中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問79 (企業経営理論 問29)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問79(企業経営理論 問29) (訂正依頼・報告はこちら)

デジタル・マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • SNSマーケティングにおいては、まずフォロワー数を増やすこと自体を最優先のKPIに据えるべきである。フォロワー数が一定の規模に達するまでは、自社Webサイトへの誘導経路の設計やコンバージョン率の分析といった運用は後回しにすることが、SNSマーケティングの効率化の観点から望ましい。
  • Webサイトのアクセス解析において、一般的に普及している解析ツールから得られる数値データは、月間セッション数が数百万件に達しない限り統計的な信頼性に欠ける。したがって、アクセス数の少ない中小企業のサイト運営においては、データに基づいたPDCAを回すよりも、経営者の経験則と直感を優先してサイト構成を決定する方が望ましい。
  • 個人情報保護法をはじめとするデータプライバシーに関する法的規制は、主に大規模なプラットフォーマーや大企業を対象としたものである。そのため、顧客データを多く持たない中小企業が自社サイトでクッキーを利用してアクセス解析を行う際には、プライバシーポリシーの掲示やユーザーへの通知は免除されている。
  • 中小企業のデジタル活用において、実店舗への来店を促す際には、検索エンジンが提供する地図情報上の店舗情報を充実させることが有効である場合が多い。これは、特定の地域でサービスを探している購買意欲の高い層に対し、低コストで直接的なアプローチが可能なため、優先順位の高い施策となり得る。
  • マーケティング・オートメーションは、膨大な顧客リストと高度なプログラミング知識、および多額の導入費用を必要とするシステムであるため、大企業に特化したツールであり、経営資源の限られた中小企業が導入することは費用対効果の面で困難である。

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この過去問の解説 (1件)

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「中小企業のデジタル活用において、実店舗への来店を促す際には、検索エンジンが提供する地図情報上の店舗情報を充実させることが有効である場合が多い。これは、特定の地域でサービスを探している購買意欲の高い層に対し、低コストで直接的なアプローチが可能なため、優先順位の高い施策となり得る。」が当てはまります。

実店舗を持つ企業では、検索結果や地図上に営業時間、所在地、電話番号、写真などの情報を充実させることで、
「近くのお店を探している人」に見つけてもらいやすくなります。

特に中小企業では、多額の広告費をかけなくても地域の顧客に接触できるため、有効なデジタル・マーケティング施策となります。

選択肢1. SNSマーケティングにおいては、まずフォロワー数を増やすこと自体を最優先のKPIに据えるべきである。フォロワー数が一定の規模に達するまでは、自社Webサイトへの誘導経路の設計やコンバージョン率の分析といった運用は後回しにすることが、SNSマーケティングの効率化の観点から望ましい。

不適切です。

SNSマーケティングでは、フォロワー数だけを増やせばよいわけではありません。

重要なのは、SNSを通じて認知を高めるだけでなく、
Webサイトへの訪問、問い合わせ、購入など、最終的な目的につながっているかを確認することです。

そのため、フォロワー数とあわせて、クリック数やコンバージョン率なども確認しながら運用する必要があります。

選択肢2. Webサイトのアクセス解析において、一般的に普及している解析ツールから得られる数値データは、月間セッション数が数百万件に達しない限り統計的な信頼性に欠ける。したがって、アクセス数の少ない中小企業のサイト運営においては、データに基づいたPDCAを回すよりも、経営者の経験則と直感を優先してサイト構成を決定する方が望ましい。

不適切です。

アクセス数が少ないWebサイトでも、アクセス解析には意味があります。

例えば、どのページがよく見られているか、どこから訪問者が来ているか、問い合わせにつながっているかなどを確認できます。

数百万件のアクセスがなければデータが役に立たない、というものではありません。

中小企業でも、得られたデータと現場の経験の両方を使いながら改善を続けることが重要です。

選択肢3. 個人情報保護法をはじめとするデータプライバシーに関する法的規制は、主に大規模なプラットフォーマーや大企業を対象としたものである。そのため、顧客データを多く持たない中小企業が自社サイトでクッキーを利用してアクセス解析を行う際には、プライバシーポリシーの掲示やユーザーへの通知は免除されている。

不適切です。

個人情報や利用者情報に関するルールは、大企業だけを対象としているわけではありません。

中小企業であっても、扱う情報や利用方法に応じて、
個人情報保護やプライバシーに配慮した対応が必要です。

また、クッキーを利用しているからといって、規模の小さい企業には一律にプライバシーポリシーの掲示や通知が免除されるという決まりではありません。

選択肢4. 中小企業のデジタル活用において、実店舗への来店を促す際には、検索エンジンが提供する地図情報上の店舗情報を充実させることが有効である場合が多い。これは、特定の地域でサービスを探している購買意欲の高い層に対し、低コストで直接的なアプローチが可能なため、優先順位の高い施策となり得る。

適切です。

飲食店、美容院、小売店、修理業などでは、
「近くの○○」「地域名+○○」と検索して店舗を探す利用者が多くいます。

そこで、地図情報上の店舗ページに、営業時間、住所、電話番号、写真、サービス内容などを正しく掲載しておけば、
その地域で実際に店舗やサービスを探している人に見つけてもらいやすくなります。

広告費を大きくかけずに取り組める場合も多いため、
地域の顧客を対象とする中小企業にとって優先度の高い施策となり得ます。

選択肢5. マーケティング・オートメーションは、膨大な顧客リストと高度なプログラミング知識、および多額の導入費用を必要とするシステムであるため、大企業に特化したツールであり、経営資源の限られた中小企業が導入することは費用対効果の面で困難である。

不適切です。

マーケティング・オートメーションは、見込み客へのメール配信、顧客情報の管理、行動履歴に応じた情報提供などを自動化する仕組みです。

現在では、比較的小規模な企業でも利用しやすいサービスがあり、
必ずしも膨大な顧客リストや高度なプログラミング技術が必要とは限りません。

企業の規模ではなく、目的や顧客数、業務内容に合った仕組みを選び、費用対効果を判断することが重要です。

まとめ

デジタル・マーケティングでは、単にSNSのフォロワーを増やしたり、新しいシステムを導入したりすること自体が目的ではありません。

重要なのは、顧客の行動や自社の目的に合わせて、効果の高い施策を選ぶことです。

特に実店舗を持つ中小企業では、地図上の店舗情報を充実させることで、
その地域で商品やサービスを探している人に低コストで接触できる可能性があります。

そのため、地域の顧客を店舗へ誘導する施策として、地図情報を充実させるという記述が最も適切です。

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