中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問149 (経営法務 問13)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問149(経営法務 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
- 意匠の保護は、当該意匠の実施をしないことにより失われる旨が、パリ条約に規定されている。
- 実用新案登録出願に基づいて優先権を主張して意匠登録出願をすることは、パリ条約では認められていない。
- 特許には、輸入特許、改良特許、追加特許などの同盟国の法令によって認められる各種の特許が含まれる旨が、パリ条約に規定されている。
- パリ条約は、工業所有権の保護の対象として商号を挙げていない。
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この過去問の解説 (2件)
01
パリ条約に関する問題です。
パリ条約とは、端的には工業所有権(特許・商標・意匠など)をパリ条約の加盟国同士で国際的に保護し合うものです。「内国民待遇の原則」「優先権制度」「各国工業所有権独立の原則」の3大原則がポイントですが、本問はやや詳細な内容が問われています。
・内国民待遇の原則
パリ条約に加盟する他国の国民と自国民は、対等に権利を保証されます。また、パリ条約に加盟していない他国の国民であっても、同盟国の領域内に住所や営業所を有する場合は同盟国の国民とみなされます。
・優先権制度
加盟国が、他の加盟国のどこか1国に特許や実用新案、意匠、あるいは商標を正規に出願すれば、他の加盟国に対して優先権を有する制度です。(最初の出願日を基準に、特許と実用新案については12ヵ月、意匠と商標については6ヵ月)
・各国工業所有権独立の原則
他国での工業所有権の審査は、各加盟国が独自に判断します。(自国の審査とは別扱い)
意匠の保護は、当該意匠の実施をしないことにより失われない旨がパリ条約に規定されているため不適切な選択肢となります。
冒頭の解説の優先権制度にあるように、実用新案登録出願に基づいて優先権を主張して意匠登録出願をすることはパリ条約で認められているため不適切な選択肢となります。
本選択肢の記述ははパリ条約第1条に規定されており、正解の選択肢となります。(条文番号まで覚える必要はありません)
※本選択肢ではやや詳細な内容が問われていますが、消去法で絞り込むことができれば望ましいです。
本選択肢は、令和6年度の解説を参考にしてください。過去問題での復習ができていれば、対応できる内容です。
https://chushoks.kakomonn.com/questions/78235
パリ条約では工業所有権の保護対象を特許、実用新案、意匠、商標、サービス・マーク、商号、原産地表示又は原産地名称及び不正競争の防止としており不適切な選択肢となります。
【補足】
一部の選択肢でも解説していますが、パリ条約は令和6年度にも出題されています。(第16問)
他の国際条約との組み合わせ問題として令和5年度の再試験と令和4年度でも出題されており、国際条約の中ではパリ条約の出題頻度は非常に高いです。
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02
本問は、知的財産権の国際的な基本ルールである「パリ条約」に関する出題です。
パリ条約は1883年に成立した非常に歴史のある条約で、現代の知的財産保護の礎となっています。本問では「三大原則」を中心に、細かな規定が問われています。
パリ条約の必須知識
パリ条約を理解するためには、以下の「三大原則」を核として、各権利(特許、意匠、商標など)にどう適用されるかを整理する必要があります。
①内国民待遇の原則: 同盟国の国民に対し、自国民と同じ保護を与えなければならない(差別禁止)。
②優先権制度: 自国で出願してから一定期間内(特許・実用新案は1年、意匠・商標は6カ月)に他国へ出願すれば、出願日を最初の国のものとみなす制度。
③各国の特許独立の原則: ある国で特許が取れた(または拒絶された)としても、他国での審査結果には影響を与えない。
これに加えて、「商号(トレードネーム)」の保護や、不実施による権利消滅の制限など、実務的なルールが規定されています。
誤り
意匠の実施義務と不実施による失効についてですがパリ条約第5条Bの規定に反します。
パリ条約では、意匠(デザイン)の保護について「当該意匠を実施しないこと」を理由として、その保護が失われることはないと明記されています。特許には不実施に対する強制実施権のルールがありますが、意匠にはその制限がないという点が特徴です。
誤り
実用新案に基づく意匠出願の優先権パリ条約第4条E(1)において認められています。
条文では「実用新案の出願に基づく優先権を主張して意匠登録出願をすることができる」と規定されています。この場合、優先期間は「意匠」のルールである6カ月が適用されます。
正解です
特許に含まれる各種の形式についての説明でありパリ条約第1条(4)の規定通りです。
条文には「特許には、輸入特許、改良特許、追加特許等、同盟国の法令によって認められる各種の特許が含まれる」旨が記されています。
国によって特許の呼び名や形式は様々ですが、パリ条約はその多様性を認めた上で、広く保護の対象としています。
誤り
保護の対象としての「商号」についてはパリ条約第1条(2)および第8条の規定によります。
パリ条約は、工業所有権の保護対象として「商号(商売上の名前)」を明確に挙げています。
さらに第8条では、商号は登録の有無にかかわらず、すべての同盟国で保護されるべきとしています。
パリ条約の「優先期間」まとめ
この数字は非常に間違いやすいため、セットで覚えてください。
2026年度試験対策アドバイス
「商号」の特殊な扱い: パリ条約において、商号は「登録なしでも保護」という非常に手厚い扱いを受けています。商標法(登録主義)との違いとして狙われやすいポイントです。マドリッド協定(商標の国際登録)との違いも押さえておきましょう。
他の国際条約との比較: 2026年度に向けては、パリ条約の不備を補うために作られた「TRIPS協定(著作権も含めたより厳しいルールであり世界共通の最低限のルールを定めています)」や、手続きを一本化する「PCT(特許協力条約)」との役割分担を整理しておくと、得点力が安定します。
内国民待遇の「例外」に注意: 原則は平等ですが、手続き上の住所(裁判籍)や代理人の選任など、一部の事務的な手続きについては、自国民と異なる制限を設けることが許されています。
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