中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問90 (企業経営理論 問40)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問90(企業経営理論 問40) (訂正依頼・報告はこちら)

人的販売に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 自社が販売するサービスを従業員に実際に体験してもらったうえで接客に当たらせるために従業員に一定の割引価格で自社サービスを販売することを、インターナル・マーケティングと呼ぶ。
  • 人的販売には、見込み顧客の掘り起こしと評価に始まり、アプローチやプレゼンテーション、さらには、クロージングやフォローアップなどの段階がある。フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、人的販売との相性が良く、特にアプローチ段階の初期において有効と考えられる。
  • 生産財は企業間取引であるため、たとえそれが標準化した機械部品であっても販売活動の中心は人的販売に頼ることが多く、インターネット販売の役割は少ない。
  • マーケティングと販売は、異なる概念である。そのため、販売員の活動である人的販売をマーケティング・ミックスの4Pの1つであるPromotionに含めることはできない。
  • マーケティングのプッシュ戦略では、最終消費者や流通業者に対して積極的に製品を売り込む。例えば、最終消費者に対しては頻繁な広告が、流通業者に対しては営業担当者による値引き提案が、それぞれ行われることが多い。その結果、需要が増大することによって規模の経済性が発揮され、企業収益が高まると期待される。

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この過去問の解説 (1件)

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「人的販売には、見込み顧客の掘り起こしと評価に始まり、アプローチやプレゼンテーション、さらには、クロージングやフォローアップなどの段階がある。フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、人的販売との相性が良く、特にアプローチ段階の初期において有効と考えられる。」が当てはまります。

人的販売とは、販売員が顧客と直接コミュニケーションを取りながら、商品やサービスを提案する販売活動です。

一般に、見込み顧客の発見・評価から、アプローチ、提案、クロージング、販売後のフォローまでいくつかの段階を経て進められます。

選択肢1. 自社が販売するサービスを従業員に実際に体験してもらったうえで接客に当たらせるために従業員に一定の割引価格で自社サービスを販売することを、インターナル・マーケティングと呼ぶ。

不適切です。

インターナル・マーケティングとは、従業員を「社内の顧客」と考え、教育や研修、情報共有、働きやすい環境づくりなどを通じて、従業員の満足やサービス提供能力を高める考え方です。

従業員に自社の商品やサービスを体験してもらうことも、その取り組みの一部になる場合はあります。

しかし、従業員に割引価格で自社サービスを販売すること自体を、インターナル・マーケティングと呼ぶわけではありません。

選択肢2. 人的販売には、見込み顧客の掘り起こしと評価に始まり、アプローチやプレゼンテーション、さらには、クロージングやフォローアップなどの段階がある。フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、人的販売との相性が良く、特にアプローチ段階の初期において有効と考えられる。

適切です。

人的販売では、まず商品を購入する可能性のある顧客を見つけ、その見込み度を評価します。

その後、顧客に接触して関係をつくるアプローチ、商品やサービスを説明するプレゼンテーション、購入を決めてもらうクロージング、購入後のフォローアップへと進みます。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、最初に小さな依頼を受け入れてもらい、その後により大きな依頼へつなげる方法です。

例えば、いきなり契約を求めるのではなく、「まず資料だけご覧ください」「短時間だけ説明を聞いてください」といった小さな依頼から始める方法です。

そのため、顧客との関係をつくるアプローチの初期段階で活用しやすい手法です。

選択肢3. 生産財は企業間取引であるため、たとえそれが標準化した機械部品であっても販売活動の中心は人的販売に頼ることが多く、インターネット販売の役割は少ない。

不適切です。

生産財では、専門的な説明や個別の提案が必要な場合が多いため、人的販売が重要になることがあります。

しかし、すべての生産財が人的販売を中心とするわけではありません。

特に、仕様が標準化された部品や消耗品などは、顧客が比較・選択しやすいため、Webサイトや電子商取引を通じた販売も利用しやすいといえます。

したがって、標準化された生産財でもインターネット販売の役割が少ないとは限りません。

選択肢4. マーケティングと販売は、異なる概念である。そのため、販売員の活動である人的販売をマーケティング・ミックスの4Pの1つであるPromotionに含めることはできない。

不適切です。

マーケティングと販売は同じ意味ではありませんが、販売活動もマーケティングの一部として位置付けられます。

マーケティング・ミックスの4Pは、

Product(製品)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(プロモーション)

です。

人的販売は、広告、販売促進、PRなどとともに、Promotionを構成する代表的な手段の1つです。

選択肢5. マーケティングのプッシュ戦略では、最終消費者や流通業者に対して積極的に製品を売り込む。例えば、最終消費者に対しては頻繁な広告が、流通業者に対しては営業担当者による値引き提案が、それぞれ行われることが多い。その結果、需要が増大することによって規模の経済性が発揮され、企業収益が高まると期待される。

不適切です。

プッシュ戦略とは、メーカーが卸売業者や小売業者などの流通業者に対して人的販売や販売促進を行い、商品を消費者側へ押し出していく戦略です。

一方、広告などによって最終消費者に直接働きかけ、消費者から流通業者へ商品を求めてもらう方法は、プル戦略に当たります。

したがって、「最終消費者に対する頻繁な広告」までプッシュ戦略として説明している点が適切ではありません。

まとめ

人的販売は、販売員が顧客と直接やり取りしながら、顧客のニーズに合わせて提案できるプロモーション手段です。

一般的には、見込み顧客の発見・評価→アプローチ→プレゼンテーション→クロージング→フォローアップという流れで進みます。

また、最初に小さな依頼を受け入れてもらい、その後の大きな依頼につなげるフット・イン・ザ・ドア・テクニックは、顧客との最初の接点をつくる際に活用しやすい方法です。

なお、人的販売はマーケティング・ミックスのPromotionに含まれる代表的な手段であることも押さえておきましょう。

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