中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問130 (運営管理 問37)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問130(運営管理 問37) (訂正依頼・報告はこちら)

物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ASNは、荷受側がSCMラベルの情報をもとに作成する情報である。
  • DPSは摘み取り方式ピッキングで利用され、DASは種まき方式ピッキングで利用される機器である。
  • トラック予約受付システムは、トラックが特定の時間帯に集中して到着するように到着時間を調整するために利用されている。
  • パレタイザは、パレットから貨物を取り卸すマテハン機器である。
  • 物流ABCは、自社が管理不可能な物流コストを詳細に算出する方法である。

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この過去問の解説 (2件)

01

各用語の説明 物流センター運営の用語は、アルファベット3文字の略語やカタカナが多くて混乱しやすいですが、それぞれの「役割」と「対比」をイメージできれば簡単に解けます。難しく考えず、何をするためのものか、そのポイントを掴みましょう。

 

ASN(Advanced Shipping Notice)

日本語では「事前出荷情報」。 荷物を「送る側(出荷側)」が、「受け取る側(荷受け側)」に対して、「今からこの商品を何個送るよ!」と事前に送るデータのこと。 これがあると、受け取る側は「何が何個来るか」が事前にわかるので、検品が迅速になります。出荷側からは納品予定情報であり、荷受け側では入荷予定情報となります。

 

DPS(Digital Picking System)と DAS(Digital Assort System)

どちらもデジタル表示器(ランプ)を使ったピッキング支援システム。アルファベット3文字の真ん中PとAの違いに注意しましょう。

DPS(ピッキング):商品が収められている棚のランプが光り、そこから商品を「取り出す」。 →(摘み取り方式

DAS(アソ-ト):手元の商品のバーコードを読むと、仕分け先の箱のランプが光り、そこに「入れる」。 → (種まき方式

 

トラック予約受付システム 

トラックの到着時間を事前に予約・調整するシステム。 特定の時間にトラックが集中してトラックの「待ち時間(待機時間)」が発生するのを防ぐために導入されます。

 

パレタイザ と デパレタイザ

パレタイザ:荷物をパレットに「積み付ける」機械。

デパレタイザ:荷物をパレットから「降ろす」機械(デ=De=分離・除去)。

 

物流ABC(Activity Based Costing) 

「活動基準原価計算」。 物流コストを「梱包」「ピッキング」などの「活動(アクティビティ)」ごとに計算する手法。 「どの作業にいくらかかっているか」を見える化して、無駄を削る(管理する)ために用います。

選択肢1. ASNは、荷受側がSCMラベルの情報をもとに作成する情報である。

ASN(事前出荷情報)のイメージは、出荷する側が「これから送りますよ」と事前に送るお知らせデータです。 

選択肢は、 「荷受側が~作成する情報」 となっており、データの作成者(方向)が逆です。 

正しくは「出荷側」が作成して「荷受側」に送信します。 →したがって ✕

選択肢2. DPSは摘み取り方式ピッキングで利用され、DASは種まき方式ピッキングで利用される機器である。

DPSとDASの定義そのままの記述です。=正解〇 になります。

摘み取り方式」と「種まき方式」 の違いは試験でもよく問われ、イメージも湧きにくいセットです。

 

DPS(Pick)=棚から取る=「摘み取り方式

DAS(Assort)=方面別に配る=「種まき方式」 

 

「Pickは取る(摘む)、Assortは配る(撒く)」のイメージで捉えてください。

選択肢3. トラック予約受付システムは、トラックが特定の時間帯に集中して到着するように到着時間を調整するために利用されている。

トラック予約受付システムの目的は、各トラックの到着時間を分散させて、スムーズに入庫させる(各トラックの待機時間を減らす)ことです。 選択肢は、 「特定の時間帯に集中して到着するように」 となっており、これだと逆に作業開始待ちのトラックが多数発生し大渋滞が起きてしまいます。

