中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問67 (企業経営理論 問17)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問67(企業経営理論 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

E. デシによって提唱された内発的動機づけの理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 個人が報酬を有能さの情報として自己決定を損なわないかたちで受け取る場合、それが外的報酬であっても内発的動機づけを高めうる。
  • 成果主義のように個人の活動成果に応じて外的報酬を与えることは、優越感に対する個人の欲求を満たすことで内発的動機づけを高める傾向がある。
  • 内発的動機づけの強さは、「期待」、「道具性」、「誘意性」という3つの独立した変数の積によって説明できる。
  • 内発的に動機づけられた活動に従事する個人に活動成果に応じた金銭を与えた場合、受け手は「遊びではなく金銭のためだ」と活動を正当化することで内発的動機づけをさらに高める傾向がある。
  • 褒め言葉のような無形の言語的報酬によって内発的動機づけが高められる効果を「ウィンザー効果」と呼ぶ。

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この過去問の解説 (1件)

01

「個人が報酬を有能さの情報として自己決定を損なわないかたちで受け取る場合、それが外的報酬であっても内発的動機づけを高めうる。」が当てはまります。

E.デシの内発的動機づけの理論では、外から与えられる報酬が、いつも内発的動機づけを弱めるわけではありません。

報酬が「自分はよくできている」という有能感を高める情報として受け取られ、本人の自己決定感を損なわなければ、内発的動機づけを高めることがあります。

選択肢1. 個人が報酬を有能さの情報として自己決定を損なわないかたちで受け取る場合、それが外的報酬であっても内発的動機づけを高めうる。

適切です。

デシは、報酬には、行動を外からコントロールする側面と、自分の能力について情報を与える側面があると考えました。

報酬によって「報酬をもらうためにやらされている」と感じると、自己決定感が低下し、内発的動機づけが弱まることがあります。

一方で、「自分の能力が認められた」と感じられ、自己決定感も保たれている場合には、有能感が高まり、内発的動機づけが強まることがあります。

選択肢2. 成果主義のように個人の活動成果に応じて外的報酬を与えることは、優越感に対する個人の欲求を満たすことで内発的動機づけを高める傾向がある。

不適切です。

成果に応じた外的報酬は、場合によっては「報酬を得るために行動している」と感じさせます。

その結果、行動の原因が自分の興味や意思ではなく、報酬にあると考えるようになり、内発的動機づけが弱まることがあります。

また、デシの理論で重視されるのは、優越感ではなく、自己決定感や有能感です。

選択肢3. 内発的動機づけの強さは、「期待」、「道具性」、「誘意性」という3つの独立した変数の積によって説明できる。

不適切です。

これはデシの内発的動機づけの理論ではなく、ブルームの期待理論に関する説明です。

期待理論では、

期待
道具性
誘意性

の3つを使って、動機づけの強さを説明します。

デシの理論では、自己決定感や有能感が重要になります。

選択肢4. 内発的に動機づけられた活動に従事する個人に活動成果に応じた金銭を与えた場合、受け手は「遊びではなく金銭のためだ」と活動を正当化することで内発的動機づけをさらに高める傾向がある。

不適切です。

もともと好きで行っていた活動に対して金銭的な報酬を与えると、「自分は好きだからやっているのではなく、お金のためにやっている」と感じることがあります。

その結果、行動の原因を自分の内側ではなく外的報酬に求めるようになり、内発的動機づけが低下することがあります。

このように、外的報酬によって内発的動機づけが弱まる現象は、一般にアンダーマイニング効果と呼ばれます。

選択肢5. 褒め言葉のような無形の言語的報酬によって内発的動機づけが高められる効果を「ウィンザー効果」と呼ぶ。

不適切です。

褒め言葉などが本人の有能感を高め、自己決定感を損なわない場合には、内発的動機づけを高めることがあります。

しかし、この効果をウィンザー効果とは呼びません。

ウィンザー効果とは、本人から直接聞くよりも、第三者を通じて聞いた評価や褒め言葉のほうが信頼されやすい現象です。

まとめ

デシの内発的動機づけの理論では、自己決定感と有能感が重要です。

外的報酬が行動を強くコントロールすると、自分の意思で行動しているという感覚が弱まり、内発的動機づけが低下することがあります。

一方、報酬が自分の能力を認める情報として受け取られ、自己決定感も保たれる場合には、外的報酬であっても内発的動機づけを高めることがあります。

したがって、報酬を有能さの情報として受け取り、自己決定を損なわない場合について述べた記述が当てはまります。

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