中小企業診断士 過去問
令和8年度(2026年)
問23 (経済学・経済政策 問23)

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問題

中小企業診断士試験 令和8年度(2026年) 問23(経済学・経済政策 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

高所得者Aと低所得者Bという2人で構成される社会を想定する。所得水準によって決まる2人の効用関数は同一であるとして、各人の測定可能な効用の大きさに基づいて社会全体の厚生水準が決まるとする「社会厚生関数」を考えることができる。
社会厚生関数に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ベンサム型の社会厚生関数では、一定の社会厚生水準の下でAの効用とBの効用はトレードオフの関係にある。
  • ベンサム型の社会厚生関数は、公正性を重視した平等主義の考えに基づく。
  • ロールズ型の社会厚生関数では、Bの所得が一定でも、Aの所得を増加させれば、社会厚生水準は高まる。
  • ロールズ型の社会厚生関数では、社会厚生が同水準であれば、2人の所得の合計は等しくなる。

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢は「ベンサム型の社会厚生関数では、一定の社会厚生水準の下でAの効用とBの効用はトレードオフの関係にある。」です。

社会厚生関数とは、社会を構成する人々の効用をもとに、社会全体としてどれくらい望ましい状態かを表す考え方です。

代表的なものに、個人の効用を合計するベンサム型と、最も効用が低い人を重視するロールズ型があります。

選択肢1. ベンサム型の社会厚生関数では、一定の社会厚生水準の下でAの効用とBの効用はトレードオフの関係にある。

適切です。

ベンサム型の社会厚生関数では、社会全体の厚生を、

社会厚生=Aの効用+Bの効用

のように、各人の効用の合計で考えます。

例えば、社会厚生を100に保つ場合、

Aの効用が60、Bの効用が40

でも、

Aの効用が70、Bの効用が30

でも、合計は同じ100です。

つまり、社会厚生を一定に保つなら、一方の効用が増えた分だけ、もう一方の効用が減ることができます。

このような関係をトレードオフといいます。

選択肢2. ベンサム型の社会厚生関数は、公正性を重視した平等主義の考えに基づく。

適切ではありません。

ベンサム型では、個人ごとの効用の差よりも、社会全体の効用の合計を大きくすることを重視します。

そのため、所得や効用が一部の人に偏っていても、社会全体の効用の合計が大きければ、社会厚生が高いと判断されることがあります。

したがって、ベンサム型は「平等を最優先する考え方」とはいえません。

公正性や、最も恵まれていない人を重視する考え方は、むしろロールズ型の特徴です。

選択肢3. ロールズ型の社会厚生関数では、Bの所得が一定でも、Aの所得を増加させれば、社会厚生水準は高まる。

適切ではありません。

ロールズ型では、社会の中で最も効用が低い人の効用によって社会厚生が決まります。

この問題ではAが高所得者、Bが低所得者なので、同じ効用関数を持ち、所得が増えるほど効用が高まるとすれば、Bの効用のほうが低いと考えられます。

そのため、Bの所得が変わらず、Aの所得だけを増やしても、最も効用の低いBの状態は改善しません。

したがって、社会厚生水準も高まりません。

選択肢4. ロールズ型の社会厚生関数では、社会厚生が同水準であれば、2人の所得の合計は等しくなる。

適切ではありません。

ロールズ型で重要なのは、2人の所得の合計ではなく、最も効用が低い人の効用です。

例えば、Bの効用が同じであれば、Aの効用が多少変化しても、Bが最も効用の低い人である限り、社会厚生水準は変わりません。

そのため、同じ社会厚生水準であっても、Aの所得が違えば、2人の所得の合計は異なることがあります。

まとめ

ベンサム型では、AとBの効用を合計して社会厚生を考えます。

そのため、社会厚生を一定に保つなら、一方の効用が増えた分だけ、もう一方の効用を減らすことができ、両者はトレードオフの関係になります。

一方、ロールズ型では、最も効用が低い人の効用を重視します。

そのため、低所得者Bの効用が変わらないまま高所得者Aの効用だけが増えても、社会厚生は高まりません。

したがって、正しい選択肢は「ベンサム型の社会厚生関数では、一定の社会厚生水準の下でAの効用とBの効用はトレードオフの関係にある。」です。

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