中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問139 (経営法務 問4)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問139(経営法務 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

会社の解散の訴えに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 会社の解散の訴えは、株式会社のみに認められた制度であり、会社法において、持分会社の社員は、持分会社の解散の訴えを提起することができる旨の規定は存在しない。
  • 株式会社の解散の訴えは、会社の対外的問題として請求権者の範囲は広く、株主の他、法務大臣、債権者およびその他の利害関係人によっても提起することができる。
  • 株式会社の解散の訴えを提起するためには、総株主の議決権の10分の1以上の議決権、または発行済株式の10分の1以上の数の株式を有する株主でなければならないと会社法に規定されているが、定款をもってこの要件を緩和することは可能である。
  • 株主が2人であり、かつその議決権比率が50:50の株式会社において、株主間の意見対立があり、株主総会において決議を行うことができない状態(デッドロック状態)が生じた場合、当該株式会社の株主による会社解散の訴えは、当然に認容される。

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この過去問の解説 (1件)

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「株式会社の解散の訴えを提起するためには、総株主の議決権の10分の1以上の議決権、または発行済株式の10分の1以上の数の株式を有する株主でなければならないと会社法に規定されているが、定款をもってこの要件を緩和することは可能である。」が当てはまります。

会社の解散の訴えとは、会社の経営が著しく困難になるなど、会社を存続させることが難しい事情がある場合に、裁判所へ会社の解散を求める制度です。

会社法第833条では、株式会社の解散を訴えることができる株主の持株比率について、原則として10分の1以上と定めています。

ただし、定款で10分の1より低い割合を定めることも認められています。

選択肢1. 会社の解散の訴えは、株式会社のみに認められた制度であり、会社法において、持分会社の社員は、持分会社の解散の訴えを提起することができる旨の規定は存在しない。

不適切です。

会社の解散の訴えは、株式会社だけに認められた制度ではありません。

会社法第833条第2項では、持分会社の社員も、やむを得ない事由がある場合には、会社の解散の訴えを提起できると定めています。

持分会社には、合同会社、合名会社、合資会社があります。

したがって、持分会社には解散の訴えに関する規定が存在しないという説明は誤りです。

選択肢2. 株式会社の解散の訴えは、会社の対外的問題として請求権者の範囲は広く、株主の他、法務大臣、債権者およびその他の利害関係人によっても提起することができる。

不適切です。

会社法第833条に定められた株式会社の解散の訴えを提起できるのは、一定以上の議決権または株式を有する株主です。

法務大臣や債権者などが、この制度によって解散の訴えを提起できるわけではありません。

なお、会社法第824条には、これとは別に会社の解散命令という制度があります。

会社の設立が違法な目的で行われた場合など、公益を守るために会社の存続を認められないときには、法務大臣、株主、債権者などの申立てにより、裁判所が解散を命じることがあります。

したがって、会社の解散の訴えと、会社の解散命令を区別することが重要です。

選択肢3. 株式会社の解散の訴えを提起するためには、総株主の議決権の10分の1以上の議決権、または発行済株式の10分の1以上の数の株式を有する株主でなければならないと会社法に規定されているが、定款をもってこの要件を緩和することは可能である。

適切です。

会社法第833条第1項では、株式会社の解散の訴えを提起できる株主について、原則として次のいずれかの条件を定めています。

・総株主の議決権の10分の1以上を有すること。

・発行済株式の10分の1以上を有すること。

なお、議決権の計算では議決権を行使できない一定の株主を除き、発行済株式の計算では自己株式を除きます。

さらに、定款で10分の1より低い割合を定めることも可能です。

例えば、定款で5%以上と定めれば、5%以上の議決権または株式を有する株主にも、解散の訴えを提起する資格が認められます。

ただし、持株比率の条件を満たすだけで会社の解散が認められるわけではありません。

会社の業務執行が著しく困難になり、回復できない損害が生じるおそれがある場合などで、やむを得ない事由があることも必要です。

選択肢4. 株主が2人であり、かつその議決権比率が50:50の株式会社において、株主間の意見対立があり、株主総会において決議を行うことができない状態(デッドロック状態)が生じた場合、当該株式会社の株主による会社解散の訴えは、当然に認容される。

不適切です。

デッドロック状態とは、株主や経営者の意見が対立して、会社の重要な意思決定ができなくなる状態です。

例えば、議決権を50%ずつ持つ2人の株主が対立し、株主総会で必要な決議ができなくなる場合などです。

しかし、デッドロック状態になったからといって、会社の解散の訴えが必ず認められるわけではありません。

会社法第833条では、会社の業務執行が著しく困難になっていることや、回復できない損害が生じるおそれがあることなどに加えて、やむを得ない事由が必要です。

そのため、裁判所は意見対立の状況や会社への影響などを確認して判断します。

単に株主同士の意見が対立しているだけでは、当然に解散が認められるとはいえません。

まとめ

会社の解散の訴えについては、次の点を押さえることが重要です。

株式会社の解散の訴え

原則として、議決権または発行済株式の10分の1以上を有する株主が提起できます。

ただし、定款で要件となる割合を引き下げることができます。

持分会社の解散の訴え

合同会社などの持分会社でも、やむを得ない事由があれば、社員が解散の訴えを提起できます。

会社の解散命令

解散の訴えとは別の制度であり、公益を守る必要がある場合に、法務大臣や債権者なども申立てを行うことができます。

デッドロック状態

株主間の意見対立によって会社の意思決定ができなくなっても、それだけで解散が当然に認められるわけではありません。

したがって、株式会社の解散の訴えを提起するための持株比率の要件は、定款によって緩和できるという記述が最も適切です。

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