中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問65 (企業経営理論 問15)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問65(企業経営理論 問15) (訂正依頼・報告はこちら)
- J.ウッドワードによれば、「単品生産・小規模バッチ生産」から「大規模バッチ・大量生産」、さらに「装置生産」へと技術の複雑性が高まるにつれて、組織の階層数は増加し、管理者や監督者の全従業員に対する割合、および直接労働者に対する間接労働者の割合も高くなる。
- J.ウッドワードによれば、「単品生産・小規模バッチ生産」や「装置生産」を行う企業では、作業の標準化と手順の明確化が重要であり、「機械的管理システム」の導入が最も適している。
- P.ローレンスとJ.ローシュによれば、不確実性の高い環境で高業績をあげていた組織は、組織全体を統合する取り組みをできる限り抑えながら、各職能部門がそれぞれのタスク環境に適応できるよう高度に分化していた。
- T.バーンズとG.M.ストーカーによれば、「有機的管理システム」は、組織メンバーの職務内容や役割に柔軟性を持たせる一方で、情報と意思決定の権限を上位に集中させることにより、組織の分化と統合の両立を実現できる。
- T.バーンズとG.M.ストーカーによれば、組織のライフサイクルにおいて、起業者段階や共同体段階では「有機的管理システム」が採用されるが、公式化段階や精巧化段階に移行すると、「機械的管理システム」が採用される傾向が高くなる。
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この過去問の解説 (2件)
01
組織構造や管理システムに関する理論を横断的に問う問題です。各選択肢の情報量が多く、難易度の高い問題です。
本問で問われている生産形態は、以下のようなイメージです。
「単品生産・小規模バッチ生産」→中小企業などでの多品種少量生産が主流の生産形態
「大規模バッチ・大量生産」→トヨタなどで採用されているベルトコンベア式の生産形態
「装置生産」→発電所などの大規模な初期投資を伴う生産形態
そのため、技術の複雑性が高まるにつれて組織の階層数は増加し、管理者や監督者の全従業員に対する割合および直接労働者に対する間接労働者の割合も高くなるため正解の選択肢となります。
作業の標準化と手順の明確化が重要であり、「機械的管理システム」の導入が最も適しているのは「装置生産」です。
他の選択肢でも述べていますが、「単品生産・小規模バッチ生産」とは中小企業で行われている生産形態です。作業は標準化されているとは言えず、手順も明確ではない(現場での調整が欠かせない)ため「有機的管理システム」の導入が最も適しており、不適切な選択肢となります。
本選択肢は、コンティンジェンシー理論の記述です。
不確実性の高い環境で高業績をあげていた組織は「分化」と「統合」のバランスが取れており、「組織全体を統合する取り組みをできる限り抑え」てはいないため不適切な選択肢となります。(高度な統合システムも備わっている)
「有機的管理システム」では、情報と意思決定の権限を下位(現場レベル)に移譲させており不適切な選択肢となります。
T.バーンズとG.M.ストーカーは、安定的な環境では機械的管理システム、不安定な環境では有機的管理システムが有効であると提唱しているため不適切な選択肢となります。(組織のライフサイクルと管理システムの関連ではない)
【補足】
T.バーンズとG.M.ストーカーの理論については、参考までに令和2年度の第16問を確認してください。
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02
組織構造と技術・環境の適合関係(コンティンジェンシー理論)に関する問題です。J.ウッドワード、ローレンス&ローシュ、バーンズ&ストーカーといった代表的理論の区別が求められます。
適切
J.ウッドワードの研究結果として正確な記述です。技術が高度化するほど、現場の直接人員よりも、それを管理・維持するための間接部門や階層が必要になります。
不適切
J.ウッドワードによれば、機械的な管理が適しているのは大量生産段階です。単品生産や装置生産ではより柔軟な対応が求められます。
不適切
環境の不確実性が高い場合、組織は分化を進めると同時に、バラバラになった部門をまとめるための統合の取り組みも強力に行う必要があります。統合を抑えるという記述は誤りです。
不適切
有機的管理システムの特徴は、権限の分散と水平的なコミュニケーションにあります。権限を上位に集中させるのは機械的管理システムの特徴であるため、不適切です。
不適切
バーンズとストーカーの理論は、ライフサイクルではなく外部環境の不確実性に焦点を当てたものです。ライフサイクルによる構造変化を説いたのはダフトなどの別の理論です。
組織には唯一最善の形はなく、条件によって最適解が変わるという考え方です。
J.ウッドワード
理論:製造技術の複雑性(単品生産 → 大量生産 → 装置生産)に応じて組織構造が変化する。
要諦:技術が高度化するほど、組織の階層数が増加し、間接労働者の割合が高まる。
T. バーンズ&G.M.ストーカー
理論:外部環境の不確実性に応じて管理システムを使い分けるべきである。
要諦:安定した環境では権限集中の機械的管理システム、変化の激しい環境では柔軟な有機的管理システムが適合する。
P.ローレンス&J.ローシュ
理論:環境が不確実なほど、部門ごとの専門化と、それらをまとめる統合の両方が必要になる。
要諦:高業績企業は、環境に合わせて分化を進めつつ、強力な統合メカニズムを保持している。
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