中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問135 (運営管理 問41)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問135(運営管理 問41) (訂正依頼・報告はこちら)
- 改善措置の設定
- 危害要因分析の実施
- 記録と保存方法の設定
- 重要管理点(CCP)の決定
- モニタリング方法の設定
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この過去問の解説 (1件)
01
HACCP(ハサップ)は、宇宙食の安全を守るために生まれた衛生管理の手法ですが、要は「勘と経験」ではなく「科学とデータ」で食中毒を防ごうというルール(食品衛生法で義務化)です。
7つの原則(手順)があり、順番と手順ごとのポイントを正確に押さえておく必要があります。
● HACCPの7原則(危険防止の7ステップ)
敵(食中毒菌など)を倒すための作戦手順だと思ってください。覚え方:【作戦】→【現場】→【証拠】の3段構え
HACCPは、「作戦を立てる」→「現場で戦う」→「結果を残す」という自然な流れになっています。 この3つのブロックで区切ると、理解しやすいでしょう。以下①~⑦の数字は手順番号です。
1. 【作戦ブロック】(机の上で決めること)
戦う前に、会議室で作戦を立て基準(ルール)を決めます。
① 危害要因分析(HA):まず、敵を知る。(何が危ない?)
② 重要管理点(CCP):やっつける場所を決める。(どこで食い止める?)
③ 管理基準(CL):やっつけ方の基準を決めます。(何度で何分?)
★「敵(①)」がわからないと「戦う場所(②)」が決まらない。 「戦う場所(②)」が決まらないと、具体的な「倒し方(③)」は決められないでしょう。
2. 【現場ブロック】(キッチンでやること)
キッチンに立ち決めた作戦を実行します。
④ モニタリング:見張る。(温度計を見る)
⑤ 改善措置:ミスしたら対策する(温度不足なら焼き直す、捨てる)
★「見張って(④)」いないと、ミスに気づけないから「直す(⑤)」こともできない。 ですから絶対に モニタリング → 改善 の順番です。
3. 【証拠ブロック】(仕事のあとにやること)
すべて終わった後の「締め」作業です。
⑥ 検証:機械やルールどおり行われていたかを確認する。(温度計は壊れてなかった?)
⑦ 記録:日報に残す。(将来の証拠にする)
★検証(⑥)も終わって、全てOKとわかって初めて、正式な「記録(⑦)」として保存できます。 「記録は最後」と覚えればOKです。
設問文中の「最初に行うべき手順」とは手順1を指します。
「改善措置」は、モニタリングしてもダメだった時(事故が起きた時)にどうするか、という「後始末」についてのルールです。
これは原則5(5番目)の手順なので、最初ではありません。まだ敵もわかっていないのに、対策は立てられませんよね → したがって✕です
〇 正解です。
何をおいても、まずは「何が危険なのか?(敵の正体)」を知らないと何も始まりません。 「ハンバーグの中にO-157がいるかもしれない」「野菜に虫がついているかもしれない」という「危害要因(ハザード)の分析」が、HACCPのスタート地点(原則1)です
「記録と保存」は、すべての活動の最後(証拠残し)に行うものです。
原則7(7番目)の手順です。何も始まってない段階での日報は意味をなしません → ✕
「重要管理点(CCP)」は、「ここが勝負どころだ!」という工程のことです。 でも、勝負どころを決めるには、その前に「どこに敵がいるか(危害要因分析)」が終わっていないと決められません。 分析(原則1)→ 場所決定(原則2)の流れなので、これは2番目です 。したがって ✕
「モニタリング」は、決めた基準通りに作業しているか「監視・測定」することです。 これは原則4(4番目)。
基準(ルール)が決まっていないのに、監視してもあまり意味がありません。したがって×です。
HACCPの法的位置づけ
2021年(令和3年)6月から食品衛生法という法律で完全義務化されました。
対象は 日本の「すべての食品事業者」です。 大手食品メーカーだけでなく、街のラーメン屋さん、パン屋さん、スーパーのバックヤードまで、食品を扱う事業者は例外なく対象です。
対象者は「HACCPの考え方に沿った衛生管理」を毎日実施・記録することが義務づけられています。
保健所の立ち入り検査で「HACCPの記録見せてください」と言われた時に、「やってません」だと指導・処分の対象になります。
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