中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問225 (中小企業経営・中小企業政策 問29(2))

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問225(中小企業経営・中小企業政策 問29(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業診断士のX氏は、商工会主催の経営セミナーで、参加者のY氏に対し経営革新計画について以下のとおり説明した。

X氏:「経営の向上を図るために新たな事業活動を行う経営革新計画の承認を受けることで、(株)日本政策金融公庫の特別貸付制度や信用保証の特例など多様な支援を受けることができる制度があります。該当する事業内容や経営目標を盛り込んだ経営革新計画を作成し、都道府県知事または国の承認を受けることが必要です。」
Y氏:「どのような経営目標を立てるのでしょうか。」
X氏:「経営目標としては、3年から5年の事業期間において(   )または従業員1人当たりの(   )が年率3.0%以上伸び、かつ給与支給総額が年率1.5%以上伸びる計画となっていることが求められます。」
Y氏:「詳しい内容を知りたいのですが、どこに相談すればよいですか。」
X氏:「まずは都道府県の経営革新計画担当課に相談してください。」
Y氏:「分かりました。どうも、ありがとうございました。」

会話の中の空欄(   )に入る語句として、最も適切なものはどれか。
  • 売上高
  • 営業利益
  • 設備投資額
  • 付加価値額

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この過去問の解説 (2件)

01

前問に続き「経営革新計画」の目標設定に関する知識を問うものです。

この問題を解くための必須知識

 

経営革新計画(中小企業等経営強化法に基づく制度)を理解する上で、最も重要なのが「何を目標にして頑張る計画なのか」という数値基準です。国や都道府県から承認を受けるためには、単に「売上を上げます」ではなく、以下の2つの指標を向上させることが必須要件となっています。

経営の向上を測る指標: 会社がどれだけ新たな価値を生み出したか。

従業員への還元: 給与の総額をしっかり増やしているか。

この問題は、その中でも「会社が創出した価値」を指す用語が何であるかを問う、基本かつ超重要問題です。

 

試験対策として、以下の表をそのまま暗記してください。

指標名目標値(年率)定義・ポイント
付加価値額3.0% 〜 5.0% 以上営業利益 + 人件費 + 減価償却費
給与支給総額1.5% 以上従業員の賃上げもセットで必要。

選択肢1. 売上高

誤り

 

経営革新計画では、単なる「売上の規模」ではなく、「効率的に利益や付加価値を生み出しているか」を重視します。

売上が伸びても利益が出ない計画では、経営が革新されたとはみなされません。

選択肢2. 営業利益

誤り

 

営業利益は「付加価値額」を構成する重要な要素の一つですが、これ単体では目標指標とはなりません。
ここでいう付加価値額は、「営業利益 + 人件費 + 減価償却費」の合計を指します。

 

選択肢3. 設備投資額

誤り

 

設備投資は経営革新を行うための「手段」であって、達成すべき「目標」ではありません。

選択肢4. 付加価値額

正解です

 

経営革新計画の承認基準として、「付加価値額」(または「従業員1人当たりの付加価値額」)を年率3.0%〜5.0%以上伸ばすことが法律で定められています。

ここでいう付加価値額は、「営業利益 + 人件費 + 減価償却費」の合計を指します。

まとめ

2026年度試験対策アドバイス

 

「付加価値額」の計算式まで押さえる:付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
 

なぜこの3つを足すのか(それぞれの理由)

人件費(労働による付加価値)

会社が価値を生み出す最大の源泉は「人間」です。

従業員が働くことで、ただの材料が製品に変わります。この「労働によって生み出された価値」を従業員に分配したものが人件費です。したがって、付加価値の主要な構成要素となります。

営業利益(事業活動による付加価値)

ビジネスそのものが成功した結果として残る「成果」です。

外部への支払いや人件費、諸経費をすべて差し引いた後に残る利益は、その事業活動そのものが生み出した純粋な「付加価値」の残り(=会社や株主への分配分)と言えます。

減価償却費(設備による付加価値)

ここが一番理解しにくいポイントですが、非常に重要です。

減価償却費は「お金が外に出ていかない費用」です。

会社が持っている機械や設備を使って製品を作ったとき、その設備は少しずつ消耗しますが、その「設備の貢献分」は売上の中に含まれて回収されます。

利益を計算する上では費用として引かれますが、「会社が自前の設備を使って生み出した価値」という視点で見れば、それは外部に支払ったものではなく、社内に留まる価値であるため、付加価値に含めます。

なぜこの計算が必要なのか

この3つを合計することで、「その会社が、ヒト(人件費)とモノ(減価償却費)を使って、どれだけ稼いだか(利益)」という、会社全体としての「稼ぐ力」を正しく評価できるようになります。

たとえば、機械化を進めて人件費を削り、利益を増やした場合でも、この式を使えば「会社全体が生み出した付加価値」が向上したかどうかを一貫して判断できるのです。

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02

前問に引き続き、経営革新計画に関する問題です。こちらは数値こそ外してきていますが、過去問題で繰り返し問われている内容であり15秒で解けます。過去問題をきちんと復習している方であれば、前問は対応できなくても本問は正答できるはずです。

 

経営目標としては、3年から5年の事業期間において付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額が年率3.0%以上伸び、かつ給与支給総額が年率1.5%以上伸びる計画となっていることが求められます。

 

選択肢1. 売上高

冒頭の解説より、空欄に入る最も適切な語句は付加価値額であるため不適切な選択肢となります。

選択肢2. 営業利益

冒頭の解説より、空欄に入る最も適切な語句は付加価値額であるため不適切な選択肢となります。

選択肢3. 設備投資額

冒頭の解説より、空欄に入る最も適切な語句は付加価値額であるため不適切な選択肢となります。

選択肢4. 付加価値額

冒頭の解説より、空欄に入る最も適切な語句は付加価値額であるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

求められる付加価値額の伸び率については、事業期間が3年から5年で以下のようになります。

 

事業期間3年:9%以上(年率3.0%以上×3年)

事業期間4年:12%以上(年率3.0%以上×4年)

事業期間5年:15%以上(年率3.0%以上×5年)

 

給与支給総額の伸び率については、事業期間の半分(事業期間3年の場合は4.5%)となります。

 

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