ、意匠登録出願を商標登録出願に変更することはできません。」 - D氏:「弊社は意匠登録出願をしたばかりなのですが、新規性があるか否かなどの実体審査を受けるために、特許庁に出願審査の請求をする必要があるのですか。」
あなた:「はい。意匠法には出願審査の請求の制度があり、この請求がなければ新規性などの実体審査は開始しません。」
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この過去問の解説 (1件)
01
「C氏:「弊社はお中元商戦に向けて、新たな形態のアイスクリームの販売をするつもりです。これが斬新な形状でして、意匠登録出願したのですが、立体商標として保護したくなりました。今から商標登録出願に変更できますか。」
あなた:「いいえ、意匠登録出願を商標登録出願に変更することはできません。」」が当てはまります。
意匠法では、物品の形状などだけでなく、現在は一定の画像、建築物、内装のデザインも保護対象となっています。
また、自然物そのものは意匠として保護されない場合がありますが、人工的に作られた造花などは保護対象になり得ます。
一方、意匠登録出願を商標登録出願に変更する制度はありません。
さらに、意匠登録出願は、特許出願とは異なり、出願審査請求をしなくても実体審査が行われます。
あなた:「いいえ、意匠登録の対象は「物品の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合」に限られるため、電子複写機の操作画像は、意匠登録を受けられる場合はありません。」
不適切です。
以前の意匠法では、画像は物品との関係で保護される範囲が限られていました。
しかし、2020年4月1日に施行された改正意匠法によって、画像そのものも一定の条件を満たせば意匠登録の対象となりました。
例えば、機器を操作するための画像や、機器がその機能を発揮した結果として表示される画像などは、保護対象となる場合があります。
したがって、電子複写機の操作画面の画像について「意匠登録を受けられる場合はありません」とする回答は誤りです。
あなた:「いいえ、睡蓮の造花は自然物の形状、模様、色彩を模したものですから、意匠登録の対象となることはありません。」
不適切です。
自然に存在する花や植物そのものは、人が創作したデザインではありません。
しかし、造花は人が人工的に製造する物品です。
そのため、睡蓮などの自然物を模した形であっても、造花として工業的に製造できるものであれば、意匠登録の対象となる場合があります。
自然物を模しているという理由だけで、意匠登録の対象から外れるわけではありません。
あなた:「いいえ、意匠登録出願を商標登録出願に変更することはできません。」
適切です。
意匠登録出願と商標登録出願では、保護する対象や制度の目的が異なります。
意匠は、商品の形状などのデザインを保護する制度です。
これに対して商標は、商品やサービスについて、誰が提供しているものなのかを区別するための名称、マーク、立体的形状などを保護する制度です。
意匠法には、特許出願や実用新案登録出願を一定の条件で意匠登録出願に変更する制度があります。
しかし、意匠登録出願を商標登録出願に変更する制度はありません。
そのため、アイスクリームの形状について立体商標としての保護を求める場合には、意匠登録出願を変更するのではなく、商標法上の要件を満たす形で別に商標登録出願を行う必要があります。
あなた:「はい。意匠法には出願審査の請求の制度があり、この請求がなければ新規性などの実体審査は開始しません。」
不適切です。
意匠法には、特許法のような出願審査請求の制度はありません。
意匠登録出願をすると、方式審査に加えて、新規性や創作非容易性などについて特許庁の審査官による実体審査が行われます。
したがって、出願人が別途「審査してください」と請求する必要はありません。
これは特許制度との大きな違いです。
特許の場合は、原則として出願から3年以内に出願審査請求をしなければ実体審査が始まりませんが、意匠ではそのような手続は不要です。
意匠制度では、次の点を押さえておくことが重要です。
<画像の意匠>
2020年4月1日以降、一定の画像は、物品から独立して意匠登録の対象となっています。
<造花>
自然の植物そのものとは異なり、人工的に製造される造花は、物品の意匠として保護対象となる場合があります。
<意匠出願から商標出願への変更>
意匠登録出願を商標登録出願に変更することはできません。
立体商標として保護を求める場合には、別途、商標登録出願を検討します。
<意匠の審査>
意匠法には出願審査請求制度がありません。
出願すれば、新規性などについて実体審査が行われます。
したがって、意匠登録出願を商標登録出願に変更することはできないと回答したC氏への説明が最も適切です。
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