中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問86 (企業経営理論 問34)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問86(企業経営理論 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

製品の需要に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 環境やエネルギー保全などの公共的テーマと結びつけたデ・マーケティングは、対象市場の需要を抑制するため、そこから新たな代替市場を生み出す可能性につながる。
  • 健康や美容を意識する風潮が健康食品カテゴリーの需要を持続させている状態のように、ある方向性や連続性を保ちながら一定期間、需要が長続きする状態のことをファッドと呼ぶ。
  • 市場において優れた競争優位と成果をもたらしている企業の多くが顧客志向であり、需要創造において最も有効なマーケティング・コンセプトである。
  • 数量限定や地域限定のプロモーションは希少性の知覚を通して製品需要を増加させるが、時間限定のプロモーションにはその効果がない。
  • 頻繁に新たなデザインを導入することで、旧デザインの魅力度を低下させ、消費者の買い替え需要を促そうとする計画的陳腐化は、SDGsの観点から、望ましいマーケティング手法である。

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この過去問の解説 (2件)

01

製品の需要に関する問題です。

選択肢1. 環境やエネルギー保全などの公共的テーマと結びつけたデ・マーケティングは、対象市場の需要を抑制するため、そこから新たな代替市場を生み出す可能性につながる。

デ・マーケティング(Demarketing)とは、需要を意図的に抑制するマーケティング手法で「売らないマーケティング」とも呼ばれます。

 

需要を意図的に抑制する目的は、需要に合わせて無理に供給を増やすよりも、あえて品薄にすることでブランド価値を高める狙いがあるためです。ただし、市場は需要と供給のバランスにより成り立っていますので、存在する需要を狙った新たな代替市場を生み出す可能性につながります。したがって、正解の選択肢となります。

 

※需要に合わせて供給を増やすと、ブランド価値が希薄化する可能性があります。直近の例では、中国の「ラブブ(Labubu)」というキャラクターが2025年に世界的な大人気となりましたが、供給を増やした結果人気が下火になっていると言われています。

選択肢2. 健康や美容を意識する風潮が健康食品カテゴリーの需要を持続させている状態のように、ある方向性や連続性を保ちながら一定期間、需要が長続きする状態のことをファッドと呼ぶ。

「ファッド(Fad)」とは、一時的に爆発的に流行してすぐに廃れてしまうような気まぐれな流行やブームを意味するため不適切な選択肢となります。

 

 

選択肢3. 市場において優れた競争優位と成果をもたらしている企業の多くが顧客志向であり、需要創造において最も有効なマーケティング・コンセプトである。

顧客志向マーケティングが需要創造において最も有効とは言い切れないため、不適切な選択肢となります。

 

※アップルやユニクロなど、製品志向マーケティングで優れた競争優位と成果をもたらしている企業もあります。

選択肢4. 数量限定や地域限定のプロモーションは希少性の知覚を通して製品需要を増加させるが、時間限定のプロモーションにはその効果がない。

時間(期間)限定のプロモーションにも、「タイムセール」「新春初売り」など希少性の知覚を通して製品需要を増加させる効果があり、不適切な選択肢となります。

 

※「時間限定のプロモーションにはその効果がない」という100%断定的な表現に違和感を感じて、選択肢から除外できれば十分です。

選択肢5. 頻繁に新たなデザインを導入することで、旧デザインの魅力度を低下させ、消費者の買い替え需要を促そうとする計画的陳腐化は、SDGsの観点から、望ましいマーケティング手法である。

計画的陳腐化は消費者の買い替え需要を促そうとするため、SDGsの観点からは望ましいマーケティング手法とはいえないため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

ファッドは、令和4年度第33問に出題があります。

 

ファッドが3年ぶりに出題された背景には、製品ライフサイクルが短くなる傾向から一時的なブームが増加していると考えられ、今後も定期的に出題される可能性があります。

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02

製品の需要管理は、市場の状況や社会的な要請に合わせて需要をコントロールする活動です。単に需要を増やすだけでなく、環境保全のためにあえて需要を抑えるデ・マーケティングや、一過性の流行と長期的な傾向(トレンド)を見極める洞察力が求められます。

選択肢1. 環境やエネルギー保全などの公共的テーマと結びつけたデ・マーケティングは、対象市場の需要を抑制するため、そこから新たな代替市場を生み出す可能性につながる。

適切
デ・マーケティングによって既存の過剰な需要を抑制することは、環境配慮型製品などの新たな代替市場を創出する機会となります。

選択肢2. 健康や美容を意識する風潮が健康食品カテゴリーの需要を持続させている状態のように、ある方向性や連続性を保ちながら一定期間、需要が長続きする状態のことをファッドと呼ぶ。

不適切
一過性の流行がファッドであり、記述のような長続きする方向性を持った傾向はトレンドと呼ばれます。

選択肢3. 市場において優れた競争優位と成果をもたらしている企業の多くが顧客志向であり、需要創造において最も有効なマーケティング・コンセプトである。

不適切
顧客志向は重要ですが、常に最も有効とは限らず、状況によっては社会志向や製品志向などのコンセプトが優位に立つ場合もあります。

選択肢4. 数量限定や地域限定のプロモーションは希少性の知覚を通して製品需要を増加させるが、時間限定のプロモーションにはその効果がない。

不適切
その時にしか買えないという時間限定のプロモーションも、希少性の知覚を通じて需要を増加させる効果を持ちます。

選択肢5. 頻繁に新たなデザインを導入することで、旧デザインの魅力度を低下させ、消費者の買い替え需要を促そうとする計画的陳腐化は、SDGsの観点から、望ましいマーケティング手法である。

不適切
計画的陳腐化は資源の無駄遣いや廃棄物増加の原因となるため、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からは望ましくない手法です。

まとめ

マーケティングの役割は、需要の蛇口を調整し、価値を最適化することにあります。
現代では、消費を煽るだけでなく、社会や環境のためにブレーキをかけるデ・マーケティングの視点を持つことが、企業の長期的な信頼と持続可能性を支える重要な鍵となります。

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