中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問100 (運営管理 問9)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問100(運営管理 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

生産プロセスの合理化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 工程稼働の調整を通じて仕掛在庫を削減するために、かんばん方式を導入した。
  • 作業者の振り向き動作を抑制するために、生産ラインのU字化を実施した。
  • 製造工程での段取り替えの回数を抑制するために、生産の平準化を実施した。
  • 設備停止などの工程で発生した異常を素早く周知するために、カムアップシステムを導入した。
  • 段取り替えに要する総工数を抑制するために、内段取りの外段取り化を実施した。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

生産プロセスの合理化に関する問題です。

選択肢1. 工程稼働の調整を通じて仕掛在庫を削減するために、かんばん方式を導入した。

かんばん方式とは、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」生産する在庫管理方式です。後工程で部品が引き取られた時に部品の情報(かんばん)を前工程に渡して指示された分だけ部品を補充させるため、過剰生産や在庫のムダを排除できます。

 

以上から、かんばん方式を導入することで仕掛在庫を削減するため正解の選択肢となります。

選択肢2. 作業者の振り向き動作を抑制するために、生産ラインのU字化を実施した。

作業者の振り向き動作を抑制するのであれば、生産ラインは直線化することが望ましいため不適切な選択肢となります。

 

※生産ラインをU字化すると、振り向き動作は必ず発生してしまいます。(抑制することはできない)

選択肢3. 製造工程での段取り替えの回数を抑制するために、生産の平準化を実施した。

段取り替えの回数を抑制するのであれば、一度にまとめて生産することが望ましいため不適切な選択肢となります。

 

※生産を平準化する=生産量を均等に分散させることであり、少なくとも段取り替えの回数は抑制できません。(むしろ、増加する可能性があります)

選択肢4. 設備停止などの工程で発生した異常を素早く周知するために、カムアップシステムを導入した。

設備停止などの工程で発生した異常を素早く周知するために導入するのはあんどんであるため、不適切な選択肢となります。

 

 

選択肢5. 段取り替えに要する総工数を抑制するために、内段取りの外段取り化を実施した。

段取り替えに要する総工数を抑制するのであれば、段取りの時間そのものを削減することが望ましいため不適切な選択肢となります。

 

※「外段取り化」とは機械を止めずに段取り替えをすることであり、一見正解のように思えますが総工数を抑制しているわけではありません。(内段取り→外段取り化しているだけ)

まとめ

【補足】

 

カムアップシステム

日付順に分けた作業指示書をフォルダなどに入れて管理するシステムです。当日行なう作業内容が1日ごとにまとめられているため、タスクの抜け漏れや遅延を早期に発見することができます。

参考になった数5

02

生産プロセスの合理化は、製造現場におけるムダを徹底的に排除し、付加価値を産まない作業や在庫を最小化することを目的としています。現場の物理的なレイアウト変更(U字化)や、情報の制御手法(かんばん方式、平準化)を適切に組み合わせることで、顧客の要求納期に応えつつ、最小のコストで製品を流す平滑な流れを実現することが、現場経営の核心です。

選択肢1. 工程稼働の調整を通じて仕掛在庫を削減するために、かんばん方式を導入した。

適切
かんばん方式は後工程引き取り方式を実現するためのツールであり、必要なものを必要な時に必要な量だけ生産・運搬するように工程間を調整します。これにより、余剰な生産が抑制され、工程間の仕掛在庫を劇的に削減することが可能となります。

選択肢2. 作業者の振り向き動作を抑制するために、生産ラインのU字化を実施した。

不適切
生産ラインのU字化の主な目的は、投入口と出口を近づけることで作業者の歩行距離を短縮することや、一人の作業者が複数の機械を受け持つことを容易にし、生産量の変化に対して作業人数の増減で柔軟に対応することにあります。

選択肢3. 製造工程での段取り替えの回数を抑制するために、生産の平準化を実施した。

不適切
生産の平準化は、市場の需要変動に合わせて生産する種類や量を平均化する手法です。多品種を少量ずつ混ぜて生産するため、通常は段取り替えの回数は増加する傾向にあります。そのため、平準化を行う前提として、シングル段取り化などの段取り時間の短縮が不可欠な活動となります。

選択肢4. 設備停止などの工程で発生した異常を素早く周知するために、カムアップシステムを導入した。

不適切
カムアップシステムは、主に事務管理や購買において、期日の管理やフォローアップを確実に行うための督促・備忘システムです。製造工程における異常を視覚的に周知する仕組みは、一般にアンドンと呼ばれます。

選択肢5. 段取り替えに要する総工数を抑制するために、内段取りの外段取り化を実施した。

不適切
内段取りの外段取り化は、機械を停止させないとできない作業(内段取り)を、停止中以外に準備できる作業(外段取り)へと転換することで、機械の停止時間を短縮し、設備稼働率を高めるための手法です。段取りに要する時間そのものを抑制する目的とは必ずしも一致しません。

まとめ

生産プロセスの合理化は、いわば川の流れを整え、水たまり(在庫)をなくす作業です。
・かんばん方式による制御:後工程からの引きを合図にすることで、必要以上の水が流れないように制御し、仕掛在庫という名の澱みを解消します。
・手段と目的の整合:段取り改善(内を外へ転換)は機械を止めないため、平準化は需要の波をなだらかにするため、U字ラインは人の動きを効率化するため。それぞれのツールの狙いを混同せず、全体最適の視点で統合することが、現場の競争力を決定づけます。
生産プロセス改善に用いられる手法とその目的を正確に覚えるようにしましょう。

参考になった数3