中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問141 (経営法務 問6)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問141(経営法務 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

会社法が定める監査等委員会設置会社に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、定款に特別の定めはないものとする。
  • 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役の過半数が社外取締役で構成されていない場合であっても、取締役会の決議によって、重要な業務執行の決定の全部または一部を取締役に委任することができる。
  • 監査等委員会は、3人以上の取締役で組織される法定の委員会であり、その構成員の中から常勤の監査等委員を選定しなければならない。
  • 監査等委員である取締役とそれ以外の取締役の選任は、株主総会において区別して行わなければならないが、監査等委員会が選定した監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任について意見を述べることができる。
  • 監査等委員である取締役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされるが、定款によってその任期を短縮することは認められていない。

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この過去問の解説 (1件)

01

「監査等委員である取締役とそれ以外の取締役の選任は、株主総会において区別して行わなければならないが、監査等委員会が選定した監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任について意見を述べることができる。」が当てはまります。

監査等委員会設置会社とは、取締役の仕事が適切に行われているかを監査・監督するため、監査等委員会を設置している株式会社です。

監査等委員会は、3人以上の取締役で構成され、その過半数は社外取締役でなければなりません。

この問題では、業務執行の決定を委任できる条件、常勤の監査等委員の必要性、取締役の選任方法と任期を理解することがポイントです。

選択肢1. 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役の過半数が社外取締役で構成されていない場合であっても、取締役会の決議によって、重要な業務執行の決定の全部または一部を取締役に委任することができる。

不適切です。

会社法第399条の13では、監査等委員会設置会社の取締役会は、原則として重要な業務執行の決定を個々の取締役に委任できないとされています。

ただし、次のいずれかに該当する場合には、一定の重要な業務執行の決定を取締役に委任できます。

・取締役の過半数が社外取締役である場合

・定款に、重要な業務執行の決定を取締役に委任できる旨の定めがある場合

なお、これらの条件を満たしていても、法律上、取締役会で決定しなければならない事項は委任できません。

今回の問題では、定款に特別の定めがないことが条件となっています。

そのため、社外取締役が過半数を占めていない場合に、取締役会の決議だけで重要な業務執行の決定を委任することはできません。

選択肢2. 監査等委員会は、3人以上の取締役で組織される法定の委員会であり、その構成員の中から常勤の監査等委員を選定しなければならない。

不適切です。

監査等委員会は、3人以上の監査等委員である取締役によって構成され、その過半数は社外取締役でなければなりません。

しかし、常勤の監査等委員を選定することは法律上の義務ではありません。

常勤とは、その会社で日常的に監査業務などを行うことです。

監査等委員会では、常勤の監査等委員を選ぶことはできますが、必ず選ばなければならないわけではありません。

なお、監査役会設置会社では、監査役会が常勤の監査役を選定する必要があります。

監査役会と監査等委員会では、常勤の役員に関するルールが異なる点に注意が必要です。

選択肢3. 監査等委員である取締役とそれ以外の取締役の選任は、株主総会において区別して行わなければならないが、監査等委員会が選定した監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任について意見を述べることができる。

適切です。

会社法第329条第2項では、監査等委員会設置会社の取締役を選任するときは、次の2つを区別することとされています。

・監査等委員である取締役

・監査等委員でない取締役

監査等委員である取締役は、他の取締役の業務執行を監査・監督する役割を持っています。

そのため、一般の取締役とは区別して株主総会で選任します。

また、会社法第342条の2第4項では、監査等委員会が選定した監査等委員は、監査等委員でない取締役の選任・解任・辞任について、株主総会で監査等委員会の意見を述べることができるとされています。

例えば、ある取締役候補者について、監査等委員会が適任かどうかを検討し、その意見を株主総会で伝えることができます。

この仕組みによって、取締役の選任についても監査等委員会が意見を示し、会社の経営を適切に監督できるようになっています。

選択肢4. 監査等委員である取締役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされるが、定款によってその任期を短縮することは認められていない。

不適切です。

会社法第332条第4項では、監査等委員である取締役の任期は、原則として2年とされています。

また、監査等委員である取締役の独立性を守るため、原則として定款や株主総会の決議によって任期を短縮することはできません。

ただし、任期途中で退任した監査等委員の補欠として選任された場合には、定款で前任者の残りの任期とすることが認められています。

なお、監査等委員でない取締役の任期は原則として1年であり、こちらは定款や株主総会の決議によって短縮できます。

したがって、監査等委員である取締役の任期を4年としている部分が誤りです。

まとめ

監査等委員会設置会社については、次の点を押さえることが重要です。

<監査等委員会の構成>

監査等委員である取締役が3人以上必要で、その過半数は社外取締役でなければなりません。

ただし、常勤の監査等委員を選ぶ義務はありません。

<重要な業務執行の決定>

取締役の過半数が社外取締役である場合や、定款に特別の定めがある場合には、一定の重要な業務執行の決定を取締役に委任できます。

<取締役の選任>

監査等委員である取締役と、それ以外の取締役は、株主総会で区別して選任します。

また、監査等委員会が選定した監査等委員は、監査等委員でない取締役の選任などについて、株主総会で監査等委員会の意見を述べることができます。

<取締役の任期>

監査等委員である取締役の任期は原則2年、監査等委員でない取締役の任期は原則1年です。

したがって、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を区別して選任し、監査等委員会が選定した監査等委員が株主総会で意見を述べることができるという記述が最も適切です。

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