中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問153 (経営法務 問17)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問153(経営法務 問17) (訂正依頼・報告はこちら)
- A、BおよびCが共同して甲土地を第三者に賃貸した場合、その賃貸借契約の解除は、A、BおよびCが全員で行う必要がある。
- Aが甲土地の自己の持分をBおよびC以外の第三者に譲渡するためには、BおよびCの同意を得る必要がある。
- Aが甲土地の自己の持分を放棄した場合、その持分は国庫に帰属する。
- Aは、甲土地を不法に占有している第三者に対し、単独で甲土地全部の明渡しを請求することができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
民法の「共有」に関する知識がポイントです。
民法の対策が十分にできていない場合、難しく感じる設問です。
しかし、法律の条文を覚えていなくてもあきらめず、一般的な感覚でまずはあたりをつけてみましょう。
対策が不十分でも、文章の雰囲気などから、ある程度までは選択肢を絞り込めるはずです。
民法第252条に、「共有物の管理」として、「共有物の管理に関する事項は、・・・各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。」との規定があります。
賃貸借契約の解除行為は、「共有物の管理」に該当します。
したがって、過半数の同意があれば足りるため、必ずしも「全員」で行う必要はありません。この場合、過半数の2人がいれば足りることになりますので、この選択肢は誤りです。
一見すると、3人で均等にする感じだからなんとなく正しそうに思えますが、本番でこのような文章にあたった場合、なんとなく正解かなと思いつつも、他の選択肢もしっかり検討しましょう。
民法第249条に、「共有物の使用」として、「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」との規定があります。
したがって、Aが自己の持分を譲渡(使用)するために、他の同意を得る必要はなく、単独でできますので、この選択肢は誤りです。
一般的な感覚からしても、自分の持分なのだから好きにしても良さそうなので、なんとなく誤りな文章な直感も働きます。
民法第255条に、「持分の放棄及び共有者の死亡」として、「共有者の1人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」との規定があります。
したがって、Aが自己の持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属するものであり、国庫に帰属するわけではないので、この選択肢は誤りです。
一般的な感覚からしても、いきなり国庫に入るというのはなんとなく突飛な雰囲気なので誤っていそうな直感が働きます。
民法第252条に、「保存行為は、各共有者がすることができる。」との規定があります。
土地を不法占有している第三者に対する明渡し請求は、土地の保存行為に該当しますので、Aは単独でこれをすることができます。
したがって、この選択肢は正しいです。
一般的な感覚からしても、不法占有のような緊急事態の場合は単独でも明渡し請求できそうなので、正解のような直感も働きます。
法律の考え方として、なるべく権利者の利益を守ろうという意識がある、ということを念頭においておきましょう。
不法占有しているような第三者に対して、共有者全員がそろわないと権利行使できないというのは、権利者にとって酷です。
そのような場合は単独で権利行使できる、と考えれば、なんとなく正答を絞り込めるかもしれません。
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02
共有に関する問題です。
各選択肢で問われているように、共有には他の権利者との(権利の)シェアと、自身で単独の権利を保有しているという性格があります。その区別ができれば、それほど複雑な論点ではありません。
不動産を他者と共有している場合、共有者の過半数の同意が必要なため不適切な選択肢となります。(全員の同意までは必要としません)
自己の持分に関する意思決定は単独で行なうことができ、他者の同意を必要としないため不適切な選択肢となります。
Aが甲土地の自己の持分を放棄した場合、その持分は他の共有者(本問ではBとC)に帰属するため不適切な選択肢となります。
Aは、甲土地を不法に占有している第三者に対し、単独で甲土地全部の明渡しを請求することができるため正解の選択肢となります。
※もし、他の共有者のBとCが不法占有者の第三者に対して何もアクションを起こさない場合、第三者の不法行為を黙認していると受け取られかねない(共有者のAにも悪影響が及ぶ)ため、Aは自身の権利を守るために単独で権利を主張することができます。
【補足】
本問は「民法」の共有ですが、産業財産権における「共有」の問題はよく出題されます。
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