中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問47 (財務・会計 問21)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問47(財務・会計 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

企業合併・買収(M&A)における企業評価方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 収益還元方式は、将来の利益やキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に換算する方法であり、企業の将来収益力を反映しやすいという特徴がある。
  • 純資産方式は、企業の保有する資産および負債を取得原価で評価した純資産額を基礎とする方法であり、研究開発力などの無形資産価値を反映しやすいという特徴がある。
  • 市場株価比較方式は、評価対象企業と類似する上場企業の株価水準を用いて企業価値を算定する方法であり、非上場企業には原則として適用できない。
  • 乗数法(マルチプル法)は、売上高や利益などに一定の倍率を乗じて企業価値を算定する方法であり、企業固有の収益構造を反映しやすいという特徴がある。

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この過去問の解説 (1件)

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「収益還元方式は、将来の利益やキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に換算する方法であり、企業の将来収益力を反映しやすいという特徴がある。」が当てはまります。

企業価値の評価方法には、大きく分けて、将来の収益力に注目する方法、企業が持つ資産や負債に注目する方法、類似企業の市場での評価を参考にする方法などがあります。

収益還元方式は、将来得られる利益やキャッシュ・フローを現在の価値に直して企業価値を求めるため、企業の将来性を評価に取り込みやすい方法です。

選択肢1. 収益還元方式は、将来の利益やキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に換算する方法であり、企業の将来収益力を反映しやすいという特徴がある。

適切です。

収益還元方式は、企業が将来どれくらいの利益やキャッシュ・フローを生み出せるかに注目して企業価値を求める方法です。

将来受け取るお金は、現在受け取る同じ金額より価値が低いと考えるため、割引率を使って現在価値に換算します。

そのため、現在保有している資産だけではなく、将来の収益力や成長性を企業価値に反映しやすいという特徴があります。

選択肢2. 純資産方式は、企業の保有する資産および負債を取得原価で評価した純資産額を基礎とする方法であり、研究開発力などの無形資産価値を反映しやすいという特徴がある。

不適切です。

純資産方式は、企業が持っている資産から負債を差し引いた純資産の価値を基礎として企業価値を求める方法です。

帳簿上の金額を使う方法のほか、資産や負債を時価に直して評価する方法もあります。

一方、研究開発力、ブランド力、技術力、人材などは貸借対照表に十分表れないことがあります。

そのため、純資産方式は、こうした目に見えない無形の価値を反映しにくいという特徴があります。

選択肢3. 市場株価比較方式は、評価対象企業と類似する上場企業の株価水準を用いて企業価値を算定する方法であり、非上場企業には原則として適用できない。

不適切です。

市場株価比較方式では、評価対象企業と事業内容や規模などが似ている上場企業の株価や財務データを参考にします。

評価対象となる会社自身が上場していなくても、類似する上場企業のデータを利用して非上場企業を評価することができます。

そのため、「非上場企業には原則として適用できない」という部分が誤りです。

選択肢4. 乗数法(マルチプル法)は、売上高や利益などに一定の倍率を乗じて企業価値を算定する方法であり、企業固有の収益構造を反映しやすいという特徴がある。

不適切です。

乗数法では、類似企業の株価や企業価値と、売上高・利益などとの関係から倍率を求め、その倍率を評価対象企業の数値に掛けて企業価値を計算します。

例えば、利益の10倍程度で評価されている類似企業を参考にして、評価対象企業の利益にも同じような倍率を適用する方法です。

計算が比較的分かりやすい一方、類似企業の評価を基準にするため、評価対象企業だけが持つ独自の収益構造や特徴を細かく反映しにくいという面があります。

まとめ

企業評価方法は、何を基準として企業価値を求めるかによって特徴が異なります。

収益還元方式は、将来の利益やキャッシュ・フローを現在価値に換算するため、企業の将来収益力を反映しやすい方法です。

純資産方式は資産と負債を中心に評価するため、研究開発力やブランド力などの無形の価値を反映しにくい面があります。

また、市場株価比較方式や乗数法は類似する企業の市場での評価を参考にするため、非上場企業にも利用できますが、企業固有の特徴を十分に反映できない場合があります。

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