中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問25 (経済学・経済政策 問25)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問25(経済学・経済政策 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

A国とB国が相互に貿易を行う状況を想定し、両国政府の政策選択を戦略とするゲームについて考える。以下の表は、両国政府が採用する政策の組み合わせに応じた各国の利得(国民の経済厚生)を示したものである。カッコ内の左側がA国の利得、右側がB国の利得を示す。
このゲームに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の選択肢から選べ。

a  両国がともに保護貿易を採用した状態からA国のみが自由貿易を採用した状態への変化は、パレート改善である。
b  両国がともに自由貿易を採用した状態からB国のみが保護貿易を採用した状態へ変化すると、A国の利得が減少する。
c  両国がともに保護貿易を採用した状態から両国がともに自由貿易を採用した状態への変化は、パレート改善である。
d  ナッシュ均衡は、両国がともに自由貿易を採用した状態である。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:正  d:誤
  • a:正  b:誤  c:誤  d:誤
  • a:誤  b:正  c:正  d:正
  • a:誤  b:正  c:正  d:誤
  • a:誤  b:誤  c:正  d:誤

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい組み合わせは「a:誤 b:正 c:正 d:誤」です。

この問題では、表に示されたA国とB国の利得を比較して、パレート改善とナッシュ均衡を判断します。

表の利得は、次のように整理できます。

両国とも自由貿易:A国60、B国60
A国が自由貿易・B国が保護貿易:A国10、B国80
A国が保護貿易・B国が自由貿易:A国70、B国15
両国とも保護貿易:A国20、B国20

パレート改善とは、誰の利得も減らさずに、少なくとも1人の利得が増える変化です。また、ナッシュ均衡とは、相手の政策をそのままとしたとき、どちらの国も自分だけ政策を変えて得をできない状態です。

したがって、

a:誤
b:正
c:正
d:誤

となります。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正  d:誤

a 両国がともに保護貿易を採用した状態からA国のみが自由貿易を採用した状態への変化は、パレート改善である。

誤りです。

両国がともに保護貿易の場合、利得は、

A国:20
B国:20

です。

ここからA国だけが自由貿易へ変えると、

A国:10
B国:80

になります。

B国の利得は20から80へ増えますが、A国の利得は20から10へ減少しています。

パレート改善では、誰の利得も減ってはいけません。そのため、この変化はパレート改善ではありません。

b 両国がともに自由貿易を採用した状態からB国のみが保護貿易を採用した状態へ変化すると、A国の利得が減少する。

正しい記述です。

両国がともに自由貿易の場合、利得は、

A国:60
B国:60

です。

ここからB国だけが保護貿易へ変えると、

A国:10
B国:80

になります。

したがって、A国の利得は60から10へ減少します。

c 両国がともに保護貿易を採用した状態から両国がともに自由貿易を採用した状態への変化は、パレート改善である。

正しい記述です。

両国とも保護貿易の場合は、

A国:20
B国:20

です。

これに対して、両国とも自由貿易にすると、

A国:60
B国:60

になります。

A国もB国も、利得が20から60へ増えています。

つまり、どちらの国の利得も減らず、両国とも利得が増加しています。

そのため、この変化はパレート改善です。

d ナッシュ均衡は、両国がともに自由貿易を採用した状態である。

誤りです。

まず、B国が自由貿易を選んでいる場合を考えます。

A国は、

自由貿易なら60
保護貿易なら70

を得られるので、保護貿易を選ぶほうが得です。

次に、B国が保護貿易を選んでいる場合でも、

自由貿易なら10
保護貿易なら20

なので、A国はやはり保護貿易を選ぶほうが得です。

B国についても同じです。A国が自由貿易なら、B国は自由貿易の60より保護貿易の80を選びます。A国が保護貿易なら、自由貿易の15より保護貿易の20を選びます。

つまり、両国とも相手の政策にかかわらず、保護貿易を選ぶほうが自国の利得が大きくなります。

そのため、ナッシュ均衡は「両国とも自由貿易」ではなく、両国とも保護貿易です。

まとめ

この問題では、4つの政策の組み合わせについて利得を直接比較することがポイントです。

両国とも保護貿易の(20、20)から、A国だけ自由貿易の(10、80)へ移るとA国の利得が減るため、パレート改善ではありません。

両国とも自由貿易の(60、60)からB国だけ保護貿易の(10、80)へ移ると、A国の利得は減少します。

一方、両国とも保護貿易の(20、20)から両国とも自由貿易の(60、60)へ移れば、両国の利得がともに増えるのでパレート改善です。

しかし、各国が自国の利得だけを考えると、相手がどちらの政策を選んでも保護貿易を選ぶほうが有利です。そのため、ナッシュ均衡は両国とも保護貿易となります。

したがって、正しい組み合わせは、

a:誤
b:正
c:正
d:誤

です。

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