中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問84 (企業経営理論 問34)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問84(企業経営理論 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

広告規制・広告表現に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • インフルエンサーなどの第三者にSNS上での商品PRを依頼する際、広告主が投稿内容を決定し、報酬を支払っている場合であっても、投稿者自身の言葉で感想が述べられていれば、それが広告であることを明示しなくても、景品表示法の規制対象にはならない。
  • 恐怖訴求は、製品を使用しないことによる不利益や危険性を強調することで消費者の行動を促す手法である。この手法は、消費者の不安をあおるほど行動変容の効果が高まるため、企業が新規顧客の不安を払拭し、長期的なブランド・ロイヤルティを構築する上で、最も安定した効果を発揮する。
  • 広告表現において「売上No.1」や「業界最高」といった最上級表現を用いる場合、その根拠となる客観的な調査結果が存在していれば、調査の実施時期や調査対象の範囲を広告内に明示する必要はなく、視覚的なインパクトを優先したデザインを構築することが推奨される。
  • 日本における比較広告は、景品表示法によって禁止されている。そのため、自社製品の優位性を客観的な数値データで示す場合であっても、競合他社の具体的な製品名やブランド名を挙げて比較を行うことは、不当表示として法的処分の対象となる。
  • 物語広告は、製品の機能や仕様を論理的に説明する代わりに、物語を通じて消費者の感情に訴えかける手法である。この手法においては、消費者がその世界観に没入することで、広告内容に対する心理的な抵抗感や反論が抑制され、ブランドへの共感が高まりやすい。

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この過去問の解説 (1件)

01

「物語広告は、製品の機能や仕様を論理的に説明する代わりに、物語を通じて消費者の感情に訴えかける手法である。この手法においては、消費者がその世界観に没入することで、広告内容に対する心理的な抵抗感や反論が抑制され、ブランドへの共感が高まりやすい。」が当てはまります。

物語広告では、商品の特徴を並べるだけでなく、登場人物や出来事を通じてブランドの価値を伝えます。

消費者が物語に入り込むことで、広告だと意識して反論する気持ちが弱まり、ブランドへの共感や好意が生まれやすくなると考えられます。

選択肢1. インフルエンサーなどの第三者にSNS上での商品PRを依頼する際、広告主が投稿内容を決定し、報酬を支払っている場合であっても、投稿者自身の言葉で感想が述べられていれば、それが広告であることを明示しなくても、景品表示法の規制対象にはならない。

不適切です。

広告主が投稿内容の決定に関与し、インフルエンサーなどに商品を宣伝してもらっている場合には、第三者による投稿の形であっても、事業者による広告表示と判断されることがあります。

そのような投稿について、一般の消費者が広告であることを分からない状態にすると、ステルスマーケティングとして景品表示法上の問題となります。

投稿者自身の言葉で感想を書いているというだけで、規制の対象外になるわけではありません。

選択肢2. 恐怖訴求は、製品を使用しないことによる不利益や危険性を強調することで消費者の行動を促す手法である。この手法は、消費者の不安をあおるほど行動変容の効果が高まるため、企業が新規顧客の不安を払拭し、長期的なブランド・ロイヤルティを構築する上で、最も安定した効果を発揮する。

不適切です。

恐怖訴求は、ある行動を取らないことによる危険や不利益を示し、行動を促す方法です。

しかし、恐怖を強くすればするほど効果が高くなるとは限りません。

不安が強すぎると、消費者が広告そのものを避けたり、内容を否定したりすることもあります。

恐怖訴求では、危険を伝えるだけでなく、「どう行動すれば危険を避けられるのか」という有効な対処方法を示すことも重要です。

選択肢3. 広告表現において「売上No.1」や「業界最高」といった最上級表現を用いる場合、その根拠となる客観的な調査結果が存在していれば、調査の実施時期や調査対象の範囲を広告内に明示する必要はなく、視覚的なインパクトを優先したデザインを構築することが推奨される。

不適切です。

「No.1」などの表示には、その内容を裏付ける客観的で合理的な根拠が必要です。

また、調査結果を広告で利用する場合には、消費者がその結果を正しく理解できるように、調査機関、調査時点、調査方法などの情報を適切に示すことが重要です。

根拠が存在していれば、調査条件を無視して視覚的なインパクトだけを優先してよいわけではありません。

選択肢4. 日本における比較広告は、景品表示法によって禁止されている。そのため、自社製品の優位性を客観的な数値データで示す場合であっても、競合他社の具体的な製品名やブランド名を挙げて比較を行うことは、不当表示として法的処分の対象となる。

不適切です。

日本では、比較広告そのものが禁止されているわけではありません。

比較する内容が客観的に実証され、その数値や事実を正しく引用し、公正な方法で比較していれば、適正な比較広告を行うことができます。

競合他社の商品名を示しただけで、直ちに不当表示になるわけではありません。

選択肢5. 物語広告は、製品の機能や仕様を論理的に説明する代わりに、物語を通じて消費者の感情に訴えかける手法である。この手法においては、消費者がその世界観に没入することで、広告内容に対する心理的な抵抗感や反論が抑制され、ブランドへの共感が高まりやすい。

適切です。

物語広告では、商品について直接「性能が優れている」と説明するだけではなく、登場人物や出来事を含むストーリーの中でブランドの価値を伝えます。

消費者が物語の世界に入り込むと、広告の内容を細かく疑ったり反論したりする意識が弱まり、登場人物や物語への感情移入が起こりやすくなります。

その結果、ブランドへの共感や好意が形成されやすくなるという特徴があります。

まとめ

広告表現では、消費者の注意を引くだけでなく、法的なルールと消費者心理の両方を考えることが重要です。

インフルエンサーへの依頼では、広告であることが分からない表示はステルスマーケティングとして問題になることがあります。

また、「No.1」などの表示には適切な根拠が必要であり、比較広告についても、客観的で公正な比較であれば一律に禁止されているわけではありません。

物語広告では、消費者をストーリーに没入させることで心理的な反論を弱め、ブランドへの共感を高めやすいため、この記述が最も適切です。

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