中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問59 (企業経営理論 問9)
問題文
W.アバナシーとJ.アッターバックの「生産性のジレンマモデル(A−Uモデル)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
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中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問59(企業経営理論 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
W.アバナシーとJ.アッターバックの「生産性のジレンマモデル(A−Uモデル)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 「生産性のジレンマ」とは、ドミナントデザインの成立と生産性の向上との間のトレードオフのことである。
- 産業が成熟するほど、製品イノベーションと工程イノベーションが同時に増加する。
- 産業の初期は製品イノベーションが支配的で、ドミナントデザインの登場を機に工程イノベーションが中心になっていく。
- ドミナントデザインとは技術的に最も優れた設計のことである。
- ドミナントデザインは、市場や生産ではなく、技術的な選択圧によって登場する。
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この過去問の解説 (1件)
01
「産業の初期は製品イノベーションが支配的で、ドミナントデザインの登場を機に工程イノベーションが中心になっていく。」が当てはまります。
A−Uモデルでは、産業の発展にともなって、イノベーションの中心が変化すると考えます。
産業の初期には、どのような製品が市場に受け入れられるかがまだ定まっていないため、製品そのものを改良する製品イノベーションが盛んです。
その後、標準的な製品設計であるドミナントデザインが成立すると、製品の基本的な形が安定し、今度は低コストで効率よく生産するための工程イノベーションが重視されるようになります。
不適切です。
生産性のジレンマは、ドミナントデザインの成立そのものと生産性向上が対立するという意味ではありません。
企業が生産工程を効率化し、生産性を高めていくほど、設備や組織の仕組みが特定の製品や生産方法に合わせて固定されていきます。
その結果、新しい製品や大きな技術変化へ柔軟に対応しにくくなるという問題が生じます。
つまり、生産性を高めるための効率化と、新しいイノベーションに対応する柔軟性との間に生じるジレンマを表しています。
不適切です。
産業の初期には製品イノベーションが多く発生します。
ドミナントデザインが成立すると、製品の基本的な形が定まるため、製品イノベーションは減少し、代わって工程イノベーションが増えていきます。
さらに産業が成熟すると、生産方法も標準化されていくため、製品イノベーションと工程イノベーションの両方が少なくなっていくと考えます。
適切です。
産業の初期は、まだ顧客がどのような製品を求めているのか、どの設計が標準になるのかが定まっていません。
そのため、企業はさまざまな製品を開発し、製品イノベーションが多く行われます。
その後、市場で標準的な製品設計となるドミナントデザインが成立すると、製品そのものの大きな変更は少なくなります。
そして、同じ製品をより安く、速く、大量に作るための工程イノベーションが中心になっていきます。
不適切です。
ドミナントデザインとは、ある製品分野で広く受け入れられ、事実上の標準となった製品設計を指します。
必ずしも技術的に最も優れている設計が選ばれるわけではありません。
顧客からの支持、生産のしやすさ、販売体制、関連する製品やサービスとの関係など、さまざまな要因によって市場で広く採用される設計がドミナントデザインとなります。
不適切です。
ドミナントデザインの成立には、技術だけでなく、市場での顧客の選択や企業の生産活動なども関係します。
どれほど高度な技術でも、市場で受け入れられなければ標準的な設計になるとは限りません。
したがって、技術的な要因だけによってドミナントデザインが決まるという説明は適切ではありません。
A−Uモデルでは、産業の発展を大きく見ると、
産業の初期
→製品イノベーションが中心
ドミナントデザインの成立後
→工程イノベーションが中心
産業の成熟後
→製品・工程の両方のイノベーションが減少
という流れになります。
また、ドミナントデザインは必ずしも技術的に最も優れた設計ではなく、市場や生産などさまざまな要因によって広く受け入れられた標準的な設計です。
このため、産業の初期には製品イノベーションが多く、ドミナントデザインの登場をきっかけとして工程イノベーションが中心になっていくという記述が当てはまります。
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