中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問216 (中小企業経営・中小企業政策 問24(1))

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問216(中小企業経営・中小企業政策 問24(1)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業向け賃上げ促進税制は、中小企業者等または個人事業主が一定の要件を満たした場合、( A )から税額を控除することができる制度である。
賃上げ要件の控除額は、前事業年度と比べて雇用者給与等支給額を1.5%以上増加させた場合には、控除対象雇用者給与等支給増加額の15%、雇用者給与等支給額を2.5%以上増加させた場合には、控除対象雇用者給与等支給増加額の( B )である。
それに加え、教育訓練費増加要件を満たしている場合には、税額控除率が10%上乗せとなる。また、子育てとの両立支援または女性活躍支援要件を満たすと、税額控除率が5%上乗せになる。

文中の下線部の「中小企業向け賃上げ促進税制」の対象となるものの正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  衣料品卸売業者(従業員数55人、資本金2億円の株式会社)
b  和菓子製造小売業者(従業員数9人、個人事業、確定申告は青色申告)
  • a:正  b:正
  • a:正  b:誤
  • a:誤  b:正
  • a:誤  b:誤

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この過去問の解説 (2件)

01

本問のテーマは「賃上げ促進税制」です。実務において、経営者から「お給料を上げたら税金が安くなるって本当?」と最も頻繁に聞かれる、診断士として必須の知識です。

この問題の最大の罠は、「中小企業基本法の定義」と「税法上の定義」が違うという点にあります。

「賃上げ促進税制」を一言で言うと、「従業員のお給料を増やした会社には、国がご褒美として、払うべき税金を安くしてあげるよ!」という制度です。現在、日本は物価高に負けないために「賃上げ」を国を挙げて応援しています。そのため、この制度は2024年度(令和6年度)の税制改正で大幅にパワーアップしました。

この問題を解く鍵は、「誰がこの『中小企業向け』の特典を使えるのか?」という参加資格を見極めることにあります。

用語の整理

解説の前に、まずは「中小企業向け賃上げ促進税制」の対象ルールを整理します。

・法人(会社)の場合

原則として、資本金の額が1億円以下の法人(中小企業者等)であること。

※従業員数は、この税制の「中小企業区分」の判定には直接関係しません(1,000人以下という緩い規定はありますが、資本金1億円超ならその時点で中小企業向けの特例は使えません)。

・個人事業主の場合

青色申告をしていること(白色申告は対象外)。

注意点

「中小企業基本法」では、卸売業なら「資本金1億円以下 または 従業員100人以下」であれば中小企業とされますが、税法(税額控除など)では「資本金1億円以下」という基準が絶対的です。

選択肢1. a:正  b:正

誤り

 

上述の通り、aの「資本金2億円」は中小企業向け税制の対象にはならないため、「a:正」としているこの選択肢は誤りです。

選択肢2. a:正  b:誤

誤り

 

aを正(対象)とし、bを誤(対象外)としています。実際にはaが対象外、bが対象であるため、正反対の評価となっています。

選択肢3. a:誤  b:正

正解です

 

すべて適切です。 「資本金1億円超の法人は中小企業向け税制の対象外(a:誤)」 「青色申告の個人事業主は対象(b:正)」 という、税法上の定義を正確に捉えています。

選択肢4. a:誤  b:誤

誤り

 

aが誤である点は正しいですが、bが「誤(対象外)」となっている点が適切ではありません。青色申告の個人事業主は立派な対象者です。

まとめ

中小企業診断士試験では、以下のような形で受験生を迷わせます。

 

「基本法の定義」を持ち出してくる 

「従業員数は基準内だけど、資本金が基準外」という法人を出し、「基本法では中小企業なんだから、税制でも中小企業だろう」と錯覚させるのが定番のパターンです。 「税金の計算(税額控除や損金算入)なら、とにかく資本金1億円以下かどうか!」と覚えておけば、この種のひっかけはすべて回避できます。

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02

中小企業向け賃上げ促進税制に関する問題です。あまり出題がなく、企業規模別で要件が異なるため暗記しづらいです。

 

下記資料に「青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。」と説明があり、企業規模に関わらず青色申告書を提出していることが要件となっていることは暗記しておきましょう。

 

ここから、解答群bの企業は対象となります。

 

出所:中小企業庁「中小企業向け賃上げ促進税制」(https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai/chinnagesokushinzeisei2024.pdf

 

解答群aの企業は、上記URL内の区分では資本金基準(資本金1億円以下)を満たしていません。

選択肢1. a:正  b:正

冒頭の解説より、最も適切な正誤の組み合わせは「a: b:正」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢2. a:正  b:誤

冒頭の解説より、最も適切な正誤の組み合わせは「a: b:」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢3. a:誤  b:正

冒頭の解説より、最も適切な正誤の組み合わせは「a:誤 b:正」であるため正解の選択肢となります。

選択肢4. a:誤  b:誤

冒頭の解説より、最も適切な正誤の組み合わせは「a:誤 b:」であるため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

中小企業向け賃上げ促進税制は令和4年度第19問に出題がありますが、令和4年度では本問与件文の後半2行部分が問われています。(資料内「上乗せ要件①」に該当します)

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