中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問74 (企業経営理論 問24)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問74(企業経営理論 問24) (訂正依頼・報告はこちら)

労働基準法第24条の賃金の支払に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 1カ月の賃金支払額に100円未満の端数が生じた場合に、50円未満を切り捨て、50円以上を100円に切り上げて支払うことはできない。
  • 500万円を超える退職手当を支払う場合には、労働者の同意を得ることなく、一部を自社の株式またはストックオプションを付与する方法によることができる。
  • 就業規則に「賃金支払日を毎月25日とする。ただし、25日が金融機関の休日の場合には翌営業日に繰り下げる。」と定めて、これを運用することはできない。
  • 賃金を労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことはできないが、使者に対して支払うことはできる。

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この過去問の解説 (1件)

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「賃金を労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことはできないが、使者に対して支払うことはできる。」が当てはまります。

労働基準法第24条では、賃金について、通貨払い・直接払い・全額払い・毎月1回以上払い・一定期日払いという原則を定めています。

このうち直接払いの原則では、賃金は原則として労働者本人に支払わなければなりません。
そのため任意代理人への支払いは認められませんが、本人に代わって単に賃金を受け取りに来た「使者」への支払いは認められています。

選択肢1. 1カ月の賃金支払額に100円未満の端数が生じた場合に、50円未満を切り捨て、50円以上を100円に切り上げて支払うことはできない。

不適切です。

1カ月の賃金支払額に100円未満の端数が生じた場合に、50円未満を切り捨て、50円以上を100円に切り上げる処理は、一定の条件のもとで認められています。

これは給与計算を簡単にするための端数処理であり、就業規則に定めて行うこととされています。

したがって、「できない」という部分が誤りです。

選択肢2. 500万円を超える退職手当を支払う場合には、労働者の同意を得ることなく、一部を自社の株式またはストックオプションを付与する方法によることができる。

不適切です。

労働基準法第24条では、賃金は原則として通貨で支払う必要があります。

「退職手当が500万円を超えれば、本人の同意なしに株式やストックオプションで支払える」という決まりはありません。

退職手当についても、法令などで認められた方法を除き、会社が一方的に現金以外のものへ置き換えることはできません。

選択肢3. 就業規則に「賃金支払日を毎月25日とする。ただし、25日が金融機関の休日の場合には翌営業日に繰り下げる。」と定めて、これを運用することはできない。

不適切です。

賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払う必要があります。

ただし、通常の支払日が金融機関の休日となった場合の扱いを、あらかじめ就業規則などで明確に定めておくことは可能です。

そのため、「25日が金融機関の休日なら翌営業日に支払う」というルールを定めて運用すること自体が禁止されているわけではありません。

選択肢4. 賃金を労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことはできないが、使者に対して支払うことはできる。

適切です。

賃金には直接払いの原則があり、使用者は労働者本人に直接支払う必要があります。

そのため、労働者から委任を受けて本人に代わって法律上の権限を行使する任意代理人に支払うことは認められません。

一方、「使者」は本人に代わって意思決定をする人ではなく、本人のために単に賃金を受け取りに来る人です。

このため、任意代理人への支払いはできませんが、使者への支払いは認められます。

まとめ

労働基準法第24条では、労働者が賃金を確実に受け取れるように、賃金の支払いについて5つの原則を定めています。

この問題では、特に全額払い・通貨払い・一定期日払い・直接払いの例外や細かな取り扱いを区別することがポイントです。

1カ月の賃金額についての一定の端数処理は認められており、金融機関の休日に対応した支払日のルールをあらかじめ定めることもできます。

そして直接払いの原則では、任意代理人への支払いは認められませんが、単なる使者への支払いは認められるため、この記述が当てはまります。

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