 「集中を避ける(平準化する)」のが目的なので、逆です → ✕

選択肢4. パレタイザは、パレットから貨物を取り卸すマテハン機器である。

パレタイザは、パレットに荷物を「積み付ける」ためのマテハン機器です。 

選択肢は、 「パレットから貨物を取り卸す」 と言っており、これは「パレタイザ(Depalletizer)」の説明です。 

積むのがパレタイザ、降ろすのはデパレタイザ。機能が逆です → ✕

選択肢5. 物流ABCは、自社が管理不可能な物流コストを詳細に算出する方法である。

物流ABCの目的は、コストごとの単価を明確にして、現場の改善や予算管理に役立てることです。 

選択肢は、 「自社が管理不可能な物流コストを詳細に算出」 とありますが、管理できないコストを細かく計算しても改善にはつながりません。 

正しくは「管理可能な」物流コストを算出して、管理・削減するのが目的です → ✕

まとめ

効果的な学習方法
 

① 「対(つい)」で覚える(セット学習)

物流用語は「反対の役割」や「似て非なる役割」のペアが多いです。セットで整理すると、ひっかけ問題に即座に反応できます。

DPS(摘み取り) ⇔ DAS(種まき)

パレタイザ(積む) ⇔ デパレタイザ(降ろす)

 

② 「何のために導入するのか(Before/After)」を考える

用語の定義を丸暗記するのではなく、「導入前の困りごと」と「導入後のハッピーな状態」をイメージしてみてください。

Before:トラックが朝一に殺到して、ドライバーが3時間待ちぼうけ…。

Solutionトラック予約受付システム

After:予約した時間にトラックが来て、スッと積んで帰れる!

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02

物流センターの運営に関する問題です。

 

選択肢に登場する用語はいずれも過去に出題がありますが、本問ではやや詳細な点が問われています。(消去法で正答することは可能です)

選択肢1. ASNは、荷受側がSCMラベルの情報をもとに作成する情報である。

ASNとはAdvanced Shipping Notice(事前出荷通知)の略で、荷送側がSCMラベルの情報をもとに作成する情報であるため不適切な選択肢となります。

 

※出荷のタイミングで荷物の内容が通知されるため、荷受側はいつどのような商品がどれだけ入荷するのかを事前に知ることができ、商品スペースの確保や人員配置などの準備をすることができます。

選択肢2. DPSは摘み取り方式ピッキングで利用され、DASは種まき方式ピッキングで利用される機器である。

DPSとDASは、それぞれDigital Picking SystemとDigital Assort Systemの略です。DPSが摘み取り方式(単一オーダー)ピッキングで利用され、DASは種まき方式(複数オーダー一括仕分け)で利用される機器であるため正解の選択肢となります。

 

※本選択肢は用語を知っていないと対応が難しいため、他の選択肢で正誤判断して消去法で選びたいです。

選択肢3. トラック予約受付システムは、トラックが特定の時間帯に集中して到着するように到着時間を調整するために利用されている。

トラック予約受付システムは、トラックが受付時間帯に分散して到着するように到着時間を調整するために利用されているため不適切な選択肢となります。

 

※他の問題で問われていますが、荷待ち時間の対価は運賃に含まれていません。そのため、我先に荷受けしてもらおうと受付時間前からトラックが待機し、トラックドライバーの長時間労働の原因ともなっています。トラック予約受付システムにより受付状況を可視化して空いている時間帯に入庫を促すことにより、荷受業務を平準化することができます。

選択肢4. パレタイザは、パレットから貨物を取り卸すマテハン機器である。

パレタイザは、パレットに貨物を積み付けるマテハン機器であるため不適切な選択肢となります。

 

※パレットから貨物を取り卸すマテハン機器は「デパレタイザ」です。(英語で、De-の接頭辞は「打ち消し」の意味があります)

選択肢5. 物流ABCは、自社が管理不可能な物流コストを詳細に算出する方法である。

物流ABCとは、「ピッキング」「梱包」「輸送」などの活動単位に分解して、各活動にかかるコストを詳細に把握・分析する手法のことです。

 

これらのコストは自社が管理可能であり、不適切な選択肢となります。(そもそも、自社で管理不可能な物流コストを詳細に算出したところで意味がありません)

まとめ

【補足】

 

過去問題では、ピッキング方式(摘み取り/種まき)の違いを問う問題が繰り返し出題されていますが、繰り返し出題されて受験生側も対応しやすくなっているためか、今回は違う問われ方をされて難易度がやや上がっています。

 

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