中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問78 (企業経営理論 問28)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問78(企業経営理論 問28) (訂正依頼・報告はこちら)
- 1950年代から60年代にかけて、アメリカでは精神分析や臨床心理学を応用して消費者の深層心理を調べるニューロ・マーケティング・リサーチが盛んに行われたが、分析者による恣意的な解釈などが入り込む傾向があり、次第に行われなくなった。
- 自社の製品に対する顧客の満足度(変数X:7点尺度で回答)と顧客の年収(変数Y)との間の相関分析を行った結果、相関係数がゼロであったため、XとYは相互に無関係であると結論づけた。
- 自社の製品に対する顧客の満足度(変数X:7点尺度で回答)を連続尺度とみて顧客の居住地(変数S:都道府県で回答)との間に関係があるかどうかを調べるために、カイ2乗分析を行った。
- 自社の製品を購入した顧客からサービスセンターに寄せられる手紙とハガキの内容を分析した結果、製品Aより製品Bに寄せられる不満の方が多いことが分かった。このため、直ちに製品Bの販売を中止することにした。
- 自社の製品を購入した全顧客を対象とする全数調査は、得られる回答データの正確性が高い一方で時間とコストの観点から現実的ではないため、単純無作為抽出法、層化抽出法などの標本抽出方法によるサンプリング調査が行われることが多い。
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この過去問の解説 (2件)
01
マーケティング・リサーチは、意思決定の不確実性を減少させるための科学的プロセスです。本問では、リサーチの歴史、統計的分析手法(相関、カイ2乗分析)、および標本抽出の理論的妥当性が問われています。実務上、データの解釈の正確性と収集コストの効率性のバランスを理解することが重要です。
不適切
1950〜60年代に盛んだったのは動機付けリサーチです。ニューロ・マーケティングは、脳科学の知見を応用した比較的新しい手法であり、時代の記述が誤っています。
不適切
相関係数がゼロであることは、あくまで直線的な関係がないことを示すに過ぎません。非線形な関係が存在する可能性を否定できないため、直ちに無関係と結論づけるのは統計学的に不適切です。
不適切
カイ2乗分析は、通常、カテゴリー同士の独立性を検証する際に用いられます。満足度を連続尺度として扱う場合、平均値の差の検定(t検定や分散分析)が適しており、手法の選択が不適切です。
不適切
寄せられた不満の数だけで判断するのは非常に危険です。販売数量に対する不満の割合や、不満の質を精査せずに直ちに販売中止を決定するのは、経営判断として拙速ですので誤りです。
適切
市場調査の実務において、全数調査はコスト・時間面で困難な場合が多いため、統計的理論に基づいたサンプリング調査を行うことが一般的かつ妥当です。
マーケティング・リサーチの本質は、情報の精度と投資対効果の最適化にあります。
・サンプリングの重要性:統計学的に適切な手順で抽出された標本は、母集団全体を高い信頼度で推定することを可能にします。これは、巨大なスープの味を確かめるために、よくかき混ぜてから一匙だけ味見をする行為に似ており、正しくかき混ぜる(無作為化)ことが推定の正確性を担保します。
・多角的なデータ解釈:単一の指標や、線形的な相関のみで判断するのではなく、データの尺度や収集背景を考慮した深い洞察が、誤った意思決定を回避する鍵となります。
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02
マーケティング・リサーチに関する問題です。
一部、統計に関する専門用語が挙げられている選択肢がありますが、記述を素直に読めば正答できる内容になっています。(専門用語を知らなくても正答可能)
ニューロ・マーケティング・リサーチは、脳波や表情認識などの手法で消費者の無意識の反応を測定し、研究開発、商品企画、広告宣伝、購買行動調査など幅広い分野で活用されており不適切な選択肢となります。
相関係数はマイナス1から1の間の値で示されます。2軸のグラフでは、マイナス1は負の相関で右下がりのグラフ、1は正の相関で右上がりのグラフ、ゼロの場合は無相関で点はバラバラにプロットされます。
相関係数がゼロ(=無相関)であっても、相互に無関係であるとは言い切れないため不適切な選択肢となります。
連続尺度は、売上高やKPIなど数字で表現することができる「メトリックデータ」となります。
カイ二乗検定は、性別や血液型などのカテゴリーデータの間に統計的な関連性があるかどうかを調べるための分析手法であり、連続尺度を分析することができないため不適切な選択肢となります。
製品Aより製品Bに寄せられる不満の方が多いことが分かったため、製品Bに寄せられる不満の分析を行なう必要があり不適切な選択肢となります。
※製品Bに不具合(瑕疵)がある場合は直ちに製品Bの販売を中止する必要がありますが、不満が寄せられるレベルでは販売を中止するほどではありません。販売を中止するとしても、不満の分析→販売中止の順番です。
全数調査は時間とコストがかかりすぎるため、100件のデータから無作為に3件抜き取るなどのサンプリング調査が行われることが多く正解の選択肢となります。
※全数調査は回答データの正確性が高いことは事実であり、AIを活用するなどして時間とコストの問題を克服することは可能であると考えられます。
【補足】
マーケティング・リサーチは、ほぼ毎年1問出題がある頻出論点です。
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