中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問66 (企業経営理論 問16)
問題文
H. サイモンによって提唱された意思決定論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問66(企業経営理論 問16) (訂正依頼・報告はこちら)
H. サイモンによって提唱された意思決定論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 価値前提とは、意思決定において追求すべき目的や規範に関する前提であるが、その真偽を客観的な手段で検証できない前提は除外される。
- 事実前提とは、意思決定における手段や因果関係に関する前提であり、「わが社は短期利益よりも顧客信頼を優先する」といった意思決定の評価軸を指す。
- 組織における教育・訓練の目的とは、意思決定に必要な思考の枠組みや価値基準を与えることにより、組織メンバーが意思決定前提に頼らずに自律的に意思決定できるようにすることである。
- 組織における権限には、意思決定に際して上司が伝える意思決定前提を一人ひとりの部下が自ら吟味せずに受容することを促す側面がある。
- 組織メンバーが組織と一体化することは、組織の価値前提と組織メンバーの目的との乖離を拡大させるように作用する。
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この過去問の解説 (1件)
01
「組織における権限には、意思決定に際して上司が伝える意思決定前提を一人ひとりの部下が自ら吟味せずに受容することを促す側面がある。」が当てはまります。
H.サイモンは、人間には情報収集や判断能力に限界があるため、すべてを完全に検討して最善の意思決定をすることは難しいと考えました。
そこで組織では、上司からの指示、教育・訓練、組織への一体化などを通じて、意思決定の前提を組織メンバーに与えることが重要になります。
不適切です。
価値前提とは、何を目的とするか、何を望ましいと考えるかといった、目的や価値判断に関する前提です。
例えば、「顧客満足を利益より優先する」といった考え方が該当します。
価値判断は、事実のように客観的に真偽を確かめられるものではありません。
むしろ、客観的に真偽を検証できない点が価値前提の特徴です。
不適切です。
事実前提とは、「この方法を使えば売上が増える」「この設備を導入すれば生産時間が短くなる」といった、手段や因果関係についての事実に関する前提です。
一方、「短期利益よりも顧客信頼を優先する」という考え方は、何を重視するかという価値判断なので、価値前提に当たります。
不適切です。
教育・訓練は、組織メンバーに知識や技能だけでなく、組織として望ましい考え方や意思決定の前提を身につけてもらう役割も持ちます。
つまり、意思決定前提に頼らなくするのではなく、適切な意思決定前提を身につけさせることが目的です。
適切です。
組織では、上司が部下に指示を出すことで、意思決定の前提を伝えることがあります。
権限関係があることで、部下はその指示について毎回一から詳しく検討するのではなく、上司から与えられた意思決定前提を受け入れて行動しやすくなります。
これにより、組織内で多くの人が一定の方向に沿って意思決定でき、組織全体の活動を調整しやすくなります。
不適切です。
組織への一体化が進むと、組織メンバーは組織の目標や価値観を自分のものとして受け入れやすくなります。
そのため、組織の価値前提と個人の目的との違いは、一般に小さくなる方向に働きます。
乖離を拡大させるという説明は逆です。
サイモンの意思決定論では、意思決定の前提を大きく、価値前提と事実前提に分けます。
価値前提は、何を目的とし、何を望ましいと考えるかという基準です。
事実前提は、その目的を達成するために、どのような手段が有効かという事実や因果関係に関する前提です。
また、組織では、権限、教育・訓練、組織への一体化などを通じて、メンバーの意思決定に影響を与えます。
特に権限には、上司が示した意思決定前提を部下が受容し、それに基づいて行動することを促す働きがあります。
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