中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問151 (経営法務 問15)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問151(経営法務 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

以下の会話は、メーカーであるX株式会社(以下「X社」という。)の広報部長の甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄( A )と( B )に入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
なお、著作権法第27条および第28条の規定は次のとおりである。
第27条  著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
第28条  二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

甲氏:「弊社のパンフレットに載せるイラストをイラストレーターにお願いしようと思っています。そこでお伺いしたいのですが、イラストレーターには対価をお支払いするので、「対価の完済により、イラストという著作物の著作権はX社に移転する」と定めておけば、著作権はすべて弊社に移転すると考えてよろしいですね。」
あなた:「( A )。」
・・・中略・・・
甲氏:「もう1つ質問があります。弊社でイラストを手直しする可能性があるのですが、著作者人格権は移転できますか。」
あなた:「( B )。
・・・中略・・・弁護士さんをご紹介しますので、詳しくはその方にお尋ねになってください。」
  • A:いいえ。著作権法第27条または第28条に規定する権利は、譲渡の目的として特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます  B:いいえ。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができません
  • A:いいえ。著作権法第27条または第28条に規定する権利は、譲渡の目的として特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます  B:はい。著作者人格権を移転することはできます
  • A:はい。おっしゃるとおりです。著作権はすべて対価を支払った者に自動的に移転します  B:いいえ。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができません
  • A:はい。おっしゃるとおりです。著作権はすべて対価を支払った者に自動的に移転します  B:はい。著作者人格権を移転することはできます

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

まず、選択肢に入る前に、問題文から次のような直感が働きます。

・「A」の直前の甲氏の言い方がちょっと雑だな

・「人格権」は普通「移転」できないでしょう

というわけで、なんとなく答えは両方とも「いいえ」になるのではないか、という推測を立てつつも、各選択肢を検討します。

 

なお、ポイントとなる知識として、著作権法第61条第2項に、「著作権を譲渡する契約において、第27条又は第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。」との規定があります。

また、著作権法第59条に、「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」との規定があります。

選択肢1. A:いいえ。著作権法第27条または第28条に規定する権利は、譲渡の目的として特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます  B:いいえ。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができません

上記より、AもBも正しい発言です。

選択肢2. A:いいえ。著作権法第27条または第28条に規定する権利は、譲渡の目的として特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます  B:はい。著作者人格権を移転することはできます

上記のとおり、Aは正しい発言です。

一方、著作者人格権は「一身に専属し、譲渡することができない」ので、移転することはできず、Bは誤った発言です。

選択肢3. A:はい。おっしゃるとおりです。著作権はすべて対価を支払った者に自動的に移転します  B:いいえ。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができません

上記のとおり、Aは誤った発言です。対価を払えば自動的に移転する、という発言の少々粗い発言からも、なんとなく誤った回答であるような推測も成り立ちます。

上記のとおり、Bは正しい発言です。

選択肢4. A:はい。おっしゃるとおりです。著作権はすべて対価を支払った者に自動的に移転します  B:はい。著作者人格権を移転することはできます

上記のとおり、AもBも誤りです。

まとめ

正しい条文の知識があればすぐ解けますが、わからない場合でも、文章の雰囲気から感じ取れる直感で、どうにか選択肢を絞り込みましょう。

参考になった数9

02

本問も、経営法務特有の会話形式の問題です。本問では著作権の知識が問われていますが、空欄の直前の文章だけを読めば対応できます。空欄Bから正誤判断すると、選択肢を絞り込みやすいです。

 

・著作権の移転(空欄A)

原則として著作権は移転できます

ただし、著作権法第27条および第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡人に留保されたものと推定されます。(移転することはできません)

 

そのため、特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます。

 

・著作者人格権の移転(空欄B)

一身専属: 著作者にのみ属するものであり、譲渡や相続はできません。(著作者人格権は、著作者が死亡した時点で消滅します)

選択肢1. A:いいえ。著作権法第27条または第28条に規定する権利は、譲渡の目的として特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます  B:いいえ。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができません

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「A:いいえ。特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます B:いいえ。著作者人格権は譲渡することができません」であるため正解の選択肢となります。

選択肢2. A:いいえ。著作権法第27条または第28条に規定する権利は、譲渡の目的として特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます  B:はい。著作者人格権を移転することはできます

冒頭の解説より、「B:いいえ。著作者人格権は譲渡することができません」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢3. A:はい。おっしゃるとおりです。著作権はすべて対価を支払った者に自動的に移転します  B:いいえ。著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができません

冒頭の解説より、「A:いいえ。特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢4. A:はい。おっしゃるとおりです。著作権はすべて対価を支払った者に自動的に移転します  B:はい。著作者人格権を移転することはできます

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「A:いいえ。特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保したものと推定されます B:いいえ。著作者人格権は譲渡することができません」であるため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

空欄Aはやや混み入った「特掲」の論点が問われていますが、空欄Bの著作者人格権は過去問題でも繰り返し問われている基本的な知識で対応できます。

参考になった数4