中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問147 (経営法務 問11)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問147(経営法務 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、選択肢における「特定商品等表示」とは、人の業務に係る氏名、商号、商標、標章その他の商品又は役務を表示するものをいう。
  • 営業秘密を保有する事業者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、その営業秘密を使用する行為は不正競争に該当する旨が、不正競争防止法に規定されている。
  • 他人の著名な商品等表示と同一又は類似のものを使用する行為が、不正競争防止法第2条第1項第2号に規定する、いわゆる「著名表示冒用行為」と認定されるには、他人の商品又は営業と混同を生じさせることが要件となる。
  • 不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する「商品等表示」には、商標法第2条第1項に規定する「商標」が含まれるが、ここでいう「商標」には役務商標は含まれない。
  • 不正の利益を得る目的で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を使用する権利を取得する行為は、当該特定商品等表示が周知である場合に限り不正競争を構成することが、不正競争防止法に規定されている。

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この過去問の解説 (2件)

01

本問は、不正競争防止法の全体像と主要な類型を問う良問です。

この法律は、特許権などのように「登録」を必要とせず、一定の不正な行為を差し止める強力な武器となります。混乱しやすい「周知・著名」の区別を中心に解説します。

 

問題を解くための必須知識

不正競争防止法を攻略するための核となるのは、以下の「3つの大きな柱」を整理することです。

商品等表示(ブランド保護) 「周知(有名)」なものと「著名(超有名)」なもので、ルールがどう違うか。

営業秘密 「秘密管理性」「有用性」「非公知性」の3要件を満たし、不正に取得・使用された場合の保護。

デジタル・ドメイン名 ネット上のドメイン名の不当取得や、コピーガード破りなどの現代的課題。

この問題では、これらの柱を支える「条文の正確な定義」が問われています。

選択肢1. 営業秘密を保有する事業者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、その営業秘密を使用する行為は不正競争に該当する旨が、不正競争防止法に規定されている。

正解です

 

営業秘密の不正使用についての説明であり不正競争防止法の規定そのものです。

 

営業秘密を保有する事業者から、正当に示された(教わった)場合であっても、その後「不正の利益を得る目的」や「損害を加える目的」でその秘密を使用したり、他人に漏らしたりする行為は「不正競争」に該当します。

「最初は正当に示された」としても、その後の使い道(目的)が悪ければアウトになるという点が重要です。

選択肢2. 他人の著名な商品等表示と同一又は類似のものを使用する行為が、不正競争防止法第2条第1項第2号に規定する、いわゆる「著名表示冒用行為」と認定されるには、他人の商品又は営業と混同を生じさせることが要件となる。

誤り

 

著名表示冒用行為では、他人の商品や営業と「混同」させることは要件ではありません。

周知表示混同惹起行為(1号): 「有名」なレベル。自分の商品と間違わせる(混同)ことが必要。

著名表示冒用行為(2号): 「誰でも知っている超有名」なレベル。混同しなくても、そのブランドにタダ乗り(フリーライド)したり、イメージを汚したりするだけで禁止されます。

「著名」な場合は、混同の有無に関わらず保護されるという保護レベルの差を覚えましょう。

選択肢3. 不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する「商品等表示」には、商標法第2条第1項に規定する「商標」が含まれるが、ここでいう「商標」には役務商標は含まれない。

誤り

 

「商品等表示」に含まれる商標の範囲について問われています。

不正競争防止法における「商品等表示」には、役務商標(サービスマーク)も当然含まれます。

条文の定義には「商品の販売又は役務の提供に係る者の業務を表示するもの」と明記されており、

物(商品)だけでなく、サービス(役務)を区別するためのマークも平等に保護の対象となります。

選択肢4. 不正の利益を得る目的で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を使用する権利を取得する行為は、当該特定商品等表示が周知である場合に限り不正競争を構成することが、不正競争防止法に規定されている。

誤り

 

ドメイン名の不当取得と「周知性」について問われています。

結論から言うとドメイン名に関する不正競争には、相手の表示が「周知(有名)」であることまでは求められていません

「不正の利益を得る目的」などで、他人の特定の商品・サービス名と同一・類似のドメイン名を取得・使用する行為禁止されています。
 

周知・著名であることを要件とするのは「1号・2号」のブランド保護規定です。ドメイン名「ネット上の嫌がらせや転売目的」を規制する13号には、その限定はありません。この法律は、他人の商品やサービスと混同させる目的、または他人に損害を与える目的でドメイン名を取得・使用する行為を「不正競争」として規制するものです。 
不正の利益を得る目的:とは他人の著名なブランドや商標と同じ、または類似のドメイン名を取得し、それを権利者へ高値で転売しようとする行為(いわゆる「サイバースクワッティング」)。

他人に損害を加える目的:とは競合他社や特定の個人・団体への嫌がらせを目的として、関連するドメイン名を不正に取得・使用する行為。のことを指します。 

まとめ

解説のまとめと2026年度試験対策のアドバイス

 

不正競争防止法の「ブランド保護」比較表

類型保護のレベル混同の要件条文
周知表示混同惹起周知(ある程度有名)必要2条1項1号
著名表示冒用著名(全国的に超有名)不要2条1項2号
ドメイン名不正取得特定の表示不要(目的を重視)2条1項13号

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02

不正競争防止法に関する問題です。

選択肢1. 営業秘密を保有する事業者からその営業秘密を示された場合において、不正の利益を得る目的で、その営業秘密を使用する行為は不正競争に該当する旨が、不正競争防止法に規定されている。

本選択肢は、営業秘密の定義そのものであり正解の選択肢となります。

 

※本選択肢は、営業秘密の「有用性」に該当します。(不正の利益を得る=事業活動において役立つ) 昨今では、これまでの職場で得られた顧客データを持ち出して転職先の営業活動に用いるなどの事例が度々報道されています。

選択肢2. 他人の著名な商品等表示と同一又は類似のものを使用する行為が、不正競争防止法第2条第1項第2号に規定する、いわゆる「著名表示冒用行為」と認定されるには、他人の商品又は営業と混同を生じさせることが要件となる。

「著名表示冒用行為」とは、世間一般に広く知られている商品名・ブランド名・ロゴ・キャラクターなどの表示を無断で自分の商品や営業に使用して利益を得ようとする行為です。

 

世間一般に広く知られているため、混同を生じさせることは要件ではなく不適切な選択肢となります。(混同するまでもなく、無断使用していることが分かります)

選択肢3. 不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する「商品等表示」には、商標法第2条第1項に規定する「商標」が含まれるが、ここでいう「商標」には役務商標は含まれない。

「商標」とは、ロゴ・キャッチコピー・CMソングなどのことです。

 

商標のうち、役務商標とはモノがある商品ではなくサービス(役務)に対して使用される商標のことであり、不正競争防止法で規定する「商品等表示」には役務商標も含まれるため不適切な選択肢となります。

選択肢4. 不正の利益を得る目的で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を使用する権利を取得する行為は、当該特定商品等表示が周知である場合に限り不正競争を構成することが、不正競争防止法に規定されている。

不正の利益を得る目的で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を使用する権利を取得する行為は、当該特定商品等表示が自他識別機能又は出所識別機能を備えている場合に不正競争を構成することが、不正競争防止法に規定されているため不適切な選択肢となります。

 

※「周知性」または「著名性」を有することまでは求められていません。

まとめ

【補足】

 

営業秘密の3要件である「秘密管理性」「有用性」「非公知性」はよく出題されます。(3要件のうちの1つを入れ替えて、誤りの選択肢を作るなど)

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