中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問214 (中小企業経営・中小企業政策 問23(1))

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問214(中小企業経営・中小企業政策 問23(1)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

食品卸売業(資本金1億円、従業員数30人)を経営するX氏は、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)に入ろうと、中小企業診断士Y氏に相談した。

X氏:「一昨年末に販売先が倒産しました。現在、破産手続きが進行中ですが、売掛金の全額回収は難しそうです。将来のこのような事態に備えるため、経営セーフティ共済に入ろうと思っているのですが、どのような制度ですか。」
Y氏:「経営セーフティ共済は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。掛金月額は5,000円から20万円の範囲内で、5,000円刻みで設定でき、掛金は会社などの法人の場合は税法上の損金、個人事業の場合は事業所得の必要経費に算入できます。取引先が倒産して売掛金や電子記録債権などの回収が困難となった場合、( A )」
X氏:「その他の借入れの条件は、どうなっていますか。」
Y氏:「共済金の借入れには( B )です。また、無利子ですが、( C )されることとなっています。償還期間は、借入額に応じて5年から7年、うち据置期間6カ月で毎月均等償還です。」
X氏:「制度のことがよく分かりました。加入を検討してみます。どうもありがとうございました。」

会話の中の空欄( A )に入る語句として、最も適切なものはどれか。
  • 回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円です。
  • 回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は1億2,000万円です。
  • 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は6,000万円です。
  • 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円です。
  • 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は1億2,000万円です。

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この過去問の解説 (2件)

01

今回の問題は、実務でも非常によく活用される「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」に関する重要問題です。

この制度は、取引先が倒産したという「もしも」の時に、自分たちも連鎖倒産しないよう守ってくれる「中小企業の守護神」のような存在です。

経営セーフティ共済は、名前の通り「経営をセーフティ(安全)」にするための共済です。 例えば、あなたがタコ焼き屋さんを経営していて、タコを大量に納品しているスーパーが倒産してしまったとします。「代金100万円がもらえない!これじゃ従業員のお給料が払えない!」という大ピンチの時に、この制度が助けてくれます。

この問題では、「実際にいくら借りられるのか?」という、制度の最も核心となる「数字」が問われています。


借制度の主な特徴と入ルール

・目的: 取引先の倒産により売掛金などの回収が困難になった際、資金を借り入れることで連鎖倒産を防ぐこと。

 

・借入限度額: 以下のいずれか少ない額が上限となります。

回収が困難になった金額(損した金額) または 積み立てた掛金総額の10倍

・借入の最高限度額: 8,000万円

・掛金の詳細:月額5,000円から20万円まで

・積立限度額:800万円まで

・税制優遇: 支払った掛金は全額経費(損金)に算入できます。

メリット: 借入れの際に、無利子、無担保、無保証人で利用できます。

 


 

選択肢1. 回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円です。

正解です

 

 覚えるポイントは「10倍」と「8,000万円」の2つです。

「10倍」のルール: あなたがコツコツ積み立てたお金の「10倍」まで貸してくれます。100万円積み立てていれば1,000万円まで借りられるチャンスがあるということです。

「いずれか少ない額」: 損した金額(回収困難額)または積立額の10倍 の、どちらか「小さい方」が上限になります

「8,000万円」の壁: いくら10倍といっても、上限は8,000万円と決まっています。

選択肢2. 回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は1億2,000万円です。

誤り

 

12,000万円(1億2,000万円)」という数字が出ていますが、これはこの制度の限度額ではありません。経営セーフティ共済のMAXは8,000万円です。 ※ちなみに、別の制度である「小規模企業共済」などの数字と混同させようとするひっかけ問題でよく使われる数字です。


 

選択肢3. 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は6,000万円です。

誤り

 

この選択肢には、「積み立てた掛金総額の10倍」という条件が抜けています。 この制度の最大の特徴は、「自分が頑張って積み立てた実績(掛金)に応じて、その10倍という大きなお金を無担保・無保証人で貸してくれる」という点にあります。単に「損した額を貸してくれる」わけではないので注意が必要です。


 

選択肢4. 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円です。

誤り

 

この選択肢には、「積み立てた掛金総額の10倍」という条件が抜けています。 この制度の最大の特徴は、「自分が頑張って積み立てた実績(掛金)に応じて、その10倍という大きなお金を無担保・無保証人で貸してくれる」という点にあります。単に「損した額を貸してくれる」わけではないので注意が必要です。

選択肢5. 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は1億2,000万円です。

誤り

 

この選択肢には、「積み立てた掛金総額の10倍」という条件が抜けています。 この制度の最大の特徴は、「自分が頑張って積み立てた実績(掛金)に応じて、その10倍という大きなお金を無担保・無保証人で貸してくれる」という点にあります。単に「損した額を貸してくれる」わけではないので注意が必要です。

まとめ

時事的な重要性(2026年度試験対策)

 

現在の日本で「物価高」や「人手不足」による倒産が増加傾向にあるため、連鎖倒産を防ぐこのセーフティネットの重要性が、今後ますます高まると予想されます。

参考になった数3

02

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)からの出題です。

 

出所:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度) 制度の概要」

https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/features/index.html

 

上記ページに、4つのポイントが挙げられています。

 

・無担保・無保証人で、掛金の10倍まで借入れ可能
共済金の借入れは、無担保・無保証人で受けられます。共済金貸付額の上限は「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額となります。

 

・取引先が倒産後、借入れできる
取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になったときは、その事業者との取引の確認が済み次第、借り入れることができます。

 

・掛金を損金、または必要経費に算入できる
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、増額・減額できます。また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できます。

 

・解約手当金が受けとれる

共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります(12か月未満は掛け捨てとなります)。

選択肢1. 回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円です。

冒頭の解説より、正解の選択肢となります。

選択肢2. 回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は1億2,000万円です。

冒頭の解説より、借入限度額は8,000万円のため不適切な選択肢となります。

選択肢3. 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は6,000万円です。

冒頭の解説より、回収困難額と積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円のため不適切な選択肢となります。

選択肢4. 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円です。

冒頭の解説より、回収困難額と積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできるため不適切な選択肢となります。

選択肢5. 回収困難額を借入れできます。ただし、借入限度額は1億2,000万円です。

冒頭の解説より、回収困難額と積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額を借入れできます。ただし、借入限度額は8,000万円のため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、令和4年度第23問、令和元年度第19問での出題があります。

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