中小企業診断士 過去問
令和7年度(2025年)
問64 (企業経営理論 問14)

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問題

中小企業診断士試験 令和7年度(2025年) 問64(企業経営理論 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

組織における分業と調整に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 作業現場において、仕事を分業し、個々の作業範囲を特定の領域に狭く限定すると、作業者のスキルが均質化し、業務の幅が広がるため、キャリア形成の選択肢も増える。
  • 作業手順を標準化し、作業内容を確定させることは、計画目標の達成率を高め、生産性向上につながる。このような標準化と計画目標の関係は、「計画のグレシャムの法則」として知られている。
  • 仕事の分業が過度に進むと、組織メンバーは自分の仕事が組織全体にどのような意味を持っているか実感できず、仕事への意欲が低下することがある。こうした現象は、「アンダーマイニング効果」として知られている。
  • 仕事の分業を進めると、個々の作業が単純化され、機械化が容易となるため、各工程間の調整が不要となり、業務は効率化されやすい。
  • 定型的な作業は標準化によってあらかじめ調整し、想定外の事態には上位層が事後的に対応することで、仕事は効率的に行われる。

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この過去問の解説 (2件)

01

組織における分業と調整に関する問題です。

 

本問は用語の意味を知っていないと対応できない選択肢があり、また、正解の選択肢も正誤判断に迷うような記述があるため難易度は高めです。(消去法で正答できれば十分です)

選択肢1. 作業現場において、仕事を分業し、個々の作業範囲を特定の領域に狭く限定すると、作業者のスキルが均質化し、業務の幅が広がるため、キャリア形成の選択肢も増える。

本選択肢は、営業や生産など役割分担することにより作業者のスキルは専門化し、業務の幅は狭くなります。その結果、キャリア形成の選択肢は狭められるため不適切な選択肢となります。

選択肢2. 作業手順を標準化し、作業内容を確定させることは、計画目標の達成率を高め、生産性向上につながる。このような標準化と計画目標の関係は、「計画のグレシャムの法則」として知られている。

「計画のグレシャムの法則」とは、ルーティン化された日常業務に忙殺されることで長期的なビジョンや創造的な計画が後回しにされたり実行されなくなる現象をいいます。

 

そのため、「計画のグレシャムの法則」の記述として不適切な選択肢となります。

選択肢3. 仕事の分業が過度に進むと、組織メンバーは自分の仕事が組織全体にどのような意味を持っているか実感できず、仕事への意欲が低下することがある。こうした現象は、「アンダーマイニング効果」として知られている。

「アンダーマイニング効果」とは、好き・楽しいという純粋な動機で取り組んでいたことに対して、金銭や評価などの外発的動機付けが与えられることで「報酬のためにやっている」状態になり、報酬がなくなるとモチベーションが低下する現象をいいます。

 

そのため、「アンダーマイニング効果」の記述として不適切な選択肢となります。

選択肢4. 仕事の分業を進めると、個々の作業が単純化され、機械化が容易となるため、各工程間の調整が不要となり、業務は効率化されやすい。

分業化を進めることにより各工程間の調整が必要となり、業務が効率化されやすいとは言い切れないため不適切な選択肢となります。

選択肢5. 定型的な作業は標準化によってあらかじめ調整し、想定外の事態には上位層が事後的に対応することで、仕事は効率的に行われる。

想定外の事態には上位層が事後的に対応する」という文脈が正誤判断に迷いますが、「想定外」のため事前に備えておくことが難しいと考えると正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

組織論は二次試験の事例Ⅰで問われるため、二次試験対策も考慮に入れると出題頻度に関わらず手厚く対応しておくことが必要になります。

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02

分業による効率化のメリットと、それによって生じる人間的な問題や調整の仕組みを正しく理解しているかが問われています。

選択肢1. 作業現場において、仕事を分業し、個々の作業範囲を特定の領域に狭く限定すると、作業者のスキルが均質化し、業務の幅が広がるため、キャリア形成の選択肢も増える。

不適切
仕事を狭い領域に限定すると、その特定の作業には習熟しますが、業務の幅はむしろ狭まります。結果として、キャリア形成の選択肢を狭めてしまうリスクがあるため、記述は不適切です。

選択肢2. 作業手順を標準化し、作業内容を確定させることは、計画目標の達成率を高め、生産性向上につながる。このような標準化と計画目標の関係は、「計画のグレシャムの法則」として知られている。

不適切
計画のグレシャムの法則とは、ルーチン的な定型業務が、長期的で創造的な計画業務を駆逐してしまう現象を指します。標準化と目標達成の正の相関を指す言葉ではないため、不適切です。

選択肢3. 仕事の分業が過度に進むと、組織メンバーは自分の仕事が組織全体にどのような意味を持っているか実感できず、仕事への意欲が低下することがある。こうした現象は、「アンダーマイニング効果」として知られている。

不適切
分業による意欲低下は疎外感などの問題ですが、アンダーマイニング効果とは内発的動機付けによる行動に対し、報酬を与えることで逆に意欲が低下する現象を指すため、文脈が異なります。

選択肢4. 仕事の分業を進めると、個々の作業が単純化され、機械化が容易となるため、各工程間の調整が不要となり、業務は効率化されやすい。

不適切
分業を進めるほど、個々の作業は独立するため、それらを統合するための調整の必要性はむしろ増大します。調整が不要になるという記述は組織論の基本原則に反します。

選択肢5. 定型的な作業は標準化によってあらかじめ調整し、想定外の事態には上位層が事後的に対応することで、仕事は効率的に行われる。

適切
これは例外による管理や標準化による事前調整の考え方として適切です。ルーチンは仕組みで回し、例外のみ人間(管理層)が判断することが組織効率を高めます。

まとめ

組織設計における分業と調整の最適化は、業務効率と組織の全体最適を両立させるための不可欠な管理課題です。理論としては難しいものではないですが、本問は言葉の意味を知らなければ解けない問題です。

診断士試験ではよくありますので、ビジネスに関連する用語は常に意識して意味を理解しておくと良いでしょう。

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