中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問137 (経営法務 問2)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問137(経営法務 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

取締役会に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、特別取締役の定めはないものとする。
  • 代表取締役および業務執行取締役は、3カ月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告しなければならないが、定款の定めがあれば、取締役全員への書面による通知により、その報告を省略することができる。
  • 取締役会の決議の定足数は、当該決議について特別の利害関係があり議決に加わることができない取締役の人数を除いて計算することができる。
  • 取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、その通知を発しなければならず、この通知期間は、定款の定めによっても短縮することはできない。
  • 取締役が現実に開催される予定の取締役会に出席できない場合、その取締役は、事前に他の取締役に対して委任状を発行することにより、当該取締役会において議決権を行使することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くための必須知識

 

この問題を解くためには、取締役会の「合議体(メンバーが話し合って決める場)」としての性質を理解する必要があります。

職務執行の監督: 取締役会は、代表取締役が正しく仕事をしているかチェックする場所です。そのため、「報告をサボること」は厳しく制限されています。

決議の有効性(定足数): 全員が集まらなくても決議はできますが、「誰をカウントに含めるか」という計算ルールがあります。

代理出席の不可: 株主総会と決定的に違うのは、取締役はプロとして「自分の判断」を期待されて選ばれているため、他人に「代わりに投票して」と頼む(委任状を出す)ことはできません。

 

株主総会との「引っかけ」ポイント

試験では、以下の違いが非常によく狙われます。

項目株主総会取締役会
特別利害関係者議決権を行使できる(原則)議決権を行使できない
代理人による行使委任状で出席・投票が可能不可(本人が出席必須)
報告の省略全員同意があれば可能定期報告(3カ月に1回)のみ不可

選択肢1. 代表取締役および業務執行取締役は、3カ月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告しなければならないが、定款の定めがあれば、取締役全員への書面による通知により、その報告を省略することができる。

誤り

 

3カ月に1回以上の報告義務は、「報告の省略」の対象外です。

取締役会への報告事項は、原則として取締役全員に通知すれば報告したとみなすことができますが、この「定期的な状況報告」だけは、取締役会で直接(またはテレビ会議等で)行わなければなりません。これは、代表取締役の暴走を防ぎ、相互監視を実質化するためです。

選択肢2. 取締役会の決議の定足数は、当該決議について特別の利害関係があり議決に加わることができない取締役の人数を除いて計算することができる。

正解です

 

決議に参加できる取締役(特別利害関係者を除いた人数)の過半数が出席し、その過半数で決議するのが基本です。

したがって、利益相反などで「そもそも議決に加われない人」は、定足数(分母)からも除外して計算します。

選択肢3. 取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、その通知を発しなければならず、この通知期間は、定款の定めによっても短縮することはできない。

誤り

 

定款で定めれば1週間より短縮することが可能です。

株主総会よりも取締役会の方が、迅速な意思決定が求められるため、短縮の自由度が認められています。

選択肢4. 取締役が現実に開催される予定の取締役会に出席できない場合、その取締役は、事前に他の取締役に対して委任状を発行することにより、当該取締役会において議決権を行使することができる。

誤り

 

取締役会における代理投票(委任状投票)は認められていません。

取締役は株主から信託を受け、善管注意義務を負っています。その場での議論を聞いて判断を下す必要があるため、白紙委任のような形で他人に判断を委ねることはできません。

まとめ

2026年度試験対策アドバイス

 

「報告の省略」ができないのは「3カ月に1回の報告」だけ、という点は超重要ポイントです。

 

計算問題への備え: 今回のような「定足数の計算」は、具体的な人数(例:取締役5人中、2人が特別利害関係者の場合、何人出席で決議できるか?)という事例問題で出ることもあります。分母から引くことを忘れないでください。

 

「特別取締役」の有無をチェック: 問題文の冒頭に「特別取締役の定めはないものとする」とありました。

もしこの制度がある場合、重要な財産の処分などを少人数の取締役で即決できるようになります。

2026年度に向けては、この「特別取締役」の要件(取締役6人以上、うち社外1人以上)もセットで確認しておきましょう。

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02

取締役会に関する問題です。

 

本問の与件文に「特別取締役の定めはない」という記述があることを、見落とさないように注意してください。(本問では、正答に影響します)

 

 

選択肢1. 代表取締役および業務執行取締役は、3カ月に1回以上、職務執行の状況を取締役会に報告しなければならないが、定款の定めがあれば、取締役全員への書面による通知により、その報告を省略することができる。

代表取締役および業務執行取締役には、職務執行の状況を取締役会に報告する義務があります。これは、取締役全員への書面による通知により報告を省略することはできないため不適切な選択肢となります。

選択肢2. 取締役会の決議の定足数は、当該決議について特別の利害関係があり議決に加わることができない取締役の人数を除いて計算することができる。

特別の利害関係があり議決に加わることができない取締役」とは、特別取締役のことです。

 

特別取締役は、該当する決議について特別の利害関係があるため議決に加わることができません。したがって、取締役会の決議の定足数は特別取締役の人数を除いて計算することができるため正解の選択肢となります。

選択肢3. 取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、その通知を発しなければならず、この通知期間は、定款の定めによっても短縮することはできない。

取締役会招集通知は、定款で定めることにより取締役会の日の1週間前よりも短縮することができるため不適切な選択肢となります。

 

※過去問題でも、よく問われている論点です。

選択肢4. 取締役が現実に開催される予定の取締役会に出席できない場合、その取締役は、事前に他の取締役に対して委任状を発行することにより、当該取締役会において議決権を行使することができる。

取締役会では、他の取締役に対して委任状を発行することにより、当該取締役会において他の取締役が議決権を行使することはできないため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

本問では問われていませんが、取締役会は3名以上の取締役で構成されます。また、3名以上の取締役がいる場合でも取締役会の設置は義務ではありませんが、取締役会を設置した場合は代表取締役を選定する義務があります。(併せて暗記しておきましょう)

 

取締役会も出題頻度が高いです。また、任期など「数字」が問われることもあります。

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