中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問97 (運営管理 問6)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問97(運営管理 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

労働災害の抑止に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • SHELLモデルの考え方に基づいて、事故の原因を、Software(手順書等)、Hardware(設備等)、Environmen(t作業環境)、Liveware(作業者の個人特性)、Liability(信頼性)の観点で分析した。
  • 作業者の安全を確保するために、炉内の温度が一定値に下がるまで加熱炉の扉が開かないようにすることは、フールプルーフの考えに則っている。
  • ハインリッヒ(H. W. Heinrich)による事故調査の分析結果に基づいて、不安全行動よりも発生頻度が高いことが予想される不安全状態への対策に重点的に取り組んだ。
  • フォールトトレランスの考えに則って、両手で同時にプッシュスイッチを押さないと設備が稼働しない仕組みをプレス装置に設けた。
  • リーズン(J. Reason)のエラー分類モデルに従って、職場内のヒューマンエラーをSlip、Lapse、Violationに分類して防止対策を講じた。

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この過去問の解説 (1件)

01

「作業者の安全を確保するために、炉内の温度が一定値に下がるまで加熱炉の扉が開かないようにすることは、フールプルーフの考えに則っている。」が当てはまります。

フールプルーフとは、作業者が誤った操作をしようとしても、事故や危険な状態につながらないように機械や設備の仕組みで防ぐ考え方です。

高温の炉を誤って開けようとしても、安全な温度になるまでは扉が開かない仕組みは、フールプルーフの代表的な考え方に当たります。

選択肢1. SHELLモデルの考え方に基づいて、事故の原因を、Software(手順書等)、Hardware(設備等)、Environmen(t作業環境)、Liveware(作業者の個人特性)、Liability(信頼性)の観点で分析した。

不適切です。

SHELLモデルでは、人間を中心として、周囲との関係を分析します。

主な要素は、

Software=手順、規則、マニュアルなど
Hardware=機械、設備など
Environment=作業環境
Liveware=本人
Liveware=周囲の人

です。

最後のLはLiability(信頼性)ではなく、他の人との関係を表すLivewareです。

選択肢2. 作業者の安全を確保するために、炉内の温度が一定値に下がるまで加熱炉の扉が開かないようにすることは、フールプルーフの考えに則っている。

適切です。

フールプルーフとは、人が間違った操作をしても、危険な状態にならないようにする設計です。

例えば、炉内がまだ高温で危険な状態なのに、作業者が扉を開けようとしても、安全な温度になるまで扉そのものを開けられない仕組みにしておけば事故を防げます。

人の注意力だけに頼らず、設備側で誤操作を防いでいる点がポイントです。

選択肢3. ハインリッヒ(H. W. Heinrich)による事故調査の分析結果に基づいて、不安全行動よりも発生頻度が高いことが予想される不安全状態への対策に重点的に取り組んだ。

不適切です。

ハインリッヒは、事故の原因について、不安全行動の割合が不安全状態よりも高いと分析しました。

一般に、

不安全行動:約88%
不安全状態:約10%
その他:約2%

とされます。

したがって、「不安全状態のほうが発生頻度が高い」という説明は逆です。

選択肢4. フォールトトレランスの考えに則って、両手で同時にプッシュスイッチを押さないと設備が稼働しない仕組みをプレス装置に設けた。

不適切です。

両手で同時にスイッチを押さなければプレス機が動かない仕組みは、作業者の手が危険な場所に入ったまま機械が動くことを防ぐものです。

これは、誤った操作による事故を防止するフールプルーフの考え方に当たります。

一方、フォールトトレランスとは、機械やシステムの一部に故障が発生しても、全体の機能を維持できるようにする考え方です。

例えば、重要な装置を二重化して、一方が故障してももう一方で動作を続ける仕組みなどが該当します。

選択肢5. リーズン(J. Reason)のエラー分類モデルに従って、職場内のヒューマンエラーをSlip、Lapse、Violationに分類して防止対策を講じた。

不適切です。

リーズンのエラー分類では、ヒューマンエラーを代表的に、

Slip=やろうとした操作を間違える
Lapse=必要なことを忘れる
Mistake=判断や計画そのものを間違える
Violation=規則を意図的に守らない

などに分けます。

この記述では、Mistakeが抜けているため、分類として十分ではありません。

まとめ

労働災害を防ぐには、人に「気を付けるように」と求めるだけでなく、設備や仕組みそのものによって事故を防ぐことが重要です。

フールプルーフは、人が誤操作しても危険につながらないようにする考え方です。

一方、フォールトトレランスは、一部が故障してもシステム全体の機能を維持できるようにする考え方です。

また、SHELLモデルでは人と設備・環境・手順・他者との関係を分析し、リーズンの分類ではSlip、Lapse、Mistake、Violationなどに分けてヒューマンエラーを考えます。

したがって、安全な温度になるまで加熱炉の扉を開けられない仕組みが、フールプルーフの考え方として最も適切です。

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