中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問147 (経営法務 問11)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問147(経営法務 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

実用新案法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、選択肢における「侵害者等」とは「実用新案権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者」をいう。
  • 実用新案技術評価の請求は、実用新案登録が実用新案登録無効審判により無効にされた後でも行うことができる旨が、実用新案法に規定されている。
  • 実用新案技術評価の請求は、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができない。
  • 実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。
  • 実用新案登録出願又は実用新案登録について、特許庁長官に、実用新案技術評価を請求できるのは、実用新案登録出願人及び実用新案権者のみであり、第三者はこれを請求できない。

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この過去問の解説 (1件)

01

「実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。」が当てはまります。

実用新案制度とは、物品の形状や構造などに関する考案を保護する制度です。

実用新案は、特許とは異なり、原則として新規性や進歩性などの実質的な審査を行わずに登録される仕組みになっています。

そのため、登録された実用新案が本当に保護を受けるための条件を満たしているかを判断する資料として、実用新案技術評価書が用意されています。

この問題では、実用新案技術評価の請求条件と、実用新案権を行使する際のルールを理解することが重要です。

選択肢1. 実用新案技術評価の請求は、実用新案登録が実用新案登録無効審判により無効にされた後でも行うことができる旨が、実用新案法に規定されている。

不適切です。

実用新案法第12条第2項では、実用新案権が消滅した後でも、実用新案技術評価を請求できると定められています。

例えば、実用新案権の存続期間が終了した場合でも、原則として技術評価を請求できます。

しかし、実用新案登録無効審判によって登録が無効にされた後は、技術評価を請求できません。

無効審判とは、登録された実用新案が法律上の条件を満たしていない場合などに、その登録を無効にするための手続きです。

つまり、単に権利が消滅した場合と、無効審判によって登録が無効になった場合とでは、取扱いが異なります。

選択肢2. 実用新案技術評価の請求は、二以上の請求項に係る実用新案登録出願又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができない。

不適切です。

実用新案法第12条第1項では、請求項ごとに実用新案技術評価を請求できると定められています。

請求項とは、実用新案として保護を求める考案の内容を具体的に示したものです。

例えば、1つの実用新案登録に3つの請求項がある場合、そのすべてについて技術評価を請求することも、特定の請求項についてだけ請求することもできます。

したがって、「請求項ごとに請求することができない」という部分が誤りです。

選択肢3. 実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。

適切です。

実用新案法第29条の2では、実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、侵害者等に対して権利を行使できないと定められています。

実用新案は、原則として実質的な審査を行わずに登録されるため、登録されていても、必ずしも有効な権利であるとは限りません。

そのため、権利者が他人に対して権利を主張する際には、技術評価書を提示して警告する必要があります。

例えば、ある会社が自社の実用新案を他社に無断で使われていると考えた場合、すぐに使用の差止めなどを請求できるわけではありません。

まず、実用新案技術評価書を相手方に提示し、警告することが必要です。

この仕組みは、十分な根拠がないまま権利を主張することによって、相手方に不当な不利益を与えることを防ぐために設けられています。

なお、技術評価書が作成されたからといって、実用新案権の有効性が保証されるわけではありません。

選択肢4. 実用新案登録出願又は実用新案登録について、特許庁長官に、実用新案技術評価を請求できるのは、実用新案登録出願人及び実用新案権者のみであり、第三者はこれを請求できない。

不適切です。

実用新案法第12条第1項では、何人も実用新案技術評価を請求できると定められています。

つまり、実用新案登録出願人や実用新案権者だけでなく、第三者も請求できます。

例えば、他社の実用新案権が自社の製品に影響する可能性がある場合、その実用新案について技術評価を請求し、権利の有効性を判断するための参考資料を得ることができます。

したがって、技術評価を請求できる人を出願人と権利者だけに限定している部分が誤りです。

まとめ

実用新案技術評価については、次の点を押さえることが重要です。

<技術評価の請求者>

実用新案登録出願人や実用新案権者だけでなく、第三者も請求できます。

<請求項ごとの請求>

複数の請求項がある場合は、請求項ごとに技術評価を請求できます。

<権利消滅後の請求>

実用新案権が消滅した後でも、原則として請求できます。

ただし、無効審判によって登録が無効になった後は請求できません。

<権利行使の条件>

実用新案権者や専用実施権者は、侵害者等に権利を行使する前に、実用新案技術評価書を提示して警告する必要があります。

実用新案制度では、原則として実質的な審査を行わずに登録されるため、権利行使に際して特別なルールが設けられています。

したがって、実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、侵害者等に権利を行使できないという記述が最も適切です。

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