中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問81 (企業経営理論 問30)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問81(企業経営理論 問30) (訂正依頼・報告はこちら)
- 価格を消費者による「支出の痛み」として捉えれば、価格は安いほど売れ行きは伸びることになるが、他方で価格を「品質のバロメーター」や「プレステージ」として捉えれば、必ずしも安い価格の方が売れ行きが伸びるとは言えない。
- 顧客によって異なる価格を提示するプライシングは、鉄道サービスにおける学割やホテル業界におけるメンバーシップ制度などに見られるように古くから行われてきたが、時期によって価格を変えるプライシングが行われるようになったのは、デジタル・マーケティングによるダイナミック・プライシングが浸透した近年になってからである。
- サブスクリプションは、製品やサービスの所有権の移転を行わずに使用する権利だけを販売するものであり、音楽や映像などがデジタル化され所有権の移転を行わずに転送できるようになったことなどに示されるように、デジタル時代になって誕生した新しい契約形態である。
- 自社製品を有利に扱ってくれる流通業者に対して、メーカーは割引価格などの金銭的見返りを提供することが多い。そのうち短期的な金銭的見返りは一般的にリベートと呼ばれ、長期的に提供されるアローワンスと区別される。
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この過去問の解説 (2件)
01
プライシング(価格戦略)は、マーケティング・ミックス(4P)の中で唯一、収益を直接生み出す要素です。価格は単なる数値ではなく、顧客にとっての心理的コストや価値の象徴としての側面を持ち、デジタル技術の進展によって現代では多様化しています。
適切
消費者心理において、価格はコストであると同時に、未知の製品の品質を推測する指標や社会的地位の象徴としての機能を持ちます。そのため、高価格が需要を喚起するヴェブレン効果などが生じることがあります。
不適切
時期によって価格を変える手法は、航空産業やホテル業界で古くから行われており、近年になってからという記述は誤りです。
不適切
サブスクリプションは定額制の利用権であり、新聞購読や牛乳の配達など、デジタル時代以前から存在するビジネスモデルです。
不適切
リベートとアローワンスの区別は、期間の長短ではありません。その名目や機能にあります。一般に、リベートは一定期間の累積購入量や支払条件の遵守に対して支払われる割戻金を指し、アローワンスは広告掲載や陳列棚の確保といった特定の販売促進活動(サービス)への協力金を指します。期間のみを分類基準とする本記述は不適切です。
価格は顧客が認める価値の対価です。
安易な値下げは収益を悪化させるだけでなく、ブランドが築いてきた品質への信頼というシグナルを毀損するリスクがあります。実務においては、顧客の心理的受容性を分析し、状況に応じた柔軟な価格設定を行うことが、利益の最大化に直結します。
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02
プライシングに関する問題です。商習慣が問われている選択肢があり、やや難易度が高いです。消去法で正答を狙いたいところです。
「品質のバロメーター」とは、価格が品質の基準を決める考えであり、「安かろう悪かろう」などがあります。
「プレステージ(威光価格)」も価格が品質の基準を決める考えであり、ブランド品などに顕著ですが高い価格が消費者を惹きつける要素になります。
以上から、「安かろう悪かろう」(安いと品質が良くないのではないか)と考えて敬遠する消費者がいる一方で、高くてもブランド品を買い求める消費者もいることから、必ずしも安い価格の方が売れ行きが伸びるとは言えないため正解の選択肢となります。
ダイナミック・プライシングは昭和の時代から実施されており、不適切な選択肢となります。
お盆や年末年始など時期によって価格を変えることは、いわゆる「繁忙期料金」として鉄道・高速道路・ホテルや旅館などの宿泊業・航空業界などで昔から一般的に実施されています。
サブスクリプション(サブスク)は「定額制」「月額制」などと訳される、一定額を支払うことで基本的に全てのサービスを受けられる権利です。
サブスクは名称こそ横文字ですが、フィットネスクラブやゴルフ場の会員権、他の選択肢で問われている鉄道サービスでは定期券もサブスクの一種であり、デジタル時代以前から存在する契約形態であるため不適切な選択肢となります。
リベートとアローワンスはいずれも販売促進費用ですが、以下のような違いがあります。
・リベート
取引量に応じた「割戻金(後払い値引き)」的性格が強い。日本独特の商慣習。
・アローワンス
広告・陳列など販売促進活動の対価として支払われる「協賛金・手当」。欧米で一般的な制度。
以上から、短期的な金銭的見返りは一般的にアローワンスと呼ばれ、長期的に提供されるリベートと区別されるため不適切な選択肢となります。
【補足】
本問の一部選択肢で問われている、「昔は存在しなかった」タイプの論点は過去問題でも出題があります。
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