中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問76 (企業経営理論 問26)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問76(企業経営理論 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

労働施策総合推進法第30条の2に規定されている、いわゆる「職場におけるパワーハラスメント」および厚生労働省の指針に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、本問における厚生労働省の指針とは、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」を指す。
  • 1人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させるなどの「人間関係からの切り離し」は、職場におけるパワーハラスメントの代表的な言動の類型に含まれる。
  • 事業主は、職場におけるパワーハラスメントを防止するために雇用管理上の措置を講じなければならないが、常時雇用する労働者が10人未満の事業所は、相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知するなど相談体制を整備する義務までは負わない。
  • 職場におけるパワーハラスメント該当性の判断は、労働者個人の主観に基づき行われることから、客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導であっても、労働者が不満に感じる場合には職場におけるパワーハラスメントに該当する。
  • 職場におけるパワーハラスメントにいう「職場」とは、労働者が通常就業している場所を指す。したがって、社外における取引先との打ち合わせ場所(接待の席を含む)は「職場」に該当することはない。

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この過去問の解説 (2件)

01

職場におけるパワーハラスメントに関する問題です。

選択肢1. 1人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させるなどの「人間関係からの切り離し」は、職場におけるパワーハラスメントの代表的な言動の類型に含まれる。

適切
指針で示されているパワハラの6類型の一つ「人間関係からの切り離し」の代表例です。同僚による集団的な無視もこれに該当します。

選択肢2. 事業主は、職場におけるパワーハラスメントを防止するために雇用管理上の措置を講じなければならないが、常時雇用する労働者が10人未満の事業所は、相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知するなど相談体制を整備する義務までは負わない。

不適切
2022年4月より、10人未満の事業所においてもパワハラ防止措置は法的義務となっています。

選択肢3. 職場におけるパワーハラスメント該当性の判断は、労働者個人の主観に基づき行われることから、客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導であっても、労働者が不満に感じる場合には職場におけるパワーハラスメントに該当する。

不適切
パワハラの判断は平均的な労働者の感じ方を基準とした客観的な判断に基づきます。不快に感じたとしても、業務上必要かつ適正な範囲内であればパワハラには当たりません。

一方でセクハラは、相手の意に反する性的な言動によって、不利益を与えたり、就業環境を不快なものにしたかどうかが問題となり、その際には被害者の不快感・屈辱感といった主観的な受け止め方に、より一層の配慮が求められます。

選択肢4. 職場におけるパワーハラスメントにいう「職場」とは、労働者が通常就業している場所を指す。したがって、社外における取引先との打ち合わせ場所(接待の席を含む)は「職場」に該当することはない。

不適切
「職場」とは、業務を遂行するすべての場所を指します。出張先、取引先、接待の席、さらには移動中の車内やオンライン会議の場も含まれます。

まとめ

パワハラは、優越的な関係・不必要な言動・環境の悪化の3要素が揃った状態を指します。
単なる厳しい指導との境界線は、その言動が業務上の必要性に基づいているかどうかにあります。集団での無視や不当な隔離は、業務上の必要性がない人間関係からの切り離しとして明確に否定されます。

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02

「職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)」および厚生労働省の指針に関する問題です。

 

パワハラについては、以下の資料を参照してください。

(出所:厚生労働省「職場におけるハラスメント」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf

 

パワハラを含むハラスメントは社会的にも大きな問題となっており、中小企業の経営者層に助言する役目を担う中小企業診断士を目指す者としては、この種の問題は必ず正答できなければなりません。

選択肢1. 1人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させるなどの「人間関係からの切り離し」は、職場におけるパワーハラスメントの代表的な言動の類型に含まれる。

パワハラには6つの類型(冒頭の資料を参照してください)があり、「人間関係からの切り離し」は6つの類型のうちの1つに含まれており正解の選択肢となります。

選択肢2. 事業主は、職場におけるパワーハラスメントを防止するために雇用管理上の措置を講じなければならないが、常時雇用する労働者が10人未満の事業所は、相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知するなど相談体制を整備する義務までは負わない。

常時雇用する労働者が10人未満の事業所であっても、相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知するなど相談体制を整備する義務があり不適切な選択肢となります。

選択肢3. 職場におけるパワーハラスメント該当性の判断は、労働者個人の主観に基づき行われることから、客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導であっても、労働者が不満に感じる場合には職場におけるパワーハラスメントに該当する。

客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導に該当する場合は、パワハラには該当しないため不適切な選択肢となります。

 

※パワハラと認定されるためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

①優越的な関係を背景とした言動

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

③労働者の就業環境が害されること

選択肢4. 職場におけるパワーハラスメントにいう「職場」とは、労働者が通常就業している場所を指す。したがって、社外における取引先との打ち合わせ場所(接待の席を含む)は「職場」に該当することはない。

社外における取引先との打ち合わせ場所(接待の席を含む)は、業務を行なっていると判断できるため「職場」に該当不適切な選択肢となります。

 

※「該当することはない」という100%断定的な表現に違和感を感じて、選択肢から除外できれば十分です。

まとめ

【補足】

 

本問はパワハラの論点ですが、セクハラ、モラハラ、マタハラなど、現代社会には数多くの「〇〇ハラスメント」が存在しています。

 

また、「〇〇ハラスメント」を行なう人(加害者)の多くは、無意識のうちにハラスメント行為に至っていることが多い(昔はハラスメントではなかった=当たり前だったという過去の経験から、認識をアップデートできていない)と言われていますが、もはやそのような言い分は通用しません。

 

そのため、パワハラに限らず、考えられる限りの「〇〇ハラスメント」に早急に対応できるような組織体制の構築が求められます。

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