中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問88 (企業経営理論 問38)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問88(企業経営理論 問38) (訂正依頼・報告はこちら)

サービス・マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 居酒屋のハッピーアワーのように時間帯によって低価格をアピールする戦術は、一般的に薄利多売による原材料の仕入れ原価の低減に主要な狙いがある。サービスは基本的に貯蔵できないが、原材料は貯蔵可能であるため、このような対応によってサービス生産性の向上を図ることができる。
  • サービス・ドミナント・ロジックとは、サービスを中心とした品質の評価基準に関する論理である。その評価基準は、SERVQUALと呼ばれる信頼性、反応性、確実性、共感性、有形性の5つの尺度で構成される。
  • サービス・プロフィット・チェーンのフレームワークにおいては、サービス品質が、顧客満足、社会的利益、企業利益につながるという連鎖を管理の対象としている。
  • サービス・マーケティングの7PのうちのParticipants(またはPeople)では、従業員の管理だけではなく、サービス生産に参加する顧客の管理もその対象となる。したがって、繁忙期のテーマパークにおける入場者数の制限などは、その一例と言える。

  • サービス・マーケティングの7PのうちのProcessは、バックヤードにおけるサービス生産の効率性管理を意味している。これは、製造業に比べてサービス業の生産性の向上が難しいことを踏まえたものである。

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この過去問の解説 (1件)

01

「サービス・マーケティングの7PのうちのParticipants(またはPeople)では、従業員の管理だけではなく、サービス生産に参加する顧客の管理もその対象となる。したがって、繁忙期のテーマパークにおける入場者数の制限などは、その一例と言える。」が当てはまります。

サービスは、提供する従業員だけでなく、サービスを受ける顧客もサービス体験の一部をつくるという特徴があります。

そのため、サービス・マーケティングでは、従業員だけでなく顧客も含めた「人」の管理が重要になります。

選択肢1. 居酒屋のハッピーアワーのように時間帯によって低価格をアピールする戦術は、一般的に薄利多売による原材料の仕入れ原価の低減に主要な狙いがある。サービスは基本的に貯蔵できないが、原材料は貯蔵可能であるため、このような対応によってサービス生産性の向上を図ることができる。

不適切です。

サービスには、提供できる時間や座席などを後のために保存しておくことが難しいという消滅性があります。

例えば、居酒屋で17時から18時まで空席が多くても、その時間の空席を翌日に持ち越して販売することはできません。

ハッピーアワーは、比較的客の少ない時間帯に値下げして来店を促し、時間帯による需要のばらつきを調整することが主な狙いです。

原材料の仕入れ原価を下げることが中心的な目的ではありません。

選択肢2. サービス・ドミナント・ロジックとは、サービスを中心とした品質の評価基準に関する論理である。その評価基準は、SERVQUALと呼ばれる信頼性、反応性、確実性、共感性、有形性の5つの尺度で構成される。

不適切です。

サービス・ドミナント・ロジックは、サービス品質を測るための尺度ではありません。

これは、企業が商品という完成した価値を一方的に提供するのではなく、顧客と企業がサービスの利用などを通じて価値を共に生み出すという考え方です。

一方、信頼性、反応性、確実性、共感性、有形性という5つの尺度でサービス品質を測る考え方がSERVQUALです。

両者は別の概念です。

選択肢3. サービス・プロフィット・チェーンのフレームワークにおいては、サービス品質が、顧客満足、社会的利益、企業利益につながるという連鎖を管理の対象としている。

不適切です。

サービス・プロフィット・チェーンでは、従業員と顧客、企業利益のつながりを重視します。

基本的には、良い職場環境や社内サービスが従業員満足を高め、それが優れたサービスにつながり、さらに顧客満足や顧客ロイヤルティを高め、最終的に企業の売上や利益につながると考えます。

「社会的利益」を中心に含めた連鎖ではありません。

選択肢4.

サービス・マーケティングの7PのうちのParticipants(またはPeople)では、従業員の管理だけではなく、サービス生産に参加する顧客の管理もその対象となる。したがって、繁忙期のテーマパークにおける入場者数の制限などは、その一例と言える。

適切です。

サービスでは、従業員の接客態度や能力だけでなく、その場にいる顧客の行動や人数も、他の顧客が感じるサービス品質に影響します。

例えば、テーマパークに利用者が集中しすぎると、待ち時間が長くなったり、混雑によって満足度が低下したりします。

そこで入場者数を調整することは、顧客も含めたサービス提供環境を管理することにつながります。

このように、ParticipantsまたはPeopleでは、従業員だけでなく、サービスに参加する顧客も重要な対象となります。

選択肢5. サービス・マーケティングの7PのうちのProcessは、バックヤードにおけるサービス生産の効率性管理を意味している。これは、製造業に比べてサービス業の生産性の向上が難しいことを踏まえたものである。

不適切です。

Processとは、サービスを顧客に提供するための手順、仕組み、業務の流れなどを指します。

例えば、予約、受付、注文、サービス提供、会計までの流れなどが含まれます。

バックヤードの効率性だけを意味するものではなく、顧客が直接経験するサービス提供の流れも重要な対象です。

まとめ

サービス・マーケティングでは、従来の4Pに加えて、PeopleまたはParticipants、Process、Physical Evidenceを加えた7Pで考えることがあります。

PeopleまたはParticipantsでは、サービスを提供する従業員だけでなく、サービスに参加する顧客も管理の対象となります。

また、Processはサービス提供の手順や流れ全体を指し、ハッピーアワーなどはサービスを保存できないという性質に対応して需要を調整する施策です。

サービスでは、人、時間、提供過程そのものが顧客の満足度に大きく影響する点を押さえておくことが重要です。

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