中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問148 (経営法務 問12)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問148(経営法務 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は不正競争行為に当たる。
  • 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用する行為は、他人の商品又は営業と混同を生じさせなくても、不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する、いわゆる周知表示混同惹起行為に当たる。
  • 不正競争防止法第2条第1項第3号に規定する、いわゆる「デッドコピー規制」には、「電気通信回線を通じて提供する行為」は規定されていないため、デジタル空間上で販売されているアバターの衣装(日本国内において最初に販売された日から起算して3年を経過していない商品である場合)の形態を模倣した衣装を、他人が無断でリアル空間上で販売する行為は、「デッドコピー」による不正競争行為に当たらない。
  • 不正競争防止法第3条の差止請求権の主体として、「不正競争によって営業上の利益を侵害された者」は規定されているが、「不正競争によって営業上の利益を侵害されるおそれがある者」は規定されていない。

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この過去問の解説 (1件)

01

「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は不正競争行為に当たる。」が当てはまります。

不正競争防止法は、企業同士が公正に競争できるように、不正な営業活動などを禁止する法律です。

例えば、競争相手の信用を落とすために嘘の情報を広めたり、他社の商品を模倣して販売したりする行為などが規制されています。

この問題では、信用を害する虚偽情報の流布、商品等表示の混同、商品の形態模倣、差止請求権について理解することが重要です。

選択肢1. 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は不正競争行為に当たる。

適切です。

不正競争防止法第2条第1項第21号では、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知・流布する行為を不正競争と定めています。

「告知」とは、特定の相手に情報を知らせることです。

「流布」とは、多くの人に情報を広めることです。

例えば、競争相手の商品について、事実ではないのに「法律に違反する危険な材料が使われている」と取引先に伝えたり、インターネット上で広めたりする行為が考えられます。

このような行為は、競争相手の信用を不当に傷つけ、取引や売上に悪影響を与える可能性があります。

そのため、競争相手の営業上の信用を害する嘘の情報を伝えたり広めたりする行為は禁止されています。

選択肢2. 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用する行為は、他人の商品又は営業と混同を生じさせなくても、不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する、いわゆる周知表示混同惹起行為に当たる。

不適切です。

周知表示混同惹起行為とは、多くの消費者などに知られている他社の商品名やマークなどと同じ、または似た表示を使い、商品や営業について混同を生じさせる行為です。

例えば、有名な飲食店とよく似た店名やロゴを使用し、消費者に「同じ会社が経営している店だ」と誤解させる場合などです。

不正競争防止法第2条第1項第1号では、他人の商品や営業との混同を生じさせることが要件となっています。

したがって、単に似た表示を使用しただけで、必ずこの規定に該当するわけではありません。

なお、非常に有名な商品名やマークなどについては、同条第1項第2号の著名表示冒用行為として、混同の有無にかかわらず規制される場合があります。

選択肢3. 不正競争防止法第2条第1項第3号に規定する、いわゆる「デッドコピー規制」には、「電気通信回線を通じて提供する行為」は規定されていないため、デジタル空間上で販売されているアバターの衣装(日本国内において最初に販売された日から起算して3年を経過していない商品である場合)の形態を模倣した衣装を、他人が無断でリアル空間上で販売する行為は、「デッドコピー」による不正競争行為に当たらない。

不適切です。

デッドコピー規制とは、他人の商品の形態を模倣した商品を、無断で販売することなどを禁止する規制です。

例えば、他社が開発した商品の外観をほぼそのまま真似して販売する行為などが対象となります。

2023年の不正競争防止法改正により、2024年4月1日から、デジタル空間における商品の形態模倣も規制対象となりました。

これに伴い、第2条第1項第3号には「電気通信回線を通じて提供する行為」が追加されています。

そのため、アバター用の衣装など、デジタル空間で販売される商品の形態を模倣する行為も、規制の対象となり得ます。

また、デジタル空間の商品を模倣して、現実の衣装として販売する行為も、条件を満たせば規制の対象になります。

なお、商品の形態模倣については、原則として日本国内で最初に販売された日から3年を経過した商品は、この規定による保護の対象外となります。

今回の問題では3年を経過していないため、この期間による適用除外には当たりません。

したがって、デジタル空間の商品を模倣した衣装を現実空間で販売しても規制対象にならないという説明は誤りです。

選択肢4. 不正競争防止法第3条の差止請求権の主体として、「不正競争によって営業上の利益を侵害された者」は規定されているが、「不正競争によって営業上の利益を侵害されるおそれがある者」は規定されていない。

不適切です。

差止請求権とは、他人の不正な行為をやめさせるよう求める権利です。

不正競争防止法第3条では、次の人に差止請求権が認められています。

・不正競争によって営業上の利益を侵害された者

・不正競争によって営業上の利益を侵害されるおそれがある者

つまり、すでに被害を受けた場合だけでなく、今後被害を受けるおそれがある場合にも、差止めを請求できます。

例えば、他社が自社商品の模倣品を販売しようとしている場合、実際に販売が始まって被害が発生する前でも、条件を満たせば販売の差止めを求めることができます。

したがって、利益を侵害されるおそれがある者は規定されていないという説明は誤りです。

まとめ

不正競争防止法では、企業同士の公正な競争を守るため、さまざまな不正行為を規制しています。

<信用毀損行為>

競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を伝えたり、広めたりする行為は禁止されています。

<周知表示混同惹起行為>

広く知られた他社の商品名やマークなどと同一・類似の表示を使用し、商品や営業について混同を生じさせることが要件です。

<デッドコピー規制>

他人の商品の形態を模倣した商品を販売することなどを規制しています。

2024年4月1日からは、デジタル空間における商品の形態模倣にも規制が拡大されています。

<差止請求権>

すでに営業上の利益を侵害された人だけでなく、侵害されるおそれがある人も差止めを請求できます。

したがって、「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は不正競争行為に当たる。」が最も適切です。

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