中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問72 (企業経営理論 問22)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問72(企業経営理論 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

以下の図は、NTL Institute が提唱している、組織開発の進め方をモデル化した「OD Map」を表したものである。組織開発の外部専門家という立場で、このモデルの考え方に基づいてクライアントと組織開発を進める場合、その進め方に関する記述として、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。
問題文の画像
  • 「アクション計画」と「アクション実施」の段階では、変革への現場からの抵抗を排除するため、当事者間で対話の場を設けるよりも、新しい制度やルールをトップダウンで素早く導入することを優先すべきである。
  • 「エントリーと契約」の段階では、双方の役割と責任、アクションの計画と実施の具体的な内容を確定させ、クライアントと明確な合意を形成することが重要である。
  • 「データ収集」と「データ分析」の段階では、組織の全体像を正しく把握できる立場にいる経営幹部層に対象を絞った実態調査を実施することで、組織の抱える問題の全体像を明らかにすべきである。
  • 「評価」と「終結」の段階では、介入の効果と目的の達成度を検証し、望ましい変化が持続するよう定着化を図ると共に、クライアントが今後は自走できると判断される場合は支援を終結すべきである。
  • 「フィードバック」の段階では、収集したデータの分析結果に基づき、解決すべき課題の優先順位を組織開発の外部専門家が客観的な立場から決定することが重要である。

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この過去問の解説 (1件)

01

「評価」と「終結」の段階では、介入の効果と目的の達成度を検証し、望ましい変化が持続するよう定着化を図ると共に、クライアントが今後は自走できると判断される場合は支援を終結すべきである。」が当てはまります。

OD Mapは、組織開発を外部専門家が一方的に進めるのではなく、クライアントと協働しながら、データ収集・分析・フィードバック・行動・評価などを進める考え方です。

最後の「評価」と「終結」では、取り組みの効果を確認し、変化を組織に定着させます。
そして、クライアント自身で改善を続けられる状態になれば、外部専門家による支援を終えることも重要です。

選択肢1. 「アクション計画」と「アクション実施」の段階では、変革への現場からの抵抗を排除するため、当事者間で対話の場を設けるよりも、新しい制度やルールをトップダウンで素早く導入することを優先すべきである。

不適切です。

組織開発では、現場の人たちを単なる変革の対象として扱うのではなく、当事者自身が変革に参加することが重視されます。

現場から抵抗がある場合にも、一方的に制度やルールを押しつけるのではなく、対話を通じて考えや不安を共有し、納得を得ながら進めることが重要です。

そのため、トップダウンによる素早い導入を対話より優先すべきだとはいえません。

選択肢2. 「エントリーと契約」の段階では、双方の役割と責任、アクションの計画と実施の具体的な内容を確定させ、クライアントと明確な合意を形成することが重要である。

不適切です。

「エントリーと契約」は、外部専門家とクライアントが関係をつくり、目的、期待、役割、責任、進め方などについて合意する段階です。

ただし、この時点ではまだ十分なデータ収集や分析を行っていないため、具体的なアクションの内容まで確定するのは早すぎます。

どのような行動を取るかは、その後のデータ収集・分析・フィードバックなどを経て検討します。

選択肢3. 「データ収集」と「データ分析」の段階では、組織の全体像を正しく把握できる立場にいる経営幹部層に対象を絞った実態調査を実施することで、組織の抱える問題の全体像を明らかにすべきである。

不適切です。

組織の問題を把握するときは、経営幹部だけの意見で判断するのではなく、さまざまな立場の人から情報を集めることが重要です。

経営層と現場では、同じ出来事でも見え方が異なることがあります。

そのため、インタビュー、アンケート、観察などを使い、必要に応じて複数の階層や部門からデータを集め、組織の状態を多面的に分析します。

選択肢4. 「評価」と「終結」の段階では、介入の効果と目的の達成度を検証し、望ましい変化が持続するよう定着化を図ると共に、クライアントが今後は自走できると判断される場合は支援を終結すべきである。

適切です。

「評価」では、実施した取り組みによって、どのような変化が生じたのかを確認します。

単にアクションを実施して終わるのではなく、当初の目的をどの程度達成したか、望ましい変化が定着しているかを確かめることが重要です。

さらに、クライアント自身が問題を発見し、改善を続けられる状態になれば、外部専門家への依存を続ける必要はありません。

その場合には、適切に支援を終えることも組織開発の重要なプロセスです。

選択肢5. 「フィードバック」の段階では、収集したデータの分析結果に基づき、解決すべき課題の優先順位を組織開発の外部専門家が客観的な立場から決定することが重要である。

不適切です。

フィードバックでは、外部専門家が分析結果を一方的に示して、解決すべき課題を決めるわけではありません。

分析した情報をクライアントと共有し、その内容について話し合うことで、当事者自身が組織の状態を理解し、どの課題に取り組むかを考えることが重要です。

組織開発では、外部専門家とクライアントが協働して進めることが基本となります。

まとめ

OD Mapでは、外部専門家が「答え」を与えるのではなく、クライアントと協働しながら組織の問題を見つけ、改善していくことが重視されます。

エントリーと契約では目的や役割などを確認し、その後、データ収集・分析・フィードバックを経て、アクションを計画・実施します。

最後の評価では取り組みの効果を確認し、変化の定着を図ります。
そして、クライアントが自分たちで改善を続けられるようになれば、外部専門家による支援を終結することが適切です。

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