中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問83 (企業経営理論 問33)
問題文
消費者行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問83(企業経営理論 問33) (訂正依頼・報告はこちら)
消費者行動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 消費者の学習における古典的条件付けは、製品そのものの機能(無条件刺激)と、ブランドロゴなどの特定の記号(条件刺激)を繰り返し提示することで、ブランドロゴを見るだけで製品の機能的恩恵を想起させる手法である。この手法は、高度な認知的判断を伴わない低関与製品においては効果が低いとされる。
- 消費者の記憶において、一度学習した情報が時間の経過とともに忘れ去られる現象を忘却と呼ぶ。企業のブランド構築においては、忘却されやすいエピソード記憶よりも、意味記憶の定着を優先することが、顧客との情緒的な絆を形成する上で効果的である。
- 製品に対する消費者のこだわりや関心の強さを指す関与度が高い場合、消費者は広告のタレントや映像の雰囲気といった周辺的な情報を手がかりに意思決定を行う、精緻化見込みモデルでいわれる「周辺経路を通じた情報処理」を行う傾向が強い。
- 知覚のプロセスにおける選択的注意とは、消費者が自分にとって重要な情報や、自分の信念に合致する情報のみを優先的に取り込む傾向を意味する。企業が競合他社と異なる独自性を訴求する際、消費者の既存の知識体系から大きく逸脱した情報は、注意を引くどころか無視されるリスクをはらんでいる。
- 流暢(りゅうちょう)性とは、情報処理のしやすさから生じる主観的な感覚を意味する。一般に、複雑で難解な専門用語を用いた製品説明は、消費者にとって「処理が困難である」という感覚を生じさせるため流暢性が低いが、これは情報の希少性や専門性の高さとしてポジティブに評価され、購買意欲の向上に直接的に寄与する。
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この過去問の解説 (1件)
01
「知覚のプロセスにおける選択的注意とは、消費者が自分にとって重要な情報や、自分の信念に合致する情報のみを優先的に取り込む傾向を意味する。企業が競合他社と異なる独自性を訴求する際、消費者の既存の知識体系から大きく逸脱した情報は、注意を引くどころか無視されるリスクをはらんでいる。」が当てはまります。
消費者は、目や耳に入るすべての情報を同じように受け取っているわけではありません。
自分に関係がある情報や関心のある情報などを選んで受け取る傾向があり、これを選択的注意といいます。
不適切です。
古典的条件付けとは、もともと特定の反応を引き起こす刺激と、別の刺激を繰り返し組み合わせることで、
後にはその別の刺激だけでも反応が起こるようになる学習です。
マーケティングでは、ブランドと好ましい音楽や映像、人物などを繰り返し結び付けることで、
ブランドそのものに好ましい感情を持たせる方法などが考えられます。
また、このような学習は、詳しく情報を検討しない低関与の消費者にも働きやすいため、
「低関与製品では効果が低い」という部分が適切ではありません。
不適切です。
一度覚えた情報が時間の経過などによって思い出せなくなることを忘却と呼ぶ点は適切です。
しかし、エピソード記憶とは、
自分が実際に経験した出来事に関する記憶です。
例えば、「家族旅行で初めてこの商品を使った」といった体験は、
感情と結び付きやすいため、ブランドとの情緒的な関係をつくるうえで重要になることがあります。
意味記憶だけを優先すればよいとはいえません。
不適切です。
精緻化見込みモデルでは、商品への関与が高い場合、
消費者は商品の性能や価格、品質などの情報を詳しく検討する傾向があります。
これは中心経路による情報処理です。
一方、関与が低い場合には、
広告に登場するタレントや映像の雰囲気などの周辺的な手がかりを利用しやすくなります。
したがって、高関与の場合に周辺経路を使う傾向が強いという説明は逆です。
適切です。
消費者の周囲には、広告、商品、口コミなど非常に多くの情報があります。
そのすべてに注意を向けることはできないため、
消費者は自分に必要な情報、関心のある情報、これまでの考え方と関係する情報などを選んで受け取ります。
これが選択的注意です。
目立たせるために他社と違う情報を発信することは重要ですが、
消費者が持っている知識や理解からあまりにも離れた内容では、
理解されず、そのまま無視される可能性もあります。
不適切です。
流暢性とは、情報をどれくらい簡単に理解・処理できると感じるかという感覚です。
分かりやすい言葉や読みやすい表示は流暢性を高め、
情報に対する親しみや好意、信頼などにつながることがあります。
一方、難しい専門用語ばかりで理解しにくい説明は流暢性を低下させます。
流暢性が低いからといって、それが必ず専門性の高さとして評価され、
直接購買意欲を高めるわけではありません。
消費者行動では、人が情報をどのように受け取り、覚え、判断するのかを理解することが重要です。
選択的注意では、消費者は大量の情報の中から、
自分に関係がある情報や関心のある情報を優先して受け取ります。
また、精緻化見込みモデルでは、
高関与の場合は中心経路、低関与の場合は周辺経路による情報処理が起こりやすくなります。
企業が情報を発信するときには、単に目立たせるだけでなく、
消費者が理解しやすく、自分に関係のある情報だと感じられるようにすることが重要です。
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