中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問145 (経営法務 問10(設問1))

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問145(経営法務 問10(設問1)) (訂正依頼・報告はこちら)

工業所有権の保護に関するパリ条約について、下記の設問に答えよ。

パリ条約に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • パリ条約では、同盟に属しない国の国民は、いずれかの同盟国の領域内に住所を有していても、同盟国の国民とはみなされない。
  • パリ条約は、「商号は、商標の一部であるか否かを問わず、すべての同盟国において保護されるものとし、そのためには、登記の申請又は登記が行われていることを必要とする。」と定めている。
  • パリ条約は、「同盟国は、この条約の規定に抵触しない限り、別に相互間で工業所有権の保護に関する特別の取極を行う権利を留保する。」と定めている。
  • パリ条約は、「同盟国は、サービス・マークを保護することを約束する。同盟国は、サービス・マークの登録について規定を設けることを要する。」と定めている。

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この過去問の解説 (1件)

01

「パリ条約は、「同盟国は、この条約の規定に抵触しない限り、別に相互間で工業所有権の保護に関する特別の取極を行う権利を留保する。」と定めている。」が当てはまります。

パリ条約とは、特許、商標、意匠などの工業所有権を国際的に保護するための条約です。

この条約では、加盟国(同盟国)の間で工業所有権を保護するための基本的なルールを定めています。

また、パリ条約の規定に反しない範囲であれば、加盟国同士が別の取決めを結ぶことも認めています。

選択肢1. パリ条約では、同盟に属しない国の国民は、いずれかの同盟国の領域内に住所を有していても、同盟国の国民とはみなされない。

不適切です。

パリ条約第3条では、同盟国に属さない国の国民であっても、いずれかの同盟国に住所または現実に事業を行っている工業上・商業上の営業所がある場合は、同盟国の国民とみなされることが定められています。

例えば、パリ条約に加盟していない国の国民でも、日本などの加盟国に住所があれば、条約上は加盟国の国民と同じように扱われます。

したがって、同盟国に住所があっても同盟国の国民とはみなされないという説明は誤りです。

選択肢2. パリ条約は、「商号は、商標の一部であるか否かを問わず、すべての同盟国において保護されるものとし、そのためには、登記の申請又は登記が行われていることを必要とする。」と定めている。

不適切です。

パリ条約第8条では、商号は、登記の申請や登記がなくても保護されると定められています。

商号とは、企業が営業活動を行う際に使用する名前のことです。

例えば、ある企業が事業で使用している商号は、商標の一部になっているかどうかにかかわらず、条約による保護の対象になります。

この保護を受けるために、登記の申請や登記を済ませている必要はありません。

したがって、「登記の申請又は登記が行われていることを必要とする」という部分が誤りです。

選択肢3. パリ条約は、「同盟国は、この条約の規定に抵触しない限り、別に相互間で工業所有権の保護に関する特別の取極を行う権利を留保する。」と定めている。

適切です。

パリ条約第19条では、条約の規定に反しない範囲で、同盟国同士が工業所有権の保護について特別な取決めを結ぶことができると定められています。

例えば、加盟国同士が特許や商標の保護について、手続きを簡単にするための新たな取決めを結ぶことなどが考えられます。

ただし、その取決めがパリ条約の規定に反するものであってはいけません。

つまり、パリ条約の基本的なルールを守りながら、加盟国同士でより具体的な協力を進めることが認められています。

選択肢4. パリ条約は、「同盟国は、サービス・マークを保護することを約束する。同盟国は、サービス・マークの登録について規定を設けることを要する。」と定めている。

不適切です。

パリ条約第6条の6では、同盟国に対してサービス・マークを保護することを求めています。

サービス・マークとは、商品ではなく、サービスを提供する事業者が、自社のサービスを他社のサービスと区別するために使用するマークのことです。

例えば、ホテルや飲食店などが、自社のサービスを示すために使用するマークが該当します。

ただし、パリ条約では、サービス・マークの登録制度を設けることまでは義務付けていません。

したがって、「登録について規定を設けることを要する」という部分が誤りです。

まとめ

パリ条約については、次の点を押さえることが重要です。

<同盟国の国民とみなされる者>

加盟国以外の国民であっても、加盟国に住所や現実に事業を行う営業所があれば、同盟国の国民とみなされます。

<商号の保護>

商号は、登記の申請や登記がなくても保護されます。

<特別の取極>

加盟国同士は、パリ条約の規定に反しない範囲で、工業所有権の保護について特別な取決めを結ぶことができます。

<サービス・マークの保護>

加盟国にはサービス・マークを保護する義務がありますが、登録制度を設ける義務まではありません。

したがって、パリ条約に反しない範囲で、同盟国同士が工業所有権の保護に関する特別の取極を行えるという記述が最も適切です。

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